録音と再生


 ミュージシャンがレコーディング等で音楽を録音する場合、音に こだわる方なら、可能な限り良い機材を使いたいものでしょう。
いくつかのテイクを撮り、ミスがないのは当然として、その中で 一番感情表現等が良くて、自分で納得できるテイクを採用する 場合が一般的かと思います。

 ところが最近は、演奏中にミスをしたとしても、デジタル技術の発達で 別のテイクから持ってきて貼り合せて、素人耳にはまったくわからないほど 完璧に補修ができるようになりました。
名盤のコーナーでもご紹介してますが、あがり症でノーミスにて演奏を 完遂できないT先生、彼のCDに治められてる各曲は、 ジクソーパズルのように貼り合わせて完成させたと、録音を担当された エンジニア殿より直接伺いました。(」゜ロ゜)」 ナント
昔から、歌唱力の無いアイドルの歌を、何回も重ねてどうにか聞けるように したり、上手く歌えたところだけ継接ぎして作品を作るという事はあったそうですが、 ソロの楽器演奏においても、それができるようになったとは・・・ε= (-_^;)

 で、このエンジニアの方、オーディオも趣味で、御自宅にはB&Wがあり、 普段は出勤したスタジオのモニターシステムで音楽を楽しまれてるとか・・・。
そんなエンジニアの方がこだわって作ったCDですから音はそれなりに良いのですが、 音楽作品としてじっくりと聴いた場合、いまいち魅力に欠けるものがあります。

 これは70年代以降、録音技術が進歩して修正やオーバーダビングが容易に なってからの共通事項かもしれませんが、一回で完遂させなければならない 緊張感というものが無くなってるように感じられませんか?。
その昔は、すべてが一発撮りでした。場合によってはバックにオーケストラを 置き、その前で歌手が歌うこともあったそうです。
大編成のメンバーをバックに控えて、歌手としても失敗して何回も撮り直し ってわけにはいかないでしょう。もの凄い緊張感と集中力で一つの作品を 完成させていったのだと思います。ジャズでもそうですよね、他のメンバーと 同時に演奏するわけですから、言わばスタジオライブです。そこでミスなど 許されませんから、相当な技量を持ってなければ録音が成立しなかったのでしょう。
それゆえに昔の作品に『名盤』と呼ばれるものが多かったんじゃないかと・・・。

 ミュージシャンや録音エンジニアが音のこだわってる方なら、完成された CDの音もかなりの水準になりますが、これが無頓着だと・・・・・(~_~;)
良い機材で録音された、すばらしい演奏であったとしても、再生される時の事を 考えていないCD作品が確かに存在します。
古い作品の焼き直し販売や、ただ売れれば良いや的に作られたアイドル系 などには多くありますが、そうではない芸術性の高い演奏の世界でも存在するから 困ったもんですね。(~_~;)
聴く側、演奏する側で当てはめれば、ライブでの音造りも同じかな?(- .-)ヾ ポリポリ


2006.3.17 記


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