傾向と対策


 以前にも記載しましたが、同じメーカーでサイド&バックの材質が異なる場合よりも、 同じ材質であってもメーカーが異なるほうが、音の差は大きくなります。
それぞれがメーカーとしての音を持ってるんですね!
例えば我が家にありますサンタクルーズ、音の傾向としてはややウェットです!
カラカラに乾いた鈴鳴りの音ではありません、どことなく色気を含んだシットリとした 感じで音質はやや固め、それでいて激しい弾き方に対してもレスポンス良く、音が つぶれることはありません。マホガニーとローズの差は、マホガニーの方が少し 丸みを帯びた感じで、ローズの方が角があってよりしっとりしたイメージになります。
VAと、1934年ものを再現したD−18GEと比べると、GEの方が音量は大きく、音質も カラッとしてます。トップがアディロンということもあるのでしょうけど、マホの音の 傾向としてはあきらかに異なります。やはり両方欲しい!ヾ(- -;)コラコラ

 サンタクルーズにしろMartinにしろ、凄いところは機種ごとに「音」を持ってるところだと 思います。二つと同じ材料の無い木材で、完成した時に同じような音になってる訳ですから、 これらのノウハウは相当なものですよね!
どの個体を弾いても、D−28はD−28の傾向の音がします!
まちがってもGibsonの音がしたり、倍音の多い45の音は出ませんし、新規量産品に おいても、その個体の格差は可能な限り小さくなるように品質管理も努力されているのでしょう。
だから、その機種のファンが付くんですよね!(^○^)
サンタクルーズの場合年間の製作本数が800本、1日当たり3本程度とハンドクラフト によりなせる技なのか、これによりバラツキも非常に少ないようですね。(^^ゞ
Martin社のより素晴らしいところは、完全な量産メーカーであって、あれだけの本数を作りながら、 機種ごとに同じ傾向の音を維持できてるところだと思いますよ。
これはこの2社に限らず、コリングスもテイラーも、Gibson も、その他 etcも、同じようにノウハウを蓄積 しながら、それを維持する努力を惜しまないからでしょう。
傾向と対策をしっかり備えたメーカーって、製品の音に筋が通ってますよね!d(^0^)b グッ!

 完全な手工品の場合はどうなんでしょうか?
やはり個人としてノウハウを溜めて、1本1本の音にバラツキがないようにしてるんでしょうね。
「2本と同じ物は作らない!」なんて豪語されちゃうと困っちゃいますから!(~_~;)


2004.10.4 記


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