個体差 VS 材料
以前に、材料の違いによる音質の違いは、
メーカーの違いによる格差より小さいと書いた事があります。
確かに同じメーカー、例えばMartinを例に取ると、トップ:シカトスプルース単板、
サイド&バック:ローズウッドの機種は、最近のドレッドノートだけでも、D−45,
D−42,D−35,D−28とあり、それぞれに音が違います。
意図的とは言え、同じメーカーで作っても音が違うのですから、構造や
作り方が大きく異なってくる他のメーカーで作れば、その格差はもっと
大きくなって当然です。
極端な話、MartinとGibsonで、トップ:シカトスプルース、サイド&バック:
マホガニーの材料で作っても、まったく違う音にしかなりません。
貴重な高級材料として、ハカランダやアディロンダック・スプルースなどに
人気が集まり、それらを使ってる機種は非常に高額で市場に出回ってますが、
たとえばブラインドテストで、その使用材料を言い当てられる人はどれくらい存在
するでしょうか?
ハカランダは木目として美しいし、トップ材により音のレスポンスの微妙な
違いは確かにあります。
しかしながら、その格差は同時代にまったく同じ作り方をされたとしても非常に
微妙なレベルであり、料理で言えば隠し味にあたる程度?です。
ビーフとポークと呼び分けられるほどの違いは生じていません。ましてや
高級品においては、全てが最高クラスの材料を選択して採用してる訳ですから、
原材料費の違いこそあれ、音の違いとしては米沢牛と松坂牛程度の違いはあるにしても、
高級国産牛と低級輸入肉との格差ほどは無いのです。
自身の経験として、サンタクルーズのトニーライス、同年代の物で
ハカランダとローズウッドを比較させていただいたこともありますが、
高域のハーモニックス、倍音成分に微妙な違いはありましたが、
まったく異なる音質ではありません。同時に弾き比べたのでわかりますが、
単独でそれぞれを聞いたのではわからないでしょう。また、作成からの
経年変化、保存環境で固体の鳴り方も微妙に変わって来ます。
今現在、あの時と同じ2機種を同時に比べたら、どれくらいの違いが
あるのか興味があるところです。
マホガニーの音は云々、ローズウッドの音は云々などと個人のHPなどで
詳細にウンチクを垂れてる輩もいらっしゃいますが、自分自身にとって
そのような情報はまったく信じられない部類に分類されます。
だってメーカーが違えば、同じ材料でも音が違うんですから、材料だけで
音が決め付けられる訳がありません。
味覚音痴のつくるグルメ本、捜して読んでみると面白いです。(゜゜;)\(^^;)コラコラ
まあ7割は勝手な思い込みで、3割は受け売りで書いてありますから・・・。
もちろんここは、100%勝手な思い込みで書いてます!(^〜^;)ゞ イヤァ〜
2006.4.10 記
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