映画鑑賞
2020年9月11日から日本でも封切となった映画『ミッドウェイ』を
劇場で観てきた。
https://midway-movie.jp/
自分と同じ年齢であり、“ハリウッドの破壊王”の異名を持つローランド・
エメリッヒ(監督・製作)の会心の作との評判、今までの戦争映画とは違う、
新たな要素をふんだんに盛り込んであるとのレビューもあって、期待に胸を
膨らませて前様と映画館に向かったのでした。
上映時間:2時間18分と長めの映画でしたが、ハリウッド映画特有の
どこでもロマンスなどは無くて、極めて辛口に、時系列的に淡々と事象を
絡めてあり、ド派手な戦闘シーンも含めて、最初から最後まで飽きる暇はなく
観終えることが出来ました。
後日映像ソフトが発売になったら、ぜひにでも購入してしまう作品ですね。
個人的に☆を付けて評価するとしたら、映画作品としては5個付けても良い
ところですが、コンピューターグラフィックを多用した戦闘シーンや爆破
シーンで、実際では絶対にあり得ない表現が多くあるように思えるので、
その分だけを引きたい、そんなちょっとだけ残念なところを、具体的に以下に
記してみたところ・・・・・です。
ちょっとだけネタバレもあるかな?
まず、昔からある大きなミスですが、零式艦上戦闘機が燃料の増槽タンクを
取り付けたまま戦闘に参戦してます。これはトラ・トラ・トラの映像からず〜っと
続いてる、設定考証におけるハリウッド映画の大きな間違いなのよね、零式艦上
戦闘機が戦闘に突入する時は、増槽タンクを切り捨てます。
燃えやすい燃料を抱えたまま、ましてやドッグファイトには邪魔でしかあり
ませんから、そんな状況が未だに修正されてないってのは、考証上の痛恨の極み
でありまする。
戦闘シーンで飛行機の翼が損傷するシーンが何度かありますが、実際に損傷
したらその時点で通常の飛行は不可能となり、映像で描かれてるように、そのまま
まっすぐ進むことは物理的にあり得ません。飛行機がどのような原理で飛んで
いるか理解してれば判りそうなものですが、映画の表現として故意にそのように
描いてるのでせうかね?
戦闘シーンにおける飛行機等の壊れ方の描写、物理的に不自然です、爆発で
戦闘機が、機体の形状を残して丸ごと飛ばされるような壊れ方もあり得ま
せん。
対空砲火や後部銃座席からの射撃、そこまで命中率は高くないでせう。
ましてや後部座席から迫ってくる戦闘機を打ち落とすなんてのは、B29などの
旋回式銃座ならともかく、複座の飛行機からでは高いはずはないと考えられ
ます。
空母からの対空砲火の命中精度がここまで高かったら、戦艦大和は沖縄までたどり
着いてたかもしれませんね。
冒頭での真珠湾での攻撃シーン、戦艦に対してその角度で魚雷は落とさない
だろうって・・・・、トラ・トラ・トラでの教則が全く生かされてませんね。
日本軍は真珠湾に見立てた場所で魚雷の投下訓練を積んだのです。戦艦への攻撃、
進入角度、おかし過ぎますね。
この辺りは古い映画、トラ・トラ・トラの方が正確に描いてあった様子。
戦闘機が編隊を組んで機銃照射で地上を銃撃するってのも、実際には無かったん
じゃないかな?
空母赤城が、爆弾を投下されて瞬時に大爆発してますが、艦載機に搭載できる
爆弾の破壊力としてはちょっと大げさ過ぎじゃないでせうか、艦内の魚雷や
爆弾に誘爆したとしても、もう少し時間差が生じるのではないですかねぇ。
まあ、おおよそこんなところに違和感を感じながらも、映画としては大いに
楽しんでました。
あっ、もう一点別のところで・・・・、日本の司令部の前に車が止まりますが、
日本は当時も左側通行であったはずであります。
2020.9.14 記
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