遺作か?


 長い事建設機械のシステム設計に携わって来たけど、年齢的に65歳を過ぎて、 そんな仕事もそろそろ終わりかなと思えてくる。定年退職して再雇用となってる お年寄り、雇用契約では事務補助となってる者が、いつまでも最先端の設計業務を 担っていてはいけないのある。
完全リタイヤまでカウントダウン状態となってきたと感じる今日この頃、目を つぶって後輩たちに任せる事をしていかないと育っては来ないのであるが、 普段の仕事ぶりや、質疑応答などのやり取りから、こりゃダメじゃんって考え されらることも多くてね、何年勤めていても、40歳を過ぎても、ダメな奴は ダメなのよね。
文明は進み技術は進化しても、人が現役でいられるのは長くても70〜80年、 数千年の人類の進化をそのわずかな時間ですべて吸収できるはずも無く、個人の 能力やキャパシティによる格差も大きいと思う。
自分が学生だった頃の電子回路は真空管だった、それがトランジスタになり、 ICになり、LSIになりと処理速度も情報量も桁違いに増えたし、同様に コンピューターの世界なども日進月歩で大々的に進化している、しかしながら、 それらを原理からすべて理解して説明できる人は皆無であろう、人の能力 なんてそんな程度の物、好きなことにだけ詳しけりゃ良いのよね、別の言葉で 言い換えれば『専門バカ』ってやつね。
そんなことを考えながら、おそらく今の職場での最後の設計となるであろう、 電気回路設計の仕事を片付けてみた、ある意味遺作ですな。
よくわかっていない機械設計の担当者から頼まれたシステム設計、なにしろ 頼んできた方がよくわかってないのだから、データー不足で最初からきっちり 設計はできないし、途中で不具合や変更を余儀なくされることも想像が付く。
しかも納期までわずかで時間も無いと来ている。
なのでリジットな設計は止めてプログラマブル・コントローラーを使う事にした、 1台だけの製作ではコスト的にはかなり割高になるが、途中での変更ややり直し、 時間の損失を考えれば、トータルでは早くて安いだろう。ついでに部品を選んで いくと、今や多重伝送のリンクターミナル、1セットで相互に送受信できるものも あって、わずか4芯のケーブルで32チャンネンルの遠隔操作ができるのね。
ついでだからこれも使っちゃえと・・・・、おそらく自分が退職して、臨機応変、 融通の利くシステム設計ができなくなったらこの方法しか無くなるだろうから、 そのモデルみたいなお仕事ぶりですわん。
ハード面の接続だけで電気回路図を引いて1日半にて図面完成、シーケンサのプロ グラムは若い者に、そんなプログラムが好きな輩にやらせませう!
好きこそ物の上手なれよね。
さてさて、旨くプログラム設計してくれるかな? 最後の最後に教える楽しみ でもありまする。


2021.2.9 記


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