グレン・グールド


 御存知の方には説明するまでも無い、世界的なピアニスト(故人)です。
ジャンルはクラシックですがその演奏は、伝統を重んじた、正統派と呼ばれる譜面に 忠実を第一優先とする方々からは大きくかけ離れ、テンポや装飾音は自身の解釈の下に 右脳的に感じるまま弾いてるようで、時にはジャズを聞いてるような錯覚さえ覚えます。
映像資料などを観ると当然楽譜は読めるようですが、一見で弾けるという 生易しい程度ではなく、楽譜を見ただけでその曲の真髄と言うか、主張と言うか、 作曲者が意図したところまで見抜いてるような気がします。
そして奇人変人としても相当に有名な方でした。(^^ゞ
ピアノで曲を演奏しながら唸るのもクラシック畑ではめずらしく、録音エンジニアは 毎回大変だったと・・・・(;´o`)
そして、何よりも凄いのは、演奏家でありながら1964年(31歳)から、コンサート 活動をドロップアウトして、スタジオ録音にのみ専念したところです。\(◎o◎)/!

 この件は本人がLPレコードでも語ってますが、早口の英語なのでサッパリわかりません。 著書によると、ツアーに出ると同じ曲ばかり、毎日のように弾くことに嫌気が差したことや、 演奏の都度、その出寄不出来にバラツキがあり、自分自身が我慢がならない旨書いて あったような気がします。
コンサートツアーの連続で疲れてしまって、ライブをドロップアウトしたビートルズと 似てるような似てないような・・・・?(-_-)ゞ゛ウーム
奇人変人ではあっても「ひきこもり」などではなく、出身地であるカナダのTV番組で 司会などをこなし、多才であることも伺えます。

 コンサート活動を一切行わず、スタジオで録音された音源をアルバムとして発売し、 それでいて世界屈指の売れっ子であったと言う事は、本当に氏の音楽が素晴らしい からなのでしょうね。
わずか50歳の若さで、1982年に他界してしまいましたが、彼の演奏するバッハの 魅力に取り付かれた人は少なくはないでしょう。
バッハの造った鍵盤音楽、その秘められた可能性や素晴らしさを、曲が作られた 当時は存在しなかったピアノという楽器を使い、世界に広めた伝道師と言っても良いのかも しれません。
ジョン・レンボーン氏が弾くクラシカルなバロック調の曲が好きになり、グレン・グールド氏 のバッハにまで辿り着きました。音楽の導く縁というのも不思議なものです。
ピアノとギター、楽器は違いますが、その道の達人が奏でる演奏はどちらも心に 染み入ります。( ´ー`)フゥー
良い音楽というものに、ジャンルの境界はないようですね。
グレン・グールド氏を御存知ない方、「ゴールドベルグ変奏曲」を是非お聞きください。
1955年のデビュー盤も、他界直前に再録音した1981年盤も、それぞれ魅力に 満ち溢れています。
たまにはギター以外もいいでしょう?(^^ゞ

2005.6.23 記


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