もどれない道
井上陽水氏の「もどり道」というライブ・アルバムがあります。
編成は本人の弾き語りと、サポートのギターだけですが、発売当初は売れに
売れて、フォーク系LPの売り上げ記録を更新した作品でもありました。
そして当時のフォークブームの中、ギター小僧たちに多大なる影響を与えたのが、
この作品で彼が使ってる70年代製国産ギターです。
スーパースターのような井上陽水氏が愛用してる楽器、しかもそれが国産の
もので、頑張れば購入できる金額で売られている!
高校の同窓生たちも、ちょっと裕福な連中はこぞって購入してたようです。
収入のない学生には、小遣いを溜めて買うと言うには、ちょっと高すぎて買え
ません。(~_~;)
初めて現物を見たのは、近所に住む幼なじみが高校を卒業して都内に修行に
行き、そこで得た収入で購入して里帰りに時に持ってきた、定価¥100000の
機種でした。
ペグは金色に輝く西ドイツ製のシャーラーが付けられ、ネックの反りについては
永久保証とかで、アジャスタブルな部分はなし!品薄で相当待たされたと
話してました。
ちょっと弾かせてもらいましたが、ネックは少し太目だったのを覚えてます。
音に付いては記憶にございません。(°0°)\(--; オイオイ
1974年のお話です。
その後フォークブームが去ってこのメーカーは倒産してしまい、永久保証のネックも
保証してくれるところがなく・・・・(-_-;)
これも
70年代のギターの伝説のひとつだったのでしょうか?(;´_`;)
学生時代、「もどり道」のLPは良く聴きましたが、他のLPと同じように、徐々に
聴かなくなり、LP棚へ入れたままに・・・・(−−)zzz.。ooOO○
何年経過したかわかりませんが、今のオーディオ装置になってから、あらためて
聴いてみました。「夏祭り」のコード弾きから始まりますが、ギターの音に
何か違和感が・・・・・・(^・^;) ??
一瞬レコードが擦り減ってるのかとも考えましたが、声はそうでもないので、
盤の消耗ではなさそうです。(- .-)ヾ ポリポリ
ギターの音に濁りが目立つんです。高音も綺麗に抜けないし・・・・・?
ちょうどオフ会を開催する機会があり、いろんなギターを紹介したかったので、
地元に帰ってきてた幼なじみに、かのギターを貸してもらいました。
弦を張り替えて、試しに「夏祭り」を弾くと、レコードと同じ音が!!!
濁りはあるし、高音がつまった感じも同じように!(^o^; ほえ~
壁に掛ってたMartin D−35で同じ曲を弾くと、
じぇんじぇんちゃいまんがな!
自分の判断だけじゃ不安なので、前様を呼んで聴いてもらったら、一言!
「ボツ!」
M:「その変な音のするギター、どこのギター?」
S:「いや、これは伝説の・・・・・」
M:「伝説でも仮設でも良いけど、気持ち悪いから弾かないで・・・」
・・・で終わってしまいました。(~_~;)
いつのまにか、すべてが良い音に馴染んでいたんですね。
昔は良いなと思ってた音も、今の耳で聴くと・・・・・、現代の高級スポーツカーを
散々乗りこなした後に、大昔のレトロな伝説のスポーツカーを運転するような
ものなんでしょうね。ヽ(  ̄д ̄;)ノ ハラホレヒレハレー
以後、親子で同じような体験をされた方もいらっしゃるとか・・・・(^^ゞ
昔持っていた、憧れとか、こだわりが崩れ去ると、もう
もどれない道があるだけですね。(^○^) アハハ
2004.7.26 記
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