D−20S


 126.「待つわ」や「ギターだ!」のコーナーでもご紹介させていただきましたが、 D12−20が修理を終えて帰ってきました。
その経緯や仕上がり状態は上記のコラム等でお伝えしましたが、あらためて 総括的に記載しておきたいと思います。(^^;)ゞ ヾ(-_-;) マタカ!

 今回行ったことは、12弦ギターを6弦ギターに改造するという大改造で、 具体的には、ネック・指板・ブリッジを新規製作していただきました。
ペグも当初は国産G社製品を予定していたのですが、改造を受けていただいた 職人さまからのお勧めで、ウェイバリーの3連に選定を変更し、直輸入して部品支給の 形をとりました。スロッテドヘッドには単品のものより、3連とした方が強度的にも 有利とのことです。

 分解するところから始まりましたが、いざバラしてみると笑えました。
某所で外れないと言われたネックも、指板を剥がしAJロッドを抜いて容易に 外されたそうですが、外されたロッドにはストローがかぶせてあったと・・・・(~_~;)

 HPコーディネーターさまに仲介に入っていただき、いろいろと仕様について、 あれやこれやと、面倒と手間をとらせながら楽しい時間を過ごしました。
まず、ヘッドの形状をどうするかから始まりましたが、スロット部分の穴の形状を 通常のスタイルSのように丸型にするか、角型に抜くか?
自分が丸型についてあまり良いイメージを持ち合わせていないことから角型としていただき、 HPコーディネーターさまの友人の000−42を採寸のために御提供いただきました。
ロッドについてもあれやこれやと・・・、当初はTバーは入らんぞ!とのお言葉で、 SQなら何とかなるという御連絡でしたが、贅沢は言わずAJを選択しました。
AJといえども、調整孔をどこに設けるかでだいぶ悩まれたようです。
ヘッド側に・・・というお話しでしたが、最終的にはネックブロックの表面板側に 落ち着きました。12フレット用のAJが無いとのことでしたので、切断の上、溶接して 加工されたのかもしれません。(^^ゞ
HPコーディネーターさまのお遊びで、ネック裏にはダイヤモンド・ボリュートがつけられ てます。(^_-)
指板はハカランダですが、工房内にストックされている材料から、自分の好みを選ばせて いただきました。このあたり、かなりのオタクが入ってます。ゞ(^。^ゞ
ポジションマークもせっかく作っていただくなら丸のドットでは面白くないと思い、スタイル18の ポジションマーク位置に、ダイヤモンドフレークを入れてもらいました。
ハカランダ指板にダイヤモンド形状のポジションマークって、Martinのレギュラー製品では 存在しないんですよね。
新規製作ということでヘッドにあるMartinロゴはあきらめていたのですが、これも 手作りで作成していただけました、こちらからは何も要請しておりません。(^^ゞ

 指板の幅はナット側で1・3/4インチで45GEと同じ、スロッテドヘッドとしては 細い部類に入ると思います。ネック形状はやや三角ですが、自分にとっては非常に 弾きやすく最高の出来上がりでした。
通常はボディにセットする時に、ボディの色と合わせて着色を行うのですが、柾目の 美しいマホガニーでしたので、御推奨通りに着色は抑えました。見た目にはクラシック・ ギターのようですが、12フレットということもあり違和感はまったく感じません。

 ブリッジを剥がす・・・この場合、削り取るが正確な表現なのですが・・・・と、またいろいろと 問題が・・・・(~_~;)
従来のブリッジの外周に沿って、トップに刃物傷が・・・・(>_<)BR> さらに、ピエゾピックアップがブリッジに仕込んであり、配線用の孔がトップに 空けられていて、通常のブリッジサイズでは隠しきれないと・・・・・(T_T)
ブリッジの取り付けられていた位置の表面板も1mm弱凹んでいるし・・・・(ーー;)
と諸々ありましたが、同じ大きさのブリッジは着けたくなかったので、細かい事は 目をつぶることに・・・・。しかしながら、さすがはプロの職人様、それなりに カバーしていただきました。(^。^;) フウ
エボニーのブリッジピンには美しいアバロンが埋め込まれ、ナット&サドルは 象牙にて名人技で作成、アクションも言うこと無しのベストな状態で511日ぶりに 帰ってきました。(^○^)

 あらためて弾いてみると、音も凄いです。ヽ(゜ロ゜;)ノ
こいつだけをず〜っと弾いてて別のギターに持ち帰ると、その音が未熟で 若く感じてしまって・・・・、1965年のMartinって、ヴィンテージと呼べる だけの音を出してるんですねぇ。
ネックブロックにある型式はD12−20ですが、自分としてはD−20Sと名前を 付けることにします。(*^.^*)エヘッ


2005.8.1 記


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