趣味の修理と限界
昔から、故障した電化製品や機材を自分で修理することが多いけど、どこまでが
自分自身で出来る限界かは判ってるつもりであります。
一般的に入手困難な専用部品を使ってたり、分解するのにマニュアルがなければ
出来ないような製品は手を付けられない、テスター以外の測定器も無いから、
歪み測定等が必要な電気・電子回路なども手が出せません。
ごく簡単な奴に限ってOKね。
今までに直したのは、マイカーのダイナモを分解してダイオード交換とか、
ドライヤーの温度ヒューズ交換とか、音響ミキサーの電源部品交換とか、
スピーカーのエッジ交換とかの、あくまでも素人修理レベル。
とてもじゃないけど修理屋を公言できるほどの技量も機材も持ち合わせて
おりませぬ。まあそれでも、あるもので何とかしちゃうので前様にとっては
それが当たり前と思っていたらしい。
以前に前様の勤務先で、使っていたポットが壊れたので、同僚の男性社員に
修理をお願いしたら「出来ない」と言われて、やっと旦那の修理能力が
誰もが持ってるものではないと理解したらしい。
そんなこんなで、先日もバンドメンバー用にと、産業廃棄物となったフットペダル
を使って、電子ピアノのフットスイッチに改造したりして喜ばれたけど、先日の
日曜日にまた2点ほど素人修理を頼まれたのであります。
ひとつはエレキベース、シールドプラグを差し込んでも全く音が出ない不具合だ
そうで、試しにミキサーにつないでみたら、確かにウンともスンとも言わないから
お預かりして修理してみることに。エレクトリックギター系の修理って、今までに
全く行ったことは無いけど、回路的に難しいものではないから何とかなるだろう
との安請け合い。早速ネットで回路について調べてみたら、何となく理解できた
感じなのでいざ取り掛かってみたら・・・・。
入力ポットとスイッチ類の取付板を外して配線をチェックするも、断線も
半田の外れも見当たらず、どこにも故障となるような要素は発見できません。
これで音が出ないとは‥‥、ってことで、各半田付け部分を引っ張ってみたら、
プラグに半田付けされてるシールドケーブルのアースラインの網線、ちょっと
尖っていて、そこにホット側のケーブルが刺さってるようにも見える!
もし刺さってるとしたら、プラグの入力部分でホット側がアースと短絡してる
ことになるので、音がまったく出ないという不具合と条件が一致しますな。
これか???
尖ってる部分をニッパーでカットして、ホットの配線を少しずらし、ポットの
取付ネジが十分に締まってるようには見えないので、ボックスレンチで
増し締めして、確認のために各ピックアップの導通をテスターでチェック、
全てOKでしたので、ボード類をボディに復元して音出しのチェックであり
ます。
ベースアンプを引っ張り出してシールド線をつなぎ、ボリュームを上げたら
見事に音が出ました!
うむ、何もしてないけど治った〜みたいな〜ですね。
スイッチが3個とボリュームのポットが2個、配線から回路を考えると、
ピックアップの配線はアース共有の1番と可変軸である2番へ接続されてる、
入力ポットからのホットは3番ですな。スイッチで抵抗を通してアースしたり
トーンコントロールの切り替えを行う使い方みたいね。これだと、ボリュームを
時計方向に回すと音が大きくなって、最大ではピックアップをプラグ出力に直結と
なるけど、反時計方向に回し切って下げる時はピックアップの発電をショート
させる方法ね。
で、ついでだから、実態配線から回路構成を考えて見てみたら・・・・、
なんと、この修理したエレキベースの切替えスイッチの表示、向かって左側が
TREBLE ON 中央がBASS ONと銘板に記載があるんだけど、両方の
スイッチともその状態にセットすると、白い配線で供給されてるそれぞれのピックアップからの
ポテンショ信号はカットされるから、プラグ出力は無くなるよね?
つまり、スイッチのセッティングで音が出ない場合がある!?
もしかしたら、故障ではなくて、それで音が出なかったんじゃにゃいかしら、
使い勝手の問題からの必然の結果ですかねぇ?
まあ、もういちどベースアンプにつないで、スイッチの各セッティングで
確認してみませう!
もうひとつは電子ピアノのACアダプター、本体に差し込むプラグ部分で、
先端のプラスチック部品が経年劣化で割れてしまったのか、電源が供給できなく
なったと。
ACアダプターの仕様を見るとDC12V出力とあったので、在庫の中から
プラグの径が近いと思われるものを試しに貸し出したんだけど、本体のソケットに
入らないと・・・・、よくよく破損したプラグを見れば、センターがプラスで
中央にピン端子がある、直径は5mm、これこのメーカー専用のスペックじゃん。
さてさてどうしたもんだろ、本体のソケットを改造して別のプラグ仕様にしても
修理は出来るけど、南米さんで代替品が¥1300くらいで売られているので、
そちらを購入した方が安く上がりそう、なのでその旨お勧めしてみたら、代替品を
購入する方向でOKとのご返事、代理で手配しておきましたわん。
こちらは6月の30日に到着とのこと、それぞれの依頼者にメールをお送りして、
明日以降に引き取りに来ていただければOKですな。
基本的に修理好きなんですよね。
お仕事をリタイヤしたら、時間的な余裕ができるからますます修理業務等が
増えそうな感じ、車のコーティングも頼むと高いけど、自分で時間を取って
作業に当たれば¥10000以下で出来そうな感じであります。
2021.6.29 記
< Back
|to Home|
|to Second Impact|
Next >