試聴用レコード


 昔、オーディオブームの頃、オーディオ装置が置いてあるコーナーには 必ず試聴用のLP盤が何枚か置いてありました。 まあ最近なら、CDか、SACD等でしょうけど・・・・。
システムの試聴用で置いてある音楽ソフトですから、それなりに音質の良い盤や、 録音の優れたものが多かったと思います。もちろん試聴者の好みは 千差万別ですので、音楽の系統もワンパターンではなく多岐に渡っており、 ジャズ、クラシックの名盤はもとより、ロック、フォーク、女性ボーカルと さまざまでした。
よく耳にした音楽では、オーディオフェアーでもおなじみの、バッハの 『トッカータとフーガ』

 カール・リヒターのオルガンによる名盤です。
冒頭の、タララ〜タララララ〜ラ〜・・・だけで、システムの概要がほとんど判る かのようです。
ここがショボく聴こえるようなスピーカーは、まずダメですね。
オーディオフェアーで、初めてウエストミンスターにて聴かされた音では、つま先から 稲妻のような衝撃が走りました。(◎o◎;)ガーン
ジャズ系では、マル・ウォルドロンの『レフト・アローン』も良く見かけた盤でしょうか?

 ジャッキー・マクリーンのサックス、その迫り加減や音色の魅力で、おおよその 判断がつけられます。
まあご本人が普段聞く音楽によって、どんなシステムにするかとか、それがお好みの音楽と相性が 良いのかを探るためにも、こんな試聴は大事だったんですよね。

 自分の場合、その時代ではジャズやクラシックよりも、ギター音楽やニューミュージック系の 音楽を聴くことが多かったので、井上陽水のアルバム、『センチメンタル』が 近所のオーディオ専門店に置いてあったのを良く覚えてます。
フォークソング系の作品とはいえ、ギターの音は生々しいし、オーケストラも バックに入ってます、そして何よりも編曲が魅力的であり上手かったと思います。
自宅にある同じタイトルのアルバムが、お店の試聴用で使われてたりすると、なんとなく 嬉しくなったりするものです、やはりこのLPは音が良かったんだ〜・・・・なんて、安心 したりしてね。(^-^)v

 試聴にあたり音源としては、シンプルな編成のもの方が音としてのチェックを しやすかったですね。 キース・ジャレットの『ケルン・コンサート』のようにピアノだけとか、

 クラシックではシェリングのバッハ、『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタと パルティータ』も置いてありましたが、

 楽器編成が多いものよりもソロ演奏などのシンプルな方が、音については 判りやすかったりします。多くてもビル・エバンスのトリオくらいまでですかね?

 ビートルズの『アビーロード』はあちこちで見かけましたけど、ヘビーメタルなどの ハードロック系では、あまり試聴用LPってのは見かけなかったですね。
基本的に歪音楽では試聴しても・・・・・でしょうか?
美空ひばりはありましたが、ド演歌ってのも少なかったような気がします。
魅力的な女性ボーカルは試聴盤が多かったですね。 個人的には女性のボーカルなら、しっとりしたバラード調の曲が好きなんですけど・・・。
真空管アンプ製作の第一人者で、オーディオ評論家でもある上杉さん、マリーンが 大好きだったみたいですし・・・(^0^)


 お店で試聴するときに、自分の愛聴盤を持参する方も多かったと思います。
レコードプレーヤーのグレードやカートリッジによっても変化は大きいのですが、 やはり聴きなれた音楽をそのシステムで聴かせてもらえれば、その良し悪しがすぐに明確に なりますからね。
今持参するなら、絶対にリマスターされたビートルズのCDですね。


 さてさて、毎年開催されてますが、今週末のインターナショナル・オーディオ・ショウ、 どんな音が試聴できるのか、楽しみでもあります。
問題は、気をつけないと炎上してしまう危険性が高いてことと、 人ごみであり、それゆえに有害化学物質でダメージを受けるってとこですかね。


2009.10.1 記


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