野焼きは・・・


 夏も終わり、秋風が吹き始める今日この頃、通勤途中にあちこちで、 霞のような煙が立ち昇っているのを見かけました。
田んぼの隅っこや川沿いの土手、自宅の庭先で、お年寄りがワラや草を かき集めて燃やしています。

 一見、風情を感じる光景のようですが、実はこれ、とんでもない大気汚染 になってるんですね。(~_~;)
物を燃やせば二酸化炭素=CO2が出るのは当たり前で、これだけでも十分に 地球温暖化の原因を作り出してますが、その他にも、自然界には存在しない 猛毒のダイオキシンも無意識で大気中に発生させて撒き散らしているのです。

 自然に生えてる草を燃やして、なぜダイオキシンが出るか?
本来なら枯れ木や枯草を燃やしてもダイオキシンが発生するハズはありませんが、 これは自然に生えて自然に枯れた草木の場合であって、除草剤で枯れた草や、 農薬を掛けられて育った稲等では、それらの合成化学的な薬剤が茎や葉っぱに 含まれたまま育ってます。そんな自然には無い化学成分を含んだワラや草を 低温で燃やす訳ですから、当然のようにダイオキシンが発生してしまいます。

 現在、野焼きは法的に禁止されてるとはいえ、実質は野放し状態です。
田んぼで野焼きをしていても、消防署も警察も何も言いませんし、取り締まりも行い ません。
しかも、そんな野焼きを、ワラや草木を燃やしているのは『ダイオキシン』なんて 言葉も知らないお年寄りばかりです。
近くに行って「野焼きはダメですよ!」と伝えても、主旨を理解していただける事は なく、多くは「自分の土地で野焼きしてて何が悪い、余計なお世話だ!」で終わって しまいます。

 野焼きが行われると、農薬が散布されてるのと同じように、化学物質過敏症の 患者さんは咳き込んだり、頭痛や倦怠感などの特有症状が現れてきます。
生活空間の空気が汚染されるから、症状が出て来るのですが、これは特殊な体質 だからではありません。やがては花粉症のように、多くの人がそうなって行くでしょう。
だからこそ、大きい声で言います。

 野焼きは大気汚染です!

 本当に意識改革が必要になってきました。
何げなく行ってる『野焼き』という作業が、自分達が生活しているこの地球の温暖化を 促進させて、さらに自分達が吸っている空気に、有毒ガスを混ぜてる行為に当たるん です。
もし家族が、あるいは友人・知人・隣人が、野焼きを行っていたら、それは 大いなる環境破壊であることを伝えて、止めるように促してください。
止めなければ、未来の地球が、私達の子供達や子孫が住める環境が 無くなってしまうと・・・・!
けして大げさではないんです。

 CO2削減も、国や大企業が取り組む以前に、個人が野焼きを行わなければ、 確実にその削減に貢献できるんです。
できるところから始めましょうよ。


2007.9.18 記


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