原点怪奇 or 回帰!?


 その昔、オーディオがブームだった頃、SONYのPS−6750 という、当時の定価で¥74800のレコード・プレーヤーを 入手して使ってました。
その上の機種PS−8750を、オーディオ雑誌で某評論家2名が 絶賛してたので、本当はそちらが欲しかったのですが、当時の定価で ¥168000と、自分にとってはあまりにも高価なので手が出せ ませぬ。
スピーカーはダイヤトーンのDS−35B、1本¥53000也の ちょっと大きめのブックシェルフ。
これにオーレックスのプリアンプ:SY−88と、自作したラックス キットのA2110というパワーアンプをつないで聴いていたのが、 自身のオーディオ道楽へのスタートだったような気がします。

 やがてスピーカーがBOSEの901Wへと変わり、レコード プレーヤーも、トーレンスのTD126MkVにSMEの3010R へとグレードアップして行きました。
オーディオ装置を購入のために、初めて秋葉原へ出かけたのであります。
SONYからトーレンス+SMEへ変わった時の、レコード再生時の 静粛性、驚きをもって感じましたね。余計な雑味みたいな音が無くなって、 音楽が澄み切った感じに聴こえてきました、今の表現を借りるなら、 オーガニック栽培のフルーツを食べたような印象でしょうか。
それまで針飛を起こしていたような、カッティング溝の大きい、オーディオ チェック用のレコード盤でも何のトラブルもなく再生できますし、トーン アームのトレース能力も桁違いです。音が良いレコードプレーヤーって 雑誌に紹介記事が掲載されてましたが、ホントにその通りの品でしたね。
いつのまにかスピーカーもJBL4344になってまして・・・・・、 後日、古い機器は当時の友人宅へ寄贈され、しばらく時間をおいて そのシステムで音楽を聴かせてもらった時に、同席した前様が、「オーディオ 装置が壊れてるんじゃない、変な音だよ、直してあげなよ・・・」 とのたまったのは事実であります。
「グレードと言うものがあるから・・・・・」と、その場で小さく 耳打ちして、友人に配慮したのはナイショだったりしますが・・・。

 いつだったか忘れましたが、まだ晴海ふ頭で行われていたオーディオ・ フェアと輸入オーディオショウ、TEACのブースで聴いたウエスト ミンスターの爆音、確かその時に使われていたのは、トーレンスの TD−226じゃなかったかと思います。アームはたぶん3012R だったのでしょう、そんな印象からロングアームも欲しくなり・・・、 新機種として後継機TD520,521シリーズが発売となり、砲金製の 重量ターンテーブルを搭載したアームレス仕様のTD520Sに心を 奪われ、同じく新発売となったSME312と合わせて購入して いました。
ここまでに何年かかったやら?
で、TD126MkVとの違いはと言うと、より一層静寂性が増した ということ、歪がなく静かであり、ある意味、聴いた気がしないような 気がしなくもないです。
その後に、トラック無線ノイズを拾うようになったプリアンプを一新するに あたり、清水の舞台から飛び降りて、アキュフェーズのC−280Vを 導入したりして、ヤクザな道をまっしぐらでありましたが、 オーディオ装置って不思議なもので、グレードアップする度に 聴こえてくる音楽が静かになって行くんですね。
なので、ついついボリュームを上げて聴いちゃうようになるのですが、 そうなると今度はパワーアンプの出力も欲しくなって・・・・、 パワーアンプP−550を導入。
さらに、できることは何でもやってみようということで、とうとう マルチアンプにまで手を出してしまいました。

25年使ったC−280Vにもそろそろメインボリュームの劣化が 訪れてきた感があり、交換部品がないということもあってAAVAの 旗艦機種C−3850と入れ替えました。
専用のフォノイコライザーアンプは事前に導入してあったので、 フォノ・イコライザーを持たないプリアンプでも全く問題はありません。
ついでにパワーアンプのA−20を中古で1台追加して、BTL接続 にてJBL4344の中・高音用で使用、片チャン20Wだった出力が 80Wまで増やせたので、パワー不足を感じる事も無くなったようで ありますが・・・・、音楽再生がますます静かになって行くので あります。
やってることは、レコードを回して、その再生音を聴いてるだけなの ですが、40年前と比較して、どうしてここまで静かなんでしょね。


2016.9.7 記


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