無知だった


 約20年前、長女がアトピー性皮膚炎と診断されました。
妊娠中には毎日牛乳を1本飲みなさいと産婦人科医からの指示もあって、 素直にそれを守っていたところ・・・・、長女が母親の胎内にいる時に、母体が 過度に採取していた卵や牛乳、大豆などの食物に対して、アレルギー反応を もって生まれるというもので、生後にそれらの成分含んだ食物を食べると、 手足や体の皮膚に発疹が出来たり、ただれたり、あるいは情緒面が不安定なって しまって泣き止まなくなったりもするという病気でした。
さらにそのまま進行すれば喘息にまで至ると・・・・・(~_~;)
当時はまだまったく知られていない病名で、給食などに彼女の食べられない 食物が含まれてる事を、学校側などに理解させるのも大変でした。
赤ん坊のころは母乳で育てていたので、母親の方の食事制限も大変な状況です。
大学病院のアレルギー専門の教授先生から指導を受けて、アレルギー源となる食品を 全て排除した、通常市販されている『美味しい物』はまったく食べられない、 アワ、ヒエ、キビを主食とした、とても貧しいような食生活が続いたのです。
母乳が切れてからも、娘には俗に言うお菓子類はあげられません。卵や牛乳、大豆が 入っていないお菓子類の少ない事!、プリンやチョコレート、ケーキ、クッキー、ビスケット、 カルピス、子供なら皆好きなものが全部NGなのです。

 子供の周りからいくら排除したところで、どこかしらで口にしてしまいます。
子供に美味しいお菓子を食べるな!っていっても無理ですよね。
親に隠れて、じいちゃんばあちゃんが、孫が喜ぶからとプリンを食べさせます。
結果、足に発疹が出来て痒い痒いと泣き叫ぶようになったり・・・・(-_-;)
自分の誕生日に生クリームでデコレーションされてケーキも食べられない娘でしたが、 成長と共にアトピー性皮膚炎も徐々に下火になってきて、どうのかこうにか 少量なら食べても大丈夫な状態になって行きました。(;-_-) =3 フゥ

 輝くんが生まれる時はこれらの教訓を活かして、毎日牛乳を1本飲むような事はせず、 搾取食物もやや貧しいかな?って程度に留めておいたので、長女のようにアトピーと まではなりませんが、乳製品などを取りすぎると発疹等が出て来るのは同じ様です。

 輝くんの母乳育児も終わったころ、前様がシックハウス症候群&化学物質過敏症に なりました。どこに行っても「臭い!」「臭い!」で居場所が無い状態です。
居場所を確保するために、我家から、合成洗剤、床ワックス、防虫剤、風呂の入浴剤、 一般的なボディシャンプー、シャンプー、リンス、メーカー物の歯磨き粉、化粧品、爺のポマードが 消滅しました。カップラーメンも一時期全て廃棄され、石油ファンヒーターも使用 禁止となり友人知人に無理やり譲渡しました。床用のケミカルモップも屋外管理です。
高校生となって荒れていた娘も、母親と同じく化学物質過敏症とわかり、自分の意志も あって田んぼのド真中に存在した学校から市街地の定時制高校へ転入し、どうにかこうにか 5年掛かって高校を卒業しました。
そんなこんなで、家の中からケミカル商品と呼ばれるものが完全に消滅してから久しく、 丸3年が経過しましたが・・・・・。
その所為か家の中に居れば体調が悪くなる事は無いのですが、逆に家の外でのケミカル 物質に対して、その存在を敏感に感じやすくなってます。
野焼きされれば臭い、除草剤を撒かれれば臭い、農薬を撒かれれば臭いと、爺を除く 家族全員、家の周辺で起きている環境汚染が手に取るようにわかります。
化学薬品対するマスキングが外れて、人間が敏感になっているのでしょう。輝くんも 臭いに敏感で、線路沿いの通学路に撒かれてる除草剤に対して「臭い!」を連発します。

 今になってやっとわかってきたことも多くあります。
長女が生まれた頃、前様は看護師として大手の病院勤務でした。連日、消毒薬やワックスが 気化する中に身を置いていたのです。当時は自宅の中もケミカル製品であふれ、毎年床に ワックスをかけてました、もちろん洗剤も合成洗剤系。
今では病院の中に入ると、ウルトラマンみたいに3分しか持たない前様が、連日連夜そこに 勤務してた訳ですから、いろいろな化学物質も体内に蓄積されてたのでしょう。
その答えの一つが娘のアトピー性皮膚炎だったような気がします。
輝くんが生まれるちょっと前、前様はEM資材に凝ってました。 EM資材を使って環境を綺麗にする指導とかも行っていましたので、その影響から 環境に優しいを合言葉に、農薬や合成洗剤を排除する傾向にあったと言えます。
勤務先も長女の誕生後に病院から大手企業へと転職して、病棟に勤務してた 時ほど強力なケミカル物質の影響は少なくなっていたと考えられます。
生まれる半年前には仕事を退職して自宅にいましたので、長女の時とは自分の体への 負担が全然違うような・・・・・(^^ゞ

 現在受診している主治医、アレルギー科でもありアトピーについても十分に対応でき ますが、以前の大学病院の教授のように、キツイ食事制限は推奨していません。
おそらく、食べ物だけがすべての原因では無いとお考えであり、それだけの根拠となる 数多くの症例データーから導き出した結論ゆえなのでしょう。
化学物質過敏症とアトピー性皮膚炎、なんかとても共通項が多いように感じられます。
それぞれの病気の発症の原因が明確に解明されたら・・・・?
日本の薬品業界のあり方やその流通、農協制度など根底から覆されるかもしれませんね。 だから・・・・・、国内では解明される事は無いのかもしれませんけど。(-_-;)
しかし、放っておくと人類が、地球が滅びそうだし・・・・Y(>_<、)Y


 体内に取り込まれたケミカル物質、本当に全部分解して体外に排出されていくものなの でしょうか、入ってくる量と分解される量で、前者の方が多くなったら???
農薬等の使用についても、「国が製造・販売を認めたから安全な薬品」・・・・という表現は、 いかがなものでしょう。国が認めたのは製造と販売であり、一応、現時点での検査基準に よれば安全性の基準点はクリアーしてるが、将来に渡ってその薬品が100%安全であり、 基準点が永久に適正な値であると保証するものではないと言えます。
過去に製造、販売が認可された薬品でも、より安全性について検証していくように義務化して 欲しい物です。


 グローバルな視点で物を見て考えていくと、なんとなく根本原因がわかってきたような 気がします。
是正していくのは、ちょっと大変かもしれませんけど・・・・・・。


2007.4.26 記


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