印籠かブルーケースか


 70年代、その中期までMartinを購入すると付いてきたブルーケース、あたかも Martin神話の象徴のようでした。
当時の価格、D−18が¥250000、D−28が¥320000、D−35が¥340000、 D−41が¥500000、D−45が¥800000、学生アルバイトの時給が¥300弱の ころ、おいそれと購入できる品物ではありません。Martinの入ったブルーケース、神々しく さえ思え平伏しました。どこかで誰かが持ち歩いていれば、必然的に目を奪われてしまいます。 (^^ゞ

 初めて現物を見たのは75年の秋、学生時代のバンド仲間がD−28を購入した時です。
もったいないからと、クラブ活動で開催する学校内施設を使ったコンサート程度では持って 来なかったブルーケース入りのD−28、翌年には喧嘩別れしてその後はどうなったのかは 知りません。(-_-;)
ただ、ケースの中がふかふかではなく、固い材質だったのが印象的でした。
国産のドレットノートモデル、ケースに入れようとしても、入るものと入らないものが あり、Martin専用というのがいかにも納得できたような気がします。 ケースもMartinで作ってるものと思ってました。(^。^)
当時の雑誌記事で、歌手の某氏が車の屋根にケースを積んで走行中に 落下させ、ケースが頑丈なので大丈夫だろうと開けてみたら、ギターがバラバラになって いて、神田の老舗で組み立ててもらった・・・なんてのもありました。
ケースとして使ってる中で蝶番のセンターピンが出てきて外れてしまい、失った! というのも観てます。蓋もピッタリ閉まらなくなったりするようですし・・・(>_<)

 その後にオベーションが市場に出回ると、似たようなケースが!
メーカー名がMartinでないだけで、同じケースですね、蝶番の不具合等も 同じです。(;°°)ウッ!
つまり、ケースはどこかのケースメーカーがオーダーを受けて作っていると・・・・、やっと その事実を認識できたのでした。f^_^; イヤァ〜

 自分でMartinを手に入れたのは78年、付属してきたケースは軽いファイバー樹脂製でしたが、 その色は黒色・・・・。(-_-;)
中身は相変わらず固くて、使ってる中で発生する不具合も同様ですし、ギターを保護する という観点では疑問が湧いてきます。
東海楽器のカタログを見ると、昔のMartinのオールドケースをレプリカしたものが発売になると あり、楽器店に頼んで取り寄せて購入し、ブラックケースは譲渡してしまいました。
かえって、いかにもMartinとうケースでない方が、盗難防止の意味でも安心したり します。
D−35を委託で売り払った時は、サンタクルーズに着いてきたハープトーンケースに入れて 出しました。(・_・)☆ヾ(^^ )なんでやねん!


 そんなブルーケース、最近まで結構高価で取引されていたんですね、驚きました。
まあ、こだわる人、欲しがる人がいて、過去の製品であり供給は無いわけですから、 相場でも値上がりするんですね。( -。-) =3
私見ですが、ケースとしては良いものであるとは思えません。ケースに収まる機種も 限られてしまい共通で使えるわけでもないし、唯一のメリットはやや軽いということ くらいでしょうか?耐久性も無いし、中身にダメージがあるケースでは本来の意味では 失格かもしれません。ギターの運搬用ではなく、ただの保存庫としてしか使えないよう です。

 ブルーケースの青色、前様は嫌いだと言いますが、70年代Martinに神々しさを抱いた方々には、 魔性の輝きを放つケースの色に見えるのでしょうね。

 我が家には縁が無いと思ってたブルーケース、なぜか1個あります。(*^〜^*)ゝ ポリポリ
65年のD12−20をUSAから購入した時、なぜか着いて来るはずのない、綺麗なブルーケース に入ってやってきました・・・・使っていませんけど!(^^ゞ


2005.3.15 記


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