STIRLINGと4344


 TANNOY STIRLINGとJBL4344が我家のメインスピーカーですが・・・・。
この2機種全然違うスピーカーでありながら、優劣なく『音楽』を聴かせてくれます。
それぞれの構成として、STIRLINGは25cmウーハーに同軸ツイーターという、TANNOYの 伝統的な2ウェイ方式スピーカーユニット VLZ、これが全部単板で製作された重厚な 工芸品のようなスピーカーボックスに収められています。
これに対して4344は、38cmウーハー、20cmミッドバス、ホーン+コンプレッションドライバーに コンプレッションドライバーのツィーターという4ウェイ構成、これが圧縮されたパーチクルボードにて 製作された、非常に丈夫なスピーカーボックスに取り付けられてます。造りはいかにも アメリカ西海岸って感じで大雑把でもあります。

 構成からしてこれだけ違うのですから、当然出て来る音、音色も違います。
音の比較を無理やり文章表現すれば、4344の方が線が細く繊細であり、透明感を 感じさえてくれます。これに対してSTIRLINGは、線が太くて低域も強く、全体の バランスが良くてパワーを感じさせてくれます。比較すると25cmウーハーのSTIRLINGの 方が低音が豊かに聴こえて来ますから不思議です。
さらに低い低域の周波数においては、さすがに38cmウーハーの方が耳に聞こえる音以外で 無難に再現されますが、100Hz前後の周波数帯域においては、STIRLINGの方が 聴感上バランスよくまとめてるみたいですね。

 昔から言われてる、TANNOYには弦が、JBLにはジャズが合う!というのは本当ですね。
STIRINGで聴く弦楽四重奏はいぶし銀の魅力です、本当の楽器の音を素直に再現してるんじゃ ないのも判るのですが、なぜか魅惑的に響いてきます。これを4344で聴くと、サラッとしてしまって、 音に問題は無いけど、毒もない分だけ魅力もないような感じで、あっさりと聴かせてくれるのです。
ピアノを聴くにはSTIRLINGでは高域の伸びが今ひとつですが、不足を感じるものでも ありません。ピアノメーカーに例えるなら、4344はスタインウェイ、STIRLINGはベーゼンドルファー の音が合うかなぁ〜・・・・?
ジャズにおけるサックス等の金管楽器の再生では、たしかに4344の方がその魅力を 引き出しますが、STIRLINGでは不味いというレベルでもないです。すぐ目の前で演奏してるか、 ちょっと離れたところで演奏してるかという程度の、雰囲気の違いみたいな感じがあるだけです。

 両者の音楽表現方法を言い表すなら、音楽ソースに入ってる全ての音を、良くも悪くもそのまま 再現する4344・・・・・って、モニタースピーカーですから当然と言えば当然なのかも しれませんけど・・・と、それらしくまとめ上げて聴かせてくれるSTIRLINGです。
音のバランスが綺麗に整っていない音楽を聴くには、STIRLINGの方が良いです。悪いところを ボカしてくれますので聴きやすくなります。J-POPなどでしたらこっちの方が良いですね。

 音楽再生中に瞬時にスピーカーを切り替えて聴き取れる両者の差、まったく違う音色が 聴こえますが、それぞれが音楽としては聴かせてくれるから不思議であり、止められない オーディオという道楽です。

 現在4344はパワーアンプを2台使ってマルチアンプシステムとして駆動させていますが、 パワーアンプの出力にそれほど余裕が無いためか、イマイチ鳴らしきれていないように 感じる事もあります。
このスピーカーを充分に駆動するには、8Ωで100Wなら、2Ωで400W、1Ωで800Wの 直線的なパワー出力を持つ圧倒的なアンプが必要なのかもしれません。 38cmウーハーからの影響は大きいです。
比べるとSTIRLINGのVLZ、パワーアンプQUADの707によるB級100Wの出力だけでも 充分に聴かせてくれますから、使いやすいスピーカーと言えるかも知れませんね。
どちらか一方を選べと言われたら、日本の家庭においてはこの大きさで 充分なSTIRLING、こちらを選択するかも・・・・・です。(- .-)ヾ ウーム


2008.2.22 記


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