鳴る、鳴らない


 表題は、アコースティックギターについての表現で、よく見かけたり耳にしたりする言葉ですが、 その意味は正確にはどんなことなんでしょう?
音の表現から分類してみると、音が大きいか小さいかと、美しい音(好みの音)が出るか否か の二通りしかないと思えますが、鳴る、鳴らないとは、非常にファジーな表し方でもありますね!┐( ̄ヘ ̄)┌ 

 まず音の大小ですが、大きいのと小さいのとどちらが良いのか、明確に一言では言えません。
屋外でブルーグラスなどでドレッドノートを使う時は、大きい音の方が良いのでしょうけど、 スタジオでマイク録音などをする場合、低域の音が大きすぎたりすると音のバランスを崩す こともあり、OMや000など小型のギターが使われることがままあります。
また、ロバート・ジョンソンなどのブルース系統では、0−18など、より小型の機種が好まれます。
低音弦を親指の腹でミュートするような音楽にD−28は合わないですよね!、彼らが金が無いから ヴィンテージもののドレッドノーとを使わない訳じゃないです。
つまり、求める側の音のバランスで、”でかけりゃ良いってもんじゃない!”つーことになりますね。(^^ゞ

 美しい音(好みの音)が出るか否かについては嗜好の問題でもありますので、もっとファジーです。
Martinの45系の倍音が豊富な柔らかい音が好みの方もいれば、Gibsonのジャキジャキする音が 好みの方もいますし、コリングスの固めの音や、D−28の爆音、テリーズテリー等の繊細な音が好みの方もいらっしゃいます。
何を持って「鳴る」と言えるのでしょう?(- .-)ヾ ウーム

 家にありますGuildのD−50、購入からほぼ30年になりますが、このギターを弾いた方の評価は さまざまです。フィンガーピックング系統の方が弾くと、非常に鳴ってると評価します。
音は固めで粒立ちが良く、サスティーンも非常に長くでます。しかし、低音弦の迫力やボリューム感 はなく、ガシャガシャ弾くと、まったくもの足りません。
おそらく、ブルーグラス系の方が弾くと、「鳴らない」とおっしゃるでしょう!(^_-)
しかしながら、生音をマイクで拾ったりすると迫力があったりします。

 つまり、同じ楽器であっても嗜好する音楽や演奏スタイルによって、鳴る、鳴らないは異なるんです。
そして、その判断基準は自分自身で行なわなければならないことであり、他人の評価や、 店の売り文句である、「激鳴り」とか「爆鳴り」とかに惑わされてはいけません!
自分の嗜好する音楽に合えば「鳴る」であり、それ以外では「鳴らない」が正しい判断なのでしょう!


 ただ厄介なのは・・・ヤクザともいいますが、この嗜好する音楽がいろいろある場合です。
ギター1本ですべてがOKなら良いのですが、好みのスタイルやその日の気分で嗜好も変化しますし、 それらに全部対応できるように間口を広げると、「鳴る」と感じるものが増えてしまいます。(^^ゞ
そうなると、例えば飲んべが、今日は日本酒、明日はビール、明後日はワインと、その日その日で 好みが変わるように・・・・(~-~;)ヾ(-_-;)コラコラ・・・・、ギターの好みもあれもこれもと広がって行き、 これに、それまで知らなかった世界を知ってしまったり、物欲が加わりますと、自分にとって 「鳴らない」と感じるものが少なくなって・・・(^^;;) エヘヘ・・
場合によっては、 増える、増える、増える、増える、増殖、増殖、増殖!で、家計が傾くになります。f^_^; イヤァ〜

 なんか、あっちこっちからくしゃみが聞こえてくるような・・・・ヾ(- -;)オイ!


2004.10.13 記


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