ブリッジを削る!?
アクション調整の過程で、
◆弦高が高い → ◆サドルを削る → ◆サドルが
低くてもう削れない、弦のテンションが取れない → ◆ブリッジを削り
薄くして、テンション角度を確保する。
という流れで修理が行なわれる場合があります。
かく言う私目も、モーリスの12弦で自らこの修理?を実施した経験が
あります。f^_^; イヤァ〜
しかし・・・・・、これはまともな機種では絶対にやってはいけない
修理だと今は確信しています。
そもそもブリッジ(駒)とは、ギターの音作りの出発点、ここから弦の
振動が表面板に伝えられ、「音色」として育成されます。
まともな機種なら、ブリッジの大きさ、質量、形状が音作りの
基点となって設計されており、ブリッジの質量が変われば、当初の
設計段階での考慮や検討から外れてしまう音になる訳です。
もちろん、そこまで考慮されて作られていないガラクタならどうでも
良いことですが、ヴィンテージ物と呼ばれる名器たちは、偶然で
あってもそのバランスが絶妙であったからこそ、名器であったのだと
思います。
当然ながらブリッジそのもの以外にも、トップ材やブリッジプレート、
ブレイシングなどと組み合わせて成り立ってると言えますけどね。
音決めの原点、全てのバランスの基点としてあるのがブリッジ、
これを削る修理をしたら・・・(~_~;)
そもそも何故ブリッジを削る必要があるのか?o(°°)o ?
弦高が高くて・・・・なら、ネックが反ってるか、ネックがまともなら、
その仕込み角度が狂ってるしかありません、俗に言う腰折れですね!
No25の「ネックリセットかぁ!?」でも記載してますが、本来、1〜14フレット間のネックを仮に直線とすると、その直線の
延長上にブリッジの上面が来ます。ネックの仕込み角度が正しくない
ギターは、直線の延長がブリッジの側面に当たります。
腰折れしたネックは、ヘッド側から指板の変形を確かめると、14フレット
から(6弦側から見て)「く」の字に曲がってるように見えますし、
ボディ上にある指板が起き上がってるようにも見えます。
さらに最悪なのは、このボディ上の指板を真っ直ぐに削る修理を
行なったものですね!(~_~;)
ボディ上の指板の厚みが、ネック上のそれと比較して、薄くなってる
ものは要注意です!
指板も、木の狂いによって局部的に修正を要する以外では、できるだけ
削ったりしない方が良いのです!
これらの修理をなされると、楽器は悪循環のスパイラルに陥ってしまいますので、
ボディ上の指板が薄くなった分ネック起きに対する強度も減って、さらにネック起きが
進みやすくなります。さらにまたブリッジを削ってしまったら、当然「音」
にも影響してきて取り返しが付かなくなります。
ここまで目茶苦茶な修理が施されると、最悪は指板とブリッジを新規にした
ネックリセットの大修理を行なわなければ、まともには戻せません。
お高いですよ〜!(-_-;)
ブリッジは削られていませんが、それに近い大修理をしてる自分もいます。
(;>_<;) ハハハ・・・・。
2004.11.29 記
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