不良品です!


 市場に出回ってる一般流通製品の多くにおいて、 欲しいものがあってそれを購入してみたものの、運悪くその品物に、あきらかに 作り手側による瑕疵があったら、不良品として品物は返品できますよね。
例えば電化製品を買って、コンセントにつないでスイッチを入れてもまともに動かないとか、 動かしたら異常な音が出るとか、お店に不良品と認めてもらえれば交換して もらえるかと思います。

 しかしながらこれが、一般流通製品として作られたものであっても、芸術性が ちょっとでも加味してくると、なかなか交換には応じてもらえません。
本の場合、乱丁・落丁があれば交換もしくは返品に応じてくれますが、 それ以外はまずダメですよね。誤字脱字以外でも、気分が悪くなるような 罵詈雑言や表現があったとしても、返品は認めてもらえません。
これはあくまでも感性を売ってるからだと思います。
そして、そのもっとも最たるものが、音楽CDではないでしょうか?
普通の商品は手にとって内容を確認したり、店頭商品で使い勝ってなどの 様子を見ることもできます。
ところがCDでは、偶然そこに視聴用のサンプルでも置いてない限り、 事前の内容チェックは困難ですし、ましてや、新譜として発売になるものを 予約注文しているのでは、その内容について事前に確かめようもありません。

 発売日まで待って購入したCD、このご時世ですから、予約しておいてネット通販で 届くことも多いかと思います。
そして、入手したCDを聴いてみて、がっかりした事ってありませんか?
先日購入した『まなかな』のCDが、まさにそんな一品でした。

 ハッキリ言えば、アレンジがどうのこうのとか、編曲がどうのこうのとか、 感性や芸術性に関わるところはすべて置いておいて、CDに収められている 音楽としての音量のバランスが、メチャクチャ悪いのです。
若者向けのエイ○○○スのCDなら、さもありなんで、過去に経験してるので 驚かなかったと思いますが、まさか『まなかな』のCDでそんな目に遭うとは、予想もして おりませんでした。
一応、不肖にもオーディオマニアもどきですので、CDの音楽を 再生する装置には、最低限とはいえ、それなりの製品を使っております。
そのオーディオ装置で件のCDを再生すると・・・・・
低音ばかり、とくにベース音がズンドコズンドコズンズンズンと目立ってばかりで、 まるでベースのソロ演奏をメインにしたインストアルバムのようです。
そこに、素人のような女子たちの歌声が小さい音で乗っかっており、 ボリュームを下げると、メインである女性ボーカルが聞き取れなくなります。
かといって、ボリュームを上げるとベース音が喧しくてたまりません。
ノーマルで聴いているのに、まるでラウドネススイッチをオンにしたような音楽バランス で鳴っているのです。
私はマナカナの歌が聴きたくてこのCDを購入したのですが、まるでその 歌声をかき消すかのような伴奏のあり方、少なくても歌を引き立てるのが 伴奏のあるべき姿であって、歌をかき消すような伴奏はあってはならない!
そのような観点からすれば、これは音楽CDとして不良品では ないかと思えるのですが、いかがなものでしょう?
『まなかな』のアルバムであり、メインは彼女達の女性ボーカルです。ですから、それ以外は おまけであり、例えアカペラで歌われていたとしても文句は言うますまい。
しかしながら、そんな商品のメイン部分をぶち壊す音作りって、あきらかに製作者側の瑕疵 ⇒ 『不良品』ではないでしょうか?
こんなCDでも、不良品として返品に応じてくれることはありません。
このようなCDを製作された音楽ディレクター様をはじめ、『音』に関してわからない方々が あまりにも多すぎるのも、今の時代でしょうか。

 自分にできることは、辛口のカスタマーレビューを書くことくらいしかありません。


2009.1.19 記


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