ネックリセットかぁ!?


 弦を張りっぱなしだと、そのテンションからあちこちにストレスが掛り、変形や不具合を 起こす!・・・・・という考え方もあります。
レギュラーチューニングで、ライトゲージにて75kg前後、ミディアムゲージにて 85kg前後の力が働いてる訳ですから、当然といえば当然かもしれません。
しかし、弦のテンション以上に木を動かすものがあります!
木材の天敵、湿度変化です。

 チューニングを変えなければ、弦というものは伸びる方向にしか変化しない はずですから、弦を張りっぱなしにしておいて音程が下がることはあっても 上がる事はないはずです。
ところが、季節の変わり目に12弦ギターでさえすべての音程が上がってしまうことも あるんですよ!┐(~ー~;)┌ マイッタネ
すべての弦の音程が上がるということは、ペグをまわさないでテンションが上がる ということですから、ネックが伸びたか、ネックの取り付け角度が変わったしかありません。
物理的にネックが伸びることは起り得ないので、取り付け角度が変わったということに なるのですが、12弦張りっぱなしのテンションに逆らって木材が変化する訳で、 それはそれは相当な力だと思います。

 実は・・・・ヒソヒソ( ^o^)y(δ_δ)
D−45GEがUSAから届いたのが4月で、購入先のE店は一通りの調整を 行なってから出荷してるようです。Martin社から出荷のままのビニール袋に 入った状態ではないですね。
弦高についてもサドルが調整され、けっこう低めでやってきました。
当初はややビビるかな程度だった低めのアクションも、梅雨が過ぎ初夏を迎える頃には ネックもやや順反りとなって、高めに変わってきました。とりあえずネックの順反りは アジャスタブル・ロッドで矯正できましたが、ネックの反り加減をチェックするにあたり、 ヘッド側から指板の反り具合を覗き込むと、どうやら14フレット当たりから 上に曲がってる・・・・・(~_~;) 俗に言うネック起き状態か・・・・・(T△T) 
ものが45GEだけに、ゲゲゲのGE!でしたが・・・・・・・(〇o〇;)

 1〜12フレット上面の延長線がブリッジの上面に来るのがセットとして正しく、 定規を当てて何回も確認しましたが、どうもブリッジのサウンドホール側壁面に、 延長戦が当たるようです。(;>_<;) とりあえず演奏上は大きな支障がないので、このまま様子を見ることにしました。
さらに進むようだったらネックリセットも考えようかと・・・・(;´o`)

 このような不具合の場合に、弦高を下げるために原則サドルを削って対応して、 サドルを削る限界がきたらネックリセットを行なうのが王道の修理なのですが、 修理の中には12フレット以降を一旦抜きボディ上の指板を削ったり、さらにサドルを削って 弦のテンションが確保できないような時に、ブリッジを削るという修理をされてしまう こともあるようです、しかししかし、絶対に指板やサドルを安易に削ってはいけません!
ボディ上の指板を削ればネック元起きに対しての強度も下がりますし、ブリッジを 削れば音にも大きく影響してしまいます。また、最終的にネックリセットで根本的な 再修理を行なう場合でも、削られた指板やブリッジも補正、または作り直ししなければ なりません。当初安価で済むということでいい加減な修理をしてしまうと、楽器としての 寿命を短くしてしまったり、取り返しの付かないことになってしまう場合もあるのです。
ある程度のお金は掛りますが、腕の良い方にネックリセットをお願いするのが、 間違いない修理でしょう。音が変わるとも言われますが、悪い方へ変わったという 話は聞きません。まともに修理されれば、良い方へ変わる事もあるのです。

 で、45GEですが、ロングサドルということもあってオリジナルサドルを削るのも嫌なので しばらく放って起きました。(°0°)\(--; オイオイ
10月も過ぎた頃弦を代えて弾いてみると、ややビビり気味!( °o° ) エッ
ネックに定規をあてて元起きを計ると、治ってまっすぐになってました。
さらに季節が進んで冬場の乾燥期になると、なんと14フレットから仕込み角が 付くようにボディ側に傾いてiいて、音は結構ビビります。f^_^;
どうやら湿気の影響で、14フレットから起きたり戻ったりしてるようですね。
夏場と冬場でそれぞれ季節に応じたサドルを用意したいところですが、ロングサドル 故接着されてますので簡単に交換することもできず・・・・、とりあえずややビビリ気味で 我慢しちゃいます。
ロングサドルって、接着されてるってのも意味があるんですよね!
接着されてないとサドルに溝を滑るような力が働きモーメントとして作用して、 場合によってはブリッジが溝から割れます!( ̄ ̄ロ ̄ ̄;;)

 2月に我が家にやってきたLJもネックの変化は同じようでした。
夏場は元起き気味で、ネックリセットが必要か・・・・・とちょっと悩んで、秋まで 放っておくと、まっすぐになってます。また、冬場は逆方向に・・・・・。(^^ゞ
とりあえず新しいうちは変化が激しいようで、あせって修理しないのも手ですね。

 余談ではありますが、D−45GE(Ser:820990)、海外でモデルをやってます。
E店のwebカタログで紹介されてるD−45GEの写真、2の後ろ姿が彼女?です。(*ノノ) キャー

2004.7.6 記


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