物理として


No.84. ブリッジピンと孔 2005/1/24  の続きかもしれませんが、そこに↓

>長い間には根元まで入るようになるとか、真偽の程は別として言われておりますが、・・・

とあり、この真偽について表題の通りに自己レスを付けてみようかと・・・(~-~;)ヾ(-_-;) オイオイ

 ピンが根元まで入るようになるためには、下記の2点のいずれか、あるいは両方ともが 起因するしかありません。

1.)ピンが細くなる
2.)孔が大きくなる

 まず、「ピンが細くなる」ですが、ピンそのものを刃物で削らない限り、自然には起こりえないと 思えます。
経年変化による寸法の変化については、プラスチックにおいては皆無、黒檀などの場合、木が 乾燥することにより、変化は無きにしもあらずのレベルで微かに細くなるでしょう。しかしながら、 その変化量で根元まで入るように細くなるには、程遠いものがあります。
次に「磨耗」ですが、磨耗とは物と物がこすれて磨り減っていくもの、ピンを差し込む程度では どうやっても磨耗までには至りません。30年使用したGuildのブリッジピンを目視しても、 磨り減った形跡は見当たりません。おそらく、当初の寸法を測った資料があれば、現在測定 した場合との差は出てこないでしょう。
次に「圧縮を受けて縮む」を考えてみます。
皆様ご存知のように、長年使ったブリッジピンは先端が弦のボールエンドの影響で変形 したり、曲がっていたりしています。しかしこれは、金属というピンの材質と比較して 非常に硬度の高いものが、ピンに対して部分的に力を加えるので、それによる変形と 言えます。木製のピンであっても黒檀など非常に硬い材質であり、全体を細く圧縮する にはもの凄い力が必要となり、ブリッジが割れないという前提条件がつけられるなら、 都度ピンの頭をハンマーで叩き込むようなことをしなければ・・・抜く時はどうするんだ? (~_~;)・・・・細くなることは起こりえないでしょう。(;´・`)> ふぅ

 では、「孔が大きくなる」ですが、ブリッジの材質としては黒檀系、またはローズウッドで、 指板に使われるほど硬い材質の木材であり、ピンと同様に自然乾燥や磨耗による 変化は、あっても極わずかでしょう。
起こりえるとすれば、ピンを差し込むことにより、孔が広がる方向に圧縮を受けて 孔径が拡張するくらいです。物性として、孔は広がる方向に変化を受けやすく、 縮む方向には影響を受けにくいものです。ピンは圧縮を受けて全体的に細くは なりませんが、孔は広がる方向なら容易に変化できます。
しかしながら、、広がるといっても急激に大きな変化にはついていけず、根元まで 入らないようなブリッジピンを無理して押し込めば、ほとんどの場合ブリッジに割れを起こす ことが予想されます。(~_~;)

つまり、ピンの入る深さは若干は深くなるものの、根元まで入るようにはならない!
これが自分なりの結論です・・・・・。(´〜`ヾ) ぽりぽり・・・
自分にとって嫌いだったヤマハのギター、その要因の一つにブリッジピンの治まりの悪さも ありますが、古くなって自然にピンが根元まで入るようになった・・・という話は聞いたことが ありません。
「ブリッジピンやエンドピンが少しオーバーサイズなのは、予めブリッジやエンドブロックの 収縮を見込んでの事・・・・」というのは、私にとってはガセビアです。(~-~;)ヾ(-_-;)コラコラ
さっさと削って、すっきりと根元まで入るようにして、邪魔であって欲しくないです。
さて、右脳派人間が左脳を使って導き出したこの論理、どこまでが本当でしょうか?ヾ(°∇°*) オイオイ


2005.5.26 記


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