割れるもの?
Guild D−50のトップが自然乾燥で割れたのは、購入後20年以上経過
してからでした。
冬場になるとブリッジの下側からセンターの張り合わせに沿って隙間が開き、
夏場は閉じました。(^^ゞ
音にはまったく影響は無かったのですが、修理しようかどうしようかと悩んだ末、
某老舗に持って行き、悲惨な修理を受けたものです。この件の詳細は
こちらに載せてます。(~_~;)
これで完了と思いきや、やはり乾燥期になると、極わずかですが同じ部分に
クラックが出てきます。とりあえず裏から割れ止めを張ってあるし、クラックの
大部分はブリッジプレートの上の位置なので、もう放ったらかしです。"r(^^;)
ポリポリ
別に自分の楽器だけなら好きにしてればいいのですが・・・・
単身赴任中のYさまからお預かりしてるメリーちゃん、
静まりかえった深夜、寝る前の血圧測定をしていたら、突然近くの壁に掛けて
あった状態で「パキーン」という悲鳴のような音を発しました。
!(◎◎;)ドキッ
いや〜心拍数も血圧も上がったこと・・・・・・(>_<)
最初は弦が切れたのかなと思いました、ナイロン弦の場合はよくあるので。
しかし・・・、弦の伸びによる若干のピッチの低下はあったものの異常は無く、
よくよくチェックするとトップのセンターに現在のGuild D−50と同
じくらいのクラックが!(((p(>v<)q)))!!
大きな音がするんですねぇ、さすがに振動源の近辺の木が割れると・・・。
加湿器を2台稼動させ、部屋の湿度は40%以下になることはなくても、割れる時は
割れるんですね〜!
とりあえず音色等に変化は無く、豪快な鳴りは変わりありません。( -。-) =3
先日一時帰国されたオーナーさまにご確認いただいて、その仕上げ跡が凄く綺麗な
ことから「魔法使い」と異名をとる、信頼できるリペアーマンに修理依頼すること
になり、発送いたしました。
(^^ゞ
割れてしまったものはもう元には戻らないので、修理を行うか、極端に気にするならば
表面板を丸ごと交換するしかないのですが、表面板を交換すると音はまったく変わって
しまいますし、交換したところでいつかまた割れる可能性もあり、その修理価格も
めちゃくちゃ高価です。
そんな訳で一般的にはクラックを塞ぐ修理を選択する訳ですが、音に影響が無いのに
何故修理するのか?という疑問もわいて来ますよね。
問題が無いなら修理しなくても良さそうですが、他との複合故障が
発生した場合に、強度面での影響等を受けることが考えられるからでしょうか。
6弦側と1弦側で、ブリッジに掛かるテンションも若干は異なりますし、Xブレイシング
自体が左右対称ではないので、表面板が真中から割れていて単独でテンションが
掛かるとしたら、かなり悪影響がありそうですよね。トップが歪むかな?(~_~;)
とりあえず割れ止めは必要なのでしょう。また、クラック面から水分が入り込まないよう
保護の意味でも塗装は必要かと・・・・?
修理する際も、クラック面を長期間放置されるとそこに汚れなどが溜まり、
接着作業時に問題が出て来るとか・・・。
なので、早いうちに「腕のあるリペアーショップ」で治してもらった方が良いのでしょうね。
トップ割れなどの修理跡があると、日本国内においてはリセール・バリューが下がる
ようですが、楽器としては何の問題もないと思います。
ヴィンテージと呼ばれてる『Old Martin』トップに割れ跡がいくつかあろうが、
割れも傷もない新品のギターと比べて、信じられないほど素晴らしい音を聴かせて
くれます。
そもそも、戦前ものなどでトップに割れ跡がない物はどれくらい存在するでしょうか?
以下はまったくの私見・・・・・といってもこのコラム自体全部私見みたいなもの・・・・ですが。
・長期間使用してれば、いつかはトップが自然に割れることもある。
・自然乾燥で割れる場合は木目に沿ってクラックが生じる。
・物理的な外力による破損でなければ、表面板は割れても音に影響はない!
・音に影響はないが、強度面等からも修理は施した方が良い。
・修理した楽器のリセール・バリューを気にするかどうかはオーナーの心持次第である。
ということで、いかがでしょうか?(。ヘ°) ホエ?
2006.1.7 記
2006.2.15 追記
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