オーディオの入口と出口


 入口は絶対的に大事である。
レコードにしろデジタルデータにしろ、音源そのものが良くなければ、良い音で 再現できて聴けるはずはないですからね。
そして出口も大事と言われてますが・・・・、本当にそうでしょうか?
フルオーケストラを忠実に再現できるスピーカーは、家庭用でも業務用で ないでしょう。
そもそもスピーカーって何なの?・・・って考えれば、虚構の理想を再現してくれる システムの一部じゃないかと思うのですよね。
なので、どちらが大事かと言えば、入ってくる音源以上の再現はできるはずはない ので、より重要なのは入口であり、自分の理想をそれなりに再現してくれる出口を 捜すのが正しいんじゃないかと?
しかしながら、我が家でのオーディオシステムの中で一番お金がかかってるのは、 音楽ソースを除く入口でも出口でもなく、中間のコントロール・アンプ、別名プリ アンプなのですよ・・・・、なんでやねん。
オーディオ機材で数十万円の価格で売られてるものなら、かなり高級なイメージは ありますが、我が家のプリアンプは一桁上の7桁の定価の品でした!
おいそれとは買える品ではないので、自分にご苦労様でしたと、退職金を充てての 購入であります。しかもコントロールアンプと言いながらフォノイコライザー機能も ない、トーンコントロールの類も一切ないし・・・・、ただのラインアンプであり ます。
オーディオマニアの方の中には、中間にラインアンプシステムが入るのは音質の劣化 を招くだけであり不要、パワーアンプの前に単なるボリュームとしてフェーダー機能 が有ればよいと言う方もいらっしゃいますが・・・、このプリアンプはそのような 思考を真っ向から否定するだけのポテンシャルを持ってるんじゃないかと!
そもそもボリュームと言う抵抗素子を使っていないプリアンプですからね。
しかしながら、いざ使ってみると、ホントに我が家のオーディオシステムを見事に コントロールしてくれる感じなのですよ、それまで使ってたC−280Vという プリアンプと交換して聞いてみて、同じ出口(JBL:4344,TANNOY: STIRLING)に同じパワーアンプ(A−20×2+P550,QUAD: 707)でありながら、奏でる音が全然違う、パワーが増してる、低息が強い、 ノイズが少ない、音が艶やか!・・・なのですよ。もう入手して6年経過しま したが、その絶対的なコントロール能力は健在なのであります、故障も無いし。
音の入り口と出口は大事だけど、それ以上にコントロールアンプは大事なだって、 あらためて気づかせてくれたプリアンプであります。


 プリアンプでの初めての感動はオーレックスのSY−88でした。それまで使ってた プリメインアンプでのレコード再生と比べて、目の前でふきのとうの細坪氏が歌って くれてるかのように、レコードの音が聞こえたのですよ、この時からフォノイコ ライザーアンプは大事だな〜と痛感した次第であります。
やがてSY−88からC280Vに替えた時も同様でした、レコード再生音が より生々しくなって・・・・すげえ!!!って。
その後に専用フォノイコライザーアンプC27を入れて、さらにレコード再生の 音が良くなって・・・、これ以上は無いだろうなとも思ってましたが、経年劣化で C280Vのボリュームに寿命を感じた時に、どのオーディオ雑誌でも絶賛されてた プリアンプの後継機が出たので、清水の舞台から飛び降りて入手したわけですが、 あくまでもラインアンプなので、ここまで変わるとは思ってもみませんでした。
ホントに、まさかラインアンプ機能しかないコントロールアンプで、 これほどまでにオーディオシステムとしての音が変わってくるなんて!!!


 とりあえず老後の隠居生活に突入したので、許す限り音楽を聴く生活を続けようかと 思っておりまする。


2022.11. 1 記


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