ブリッジプレート


 ブリッジ(駒)に付いては、メーカー別によるデザインや特長から気にする方は 多いと思いますが、ブリッジプレートについては見えないこともあり、けっこう 御存じない方も多いんじゃないかと・・・・(^・^;) ??。
以下、いつものように独断と偏見で!(゜O゚)☆\(^^;)

 ブリッジプレート、その役割は・・・?
基本的には、ブリッジピンを使うギターで、ボールエンド式の鉄弦を固定する ための木片であり、鉄弦の強力なテンションがブリッジ近辺に集中して トップ材が変形するのを抑え、力を分散させるための補強材です。
原則としてナイロン弦のギターには存在しません!
オベイションやローデンに付いているかどうかは知りません。
強度上は必要なので、貼ってあると思いますが、お手持ちの方はご確認 下さいませ。m(_ _)m

◆追記
ウクレレ製作家でも有り、KOAな楽器や アーチトップにも非常に詳しい こあま@さまより、下記の情報をいただきましたので追記させていただきます。
情報提供ならびに流用のご許可、ありがとうございました。m(_ _)m

ブリッジプレート,ナイロン弦のギターにも結構な割合で存在するのです。
フレタやアグアド・ハウザーといった巨匠の楽器には付いています(理由は不明,トップが薄いので 補強か??)。付いている方が多いかも・・・調べていませんが・・・ とはいっても、トーレスなんかの楽器には無いのですが・・・。

あと,ウクレレもブリッジプレートはありますね。 ブレイシングが無くてブリッジプレートだけ付いているなんてふざけた 楽器はウクレレだけかも・・・。

オベイションは無かったと思います。ブリッジの形もピンで弦を止める 形式ではなかったし・・・だから,ブリッジ横にクラックが走る楽器が 多いのでしょうか?

以上、追記でした。f^_^; イヤァ〜


 なぜこんな補強材のことを話題にするかと申しますと、その形状や材質、 大きさにって音に与える影響が非常に大きいと思えるからです。(^^ゞ カキカキ
スキャロップだとかノンスキャロップだとか言う前に、トップの強度や音質への影響を 考えたら、ブリッジプレートからの影響の方が遥かに大きいんじゃないでしょうか?
例えばD−28のブリッジプレート、1968年より巨大化しています。
なぜ大きくなったのか!
アメリカで発展したブルーグラスミュージック・・・ (話が大きくなってきた。(~_~;))・・・などの、 音を聞けばわかりますが、バンジョーやマンドリン、フィドル(バイオリン)は、 ギターと比べて生音が大きいです!これらの楽器に負けないようにするには、 ボディの大きなドレッドノートサイズを、特にD−28が好んで使われてました。
しかし、それでも比べるとまだ音が小さい・・・・(-_-;)
60年代後半は現在のような半導体技術はなく、まだ真空管の時代でした。 当然優秀なピックアップなどあろうはずも無く、ギターの生音の小ささは、 太い弦を張ってカバーするしかなく、それまでミディアムだったものがヘビー ゲージまで使われるようになり、それにともなってギターのトップが膨らむ トラブルが増大! Y( _ )Y エッ!
ギターを作るメーカーはクレームをおそれ楽器を丈夫に!(-_-;)
はるか以前から、すでに「スキャロップ」を中止していたMartin社も、さらに 丈夫にするために、ブリッジプレートを大きくして、トップにかかる力の分散を!
Gibsonに至っては、無敵のダブル・エックス・ブレイシングを!(⌒▽⌒;)

 そして70年代のフォークブーム。
ギターを作る術を知らない日本のメーカーは、こぞってMartin社のマネや コピーを作りました。大きいブリッジプレートもそのままに・・・・(^^ゞ

 ブリッジプレートはトップ板の裏側に張ってあります。
位置としてはブリッジの裏側で、振動の起点でもあります。
物理の法則から、それが大きく質量がある場合、当然振動の発生が 妨げられます。
強度の付いては、力を分散するのでトップの膨らみを防ぐ効果はあります。
問題は、その「程度」です!f^_^; 頑丈さと、音質&音量が反比例します。トップの板はセレクトされた単板ですが、 ブリッジプレートを貼ることで、そこの部分だけ合板となってしまいます!
この合板部分が大きければ、音に影響があるのは当然でしょう!しかしながら、 ブリッジプレートの質量分、減衰に対しては強くなり、逆にサスティーンは長くなるんですよ。
強度と音の選択、非常に難しいところでしょうね。ヽ(゜Q。)ノ?

 最近のギターが新品の時から鳴ると言われるのも、この影響が大きいような 気がします。この頃多いですよね、昔のリイッシュ品 (^^ゞ、 昔の作りをコピーして再現してるので、自動的にブリッジプレートも小さくなって、 音の出方も、昔に発売された時と同じかもしれませんね。
Martinでは1976年に再販されたHD−28は小さいブリッジプレートになってます。 スキャロップブレイシングを採用してますので、当然と言えば当然ですが・・・。 このHD−28と、レギュラーのD−28、車に例えるなら、ヘリンボーンの飾りは エンブレムの違い程度でしょうけど、同じシャーシ(ボディ)、同じエンジン(トップ)を 持っていて、ミッションが違うようなものでしょうか?(- .-)ヾ ポリポリ
燃料(弦)によって、マッチングが変わってくるように思えます。

 ということで・・・、大きなブリッジプレートを持つギターを所有の方、試しに ミディアムゲージなどの太い弦(ゲージ)を貼ってみて下さい。
もしかしたら、凄く鳴るようになるかもしれませんよ!(^^ゞ カキカキ
ただし、ボディの方は余程の高温か湿度が高くない限り、トップが膨らむという ことはないかもしれませんが、ネックや左手が耐えられるかという事は、別問題 ですけど・・・。(°0°)\(--; オイオイ

 Guild D−50 75年に購入してから約20年間ミディアムゲージを貼りっぱなし でしたが、異常はありませんでした。今ごろ納得したりして・・・・ヾ(・_・;) オイオイ

2004.8.17  記

2004.8.27 追記


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