気持ちの悪い音(~ ~;)





先日、アコースティックギターのインストゥルメントLIVEコンサートを聴きに行った時、会場内のPAスピーカーから出てきた音は、ピックアップを使っていたのでハウリングこそ少なかった(~_~;)のですが、、低音がボワンボワンと他の周波数帯域と比べて異常な大きさで出ていて、とてもアコースティックギター音楽として聴けるような音ではなく、耳を塞ぎたくなるLIVEコンサートだった事があります。
専門的に言えば、アコギでは本来少ない125Hz以下の低域がやたらと増幅されていて、自然な音を壊してるとでも言いましょうか?よくまあこんな音をPA担当者が許してるなぁと・・・・。
このLIVEにお誘いしたアコギフリークではない友人からは、「ひどい音ですね、あれじゃもう2度と聴きに行こうと思いません」とクレームを頂いてしまいました。(~_~;)
アコギフリークであれば好きなミュージシャンが生で演奏してくれてるので、指を見てるだけでも満足して音の事はどうでもいいのかもしれませんけど、一般に音楽が好きと言う方にご紹介した場合には敬遠されるコンサートでした。

まあ、LIVEであるから、雰囲気を楽しむためだとか、生で観られる、聴けると言う要素も有り、PAや会場の音響による所も有りますので、当たりはずれで済ませられる部分?かもしれませんが・・・・。

最近の傾向として、アコースティックギターにピックアップを仕込み、これから拾った音でLIVEするパターンが多くなってるようですが、これはこれでマイク集音によるアクションへの弊害やハウリングの防止、タッピング奏法やエフェクター等の音響効果を考慮すれば、歓迎はできてもアコースティックではないと否定できる物ではないと思います。
ウインダムヒルから出ている「マイケル・ヘッジス」のDVDなどを観ると、ピックアップを通したあきらかにそれとわかる音ですが、実に良く聴きやすく魅力的にまとまってるものだなぁと感心させられます。

オーディオ好きな方であれば、過去に音の悪いLPやCDは経験されてることと思います。
高音に霞が掛ったようで綺麗に抜けなかったり、楽器の分離が悪かったり、なんか味気ないような音だなぁと感じて、輸入盤に買い換える事で改善された事も多々ありました。
先日、スタジオ録音されたあるCDを、JBL4344を使って面と向き合って聴いてるうちに違和感を覚え、家内共々気持ち悪くなりました。音が悪いというレベルではなく、不気味なんです、自然じゃないというか・・・・(;´o`)
TANNOYで聴くと、それなりに音楽をまとめてくれるスピーカーなので若干違和感は少なくなりますが、スタジオモニターと呼ばれるJBLでは容赦はしてくれません。良いところも悪いところもはっきりくっきり出してくれます。
音が悪いソースなら、なんとか小さい音でBGM代わりに使えますが、気持ち悪くなるのは困ります。
音楽ソースはアコースティックギターのインストゥルメントですが、聴く限りスタジオでマイク録音により収録された物ではありません。上の方で書いたようにピックアップを通して収録された音源によるものと思われます。

何が気持ち悪いのかといろいろ探求してみますと、低域の減衰のしかたが変なんです。
いつまでたってもボヨヨヨヨ〜ンで、聴けるはずの無い低域がず〜っと聞える!のです。本来ならスッと小さくなるべき低域の倍音が、エフェクター効果が掛ったままそのまま残って、さらに他の音とも共振している・・・・・・・自然にはない響きですね。
ギターは弦楽器ですから、アタック音が最大で以降はなだらかに減衰しなければなりません。
トレモロで弾いてるならまだわかりますが、低音弦を弾いた後のハーモニックスが増大されたまま残ってるなんて・・・・駅の電子警報音ブザーと同じで、不自然極まりない感覚を与えてくれます。(-_-;)

こんな事を書くと、「そういう音だと思って聴けば良いじゃないか!」とおっしゃる方もおられますが、生理的に気持ち悪い音と感じさせるCDは聴いていられません。
元来、オーディオと言う物に夢中になったのは、少しでも音楽ソースの中に入ってる音を、安っぽい再生装置では再現できなかった演奏者の息使いや、音楽の表現を漏らすことなく聞きたかったからなのです。レコード芸術・・・そんな題名の雑誌も有ります・・・・とでも申しましょうか、ひとつの究極の再生音の世界であるとも思ってます。
そのために自分にとっては相当の金額も投資しました。オーディオルームとして家までいじりました。そして多くのLPやCDが感動を持って再生できたのですが、音楽ソースとして気持ち悪く再生されるCDはそんな世界を否定してしまう・・・困ったものです。良い音楽を気持ち良く聴くために揃えたオーディオほど、気持ち悪さを如実に現すなんて・・・・・(-_-;)
結局、我が家では普段聴く事のいないCDになってしまいました。納められている楽曲に良い物があるだけに残念でなりません。
このCDについて、何人かの方にご意見を賜りましたが、音感が鋭いと思える方ほど音について違和感を唱えるようです。もしレーベルがメジャーであれば音楽ディレクターがOKを出さなかったでしょう。


以下私見ですが、このCDができた背景にはピックアップに頼り過ぎた、あるいは単にピックアップの音の処理を知る優秀なエンジニアがいなかったのではないかと思える節が有ります。
究極を言えば、スタジオで録音するにあたり、アコースティックギターであれば本来ピックアップは不要ではないでしょうか。
ピックアップはLIVEでの音量の増大とハウリング防止、演奏の自由性を主体として、それにタッピングやボディヒッティングが入る時などにサポートとして使う、あるいはそのピックアップの音質を味付けとして加えるために用いる物だと思います。
スタジオという静かな空間の中なら、性能の良いリボンマイクとかを用意すれば、オンマイクでの録音でなくても充分に撮り切れる物であり、伝統的なクラシック音楽の録音であればここまでです。
これを主として、さらにピックアップを通して録音した物をミックスさせれば、充分に作者の好みとしての「音楽」を完成できるものではないでしょうか。?
このような方法を取らず、すべてピックアップを通しただけの電気信号にエフェクターを掛け、ヘッドフォンや小型スピーカーでモニターしただけで安易に「音を作る」から、落ちるべき低域周波数はいつまでもうねりを繰り返し、減衰ということなく不自然に響き渡っていたんじゃないかと思ってしまいます?
ウインダムヒルのマイケルヘッジスはLIVEで充分に聞ける音を出してる訳ですから、ピックアップだけによるPAであっても、エンジニアの技量で感動的な音は出せるはずですよね。

プロの音楽家にお金を払って音楽を聴くのは大多数が素人です。
LIVEでは凄いテクニックや演奏、一体感を共にすることもしかりですが、良い音でも魅了させていただきたいですね。そして、CDでは可能な限り良い音で音楽を聴かせて欲しいのです。



< Back   |to Home|  |to Audio TOP|  Next >