Guild F-512


(F−512ゲットまでの道)
 2001年1月8日、おじさん5人と青年?1人でお茶ツアーをした。 そのとき、K店系列の中古屋さんで見つけてしまった。 他の人達が「蛸」の試奏に夢中になってるのを尻目に密かにチェック!
サドルは高いが弦高は低いようだ・・・フムフム、大きな傷はないしエクセレント状態、 表面板も奇麗だ、価格も・・・・や、安い!

 翌週、仕事にいっても身が入らない、気になって気になって気になって・・・・ まるで初恋のように上の空・・・・完全にギター欲しい病である。 それにしても初めてみたF−512、中古で出る事もあったんだ!

 そして数日後の1月13日、意を決して23年間使い続けたD−35を委託に出し、 その足でK店系列の中古楽器屋さんに向かった。 さっそく試奏させてもらう・・・、弦高は確かに低い、低すぎるくらいに、 ネックは真っ直ぐ、14フレットからの腰折れもない、お腹も平らで問題はない、 フレットは全部打ち代えてあって新品状態、端の浮きもない。
 う〜む、同じメーカーのギターをチェックしていても25年前とずいぶん違うぞ! 「これください、クレジットカードで1回払いね!」と購入してしまった。 「程度良いのに安いんですね〜」と言うと店員さん「ペグがこんな状態ですから・・・・」と、 な、なるほど、オリジナルのミニペグではなく、 標準サイズのシャーラーペグが6個にオベイションマーク入りが6個、重い!。

 後にシャーラーのミニペグに全部交換したので、その前後は下の写真をみてちょ〜だい。


★購入直後のペグ



★交換後のペグ(美しい!!)



 ジョン・デンバーが愛用したGuildの12弦、 S&Gの「エミリー・エミリー」もGuildのF−212XLの音色、 「ホテル・カリフォルニア」もGuildの音か?

 Martin D12−20とは異なるしっとりとした音色、艶っぽい! Fのジャンボサイズボディのためか、Dサイズより音色は柔らかめです。 カポ7でも平気だぞ!
このF−512を入手するにあたり、23年間愛用した70年代D−35とお別れしました。
♪去る人があれば、来る人もあって・・・・ということで、「さらばD−35、70年代Martin」 という副題を添えて、以下の雑文を追加したいと思います。


1978年の10月、神田にある老舗の楽器屋さんで、どのMartinを購入しよ うか 品定めしてる自分がいた。学校を卒業して仕事に就いて半年、なんとなく金を 使って気分転換したくなり、自分にとっても憧れであったMartinが買いたく なった からである。今だからいえるが、当時は楽器の良し悪しなんてまったく判断が つかなかったと思う。この時点で、Guild D−50と松岡良治D−100を所 有していた。

ガラスウインドウケースの中にあったD−28とD−35を2本弾かせてもらった。
D−28は鳴りとしては良かったのだが、トップの木目の間隔が広く材料として 荒く思えたのと、音色がすでに所有してるGuildと近いのでまずパスした。
D−35の音色は、D−28を弾いた直後にはナイロン弦であるかのように 柔らかく感じられた。ドカーンという迫力はないけどバランスが良い感じだ。 2本のD−35のうち1本にはシャーラーのペグが着いていた。もう一本は グローバーである。ちょうどこの頃がペグの変遷時期だったのだろう。
シャーラーの着いてるほうが高音が綺麗に聞こえたが、自分の中では Martinはグローバーじゃ無いと・・・という気持ちが有ったのと、グローバー の方は中古ということで価格が安かったのでそちらを選択した。

ケースはブルーケースならずブラックケースが着いてきたが、使い勝手が 悪いので人にプレゼントしてしまい、東海のオールドレプリカケースを購入した。
カポをするとチューニングが合わなくなるギターだった。
今ならフレット音痴と言い切れるのだが・・・、当時はそんな事も知らんかった。
以後、大舞台で使う事は無かったが、あちこちに連れて行って弾いた。
使ってるうちにフレットが浮きフレット交換も行なった。今思えば楽器屋に 騙されたような気もするのだが・・・・。(~_~;)

購入当時、Martinを持ってる友人などほとんどなく、比較する事もできなかっ た が、年月が経つうちに音楽仲間達がいろいろ所有するようになり、それを持って 遊びに来るようになった。そんな中でも比較的に良く鳴るD−35だったので 満足していたのだが・・・・。
1983年の某日、今は亡き友人がショップカスタムのD−28を持って 来た時は凄い音がしていた。とてもじゃないけど勝てない・・・って感じで、 その差はとてつもなく大きく感じられた。
1985年、仕事でUSAに行く機会に恵まれ、良く鳴るHD−28を見つけたが 諸事情により販売してもらう事ができなかった。帰国後に御茶ノ水をめぐり、 新品のMartinをいくつか弾かせてもらったが、自分愛用のD−35には遠く 及ばないように感じたので、購入までには至らなかった。
1994年夏、自分を不幸が襲う!仕事上の事故で大腿骨を複雑骨折(~_~;) 4ヶ月入院した。左肩も脱臼し、リハビリも兼ねて病院でD−35を弾く。
怪我は治ったけど左足が20mmほど短くなっていた。

1995年8月、サンタクルーズTRを通販で買う!
こいつが凄かった、83年のカスタムと同じような衝撃だ。
弾いていて気持ち良さが全然違う、カポをしても音は狂わない。
もうMartinはいらないとさえ思った。

1996年にはサンタのVAもUSAで買ってきた。
D−35はほとんど使わなくなってしまった。
たまに弾いてもその差は歴然としてるし・・・・ちょっと弾きづらいのもあって 思い切ってネックリセットをしてもらったが、結果としては・・・・ほとんど 変わらなかった。(~_~;)

2000年にはD12−20(65年)、Gibson CW(64年)と立て続け に やってきた。こいつらもまた凄い!
そして年末には45GEを発注・・・・・(^^;;) エヘヘ・・

さ、さらに翌年の2001年、御茶ノ水で自分にとっては禁断の、このGuild F− 512 を見つけてしまって・・・・。さすがに懐には全く余裕どころか、45GEの為替 変化損失をどうしようかという心配しかなく・・・・やむなくD−35を委託に出す 事になったのでした。
購入時の金額と委託で売った販売価格では後者のほうが高く、物価上昇も ありますが、結果として23年間使ったD−35の売買差額は¥35000でした。

かくして1977年製のD−35とのお付き合いは終わったのです。
思えば、SQロッドだったのでネック調整も容易ではなく、マーチンクラックで ピックガードは捲り上がり交換修理、フレット音痴で音程は不安定、音質も 新品よりは良いけど、良く鳴るものと比較するとたいしたことはない。 ケースも使いづらいプラスチックケース、ペグも12:1と精度の低いグローバー と、 客観的に考えると良いところ少ないですよね。
あこがれと神話という呪縛から解かれたら、さっぱりしちゃいました。
まあ、それでも国産の¥100000前後の機種と比べると、音の深みは 全く違いましたが・・・・。(^^ゞ

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