神経毒性


 前様が化学物質過敏症を発症して20年が経過したけど、長い間この 病と対峙して来て、普通のお医者さまでは見えない、あるいは考えつかない、 この病の関連性が、何だか判って来たような気がします。

 一般的にお医者様は西洋医学を基本に置いて、患者の症状や問診より 頭の中にある医療マニュアルの中から、自分の得意な範疇において該当する 病気を探します。
言い換えれば、内科の医者は内科の医療マニュアルの症例から、整形 外科は整形外科の医療マニュアルの症例から、精神科は精神科の・・・ なのであります。ですから、マニュアルに症例があればそれで該当する 診断名が付けられての対処療法となるわけですが、診察した医師の頭の 中の医療マニュアルに該当する症例が無い場合、不定愁訴とか不明な 病気になってしまうわけですね。医者はまちがっても不明とは言わんで せうけど・・・。
そして現代病でもある化学物質過敏症、厄介なことにこれまでの西洋医学 において、該当する医療マニュアルが無いのですよね、一番近いのが精神科の マニュアルにある躁鬱病だったりします。なので通常の医療機関で診断名が 付かなくて、巡り巡って通った精神科で、それなりの病名が付いてしまう 事も多いみたいです。慢性疲労症候群とかもその一例なのかな???。

 化学物質による影響、臭いに敏感になってただ臭いと言ってるだけではなくて、 その臭気に含まれてる化学物質を呼吸から体内に取り込むと、ただちに 何かしらの症状が現れるのが化学物質過敏症なのであります、前様の場合は 血圧低下で動けなくなる事が多いかな、その他にも思考力低下で何も考え られなくなる、頭痛、鬱症状、聴覚過敏なんてのも出てきます。
その時点で病院でMRI検査とか精密検査を受けてみても、西洋医学的には 何の病気も見つからないでしょう。診断名が付くのは精神科だけで・・・。

 人体に影響を及ぼす化学物質、人によっては全く影響が出ない場合もあって、 その毒性基準を判断するのは難しいのですが、一言でいえば、薄い神経毒性 を持った毒ガスであると思ってます。
薄いから全ての人には影響はない、しかしながら累積で体に取り込んで行くと、 ある日急に症状が出るようになる、症状と言っても出来物ができるとか腫れる とかではなくて、神経系統に作用する、神経系統の壊れ方は二通りしかなくて、 つながってしまうか、きれてしまうかのどちらか、つながってしまえば暴走で 躁状態、切れてしまえば動けなくなって鬱状態、これが体内にあるすべての 神経において、どこにその症状が出るのかは人によって千差万別、強いて言えば、 その人の一番弱いところに出てきます。持病があればまずそこに病状が!
神経系に出るから西洋医学の検査では何も判らない、診断名は付かない。
さらに、いったん発症してしまうと、同じ化学物質を被曝すると2回目以降は アナフェラキシー状態で過敏に、より重症になって反応。
これが化学物質過敏症の正体かな?
さらに面倒で医学的に診断を難しくさせてるのは、その化学物質の多さ、何しろ 人によってその累積で反応するものが異なるわけで、さらに症状の出方が人に よって違うから、容易に医療マニュアルにならんのです、その関連性や多様な 変化から症状を把握できる医者じゃないと、医療マニュアルに書いてある通りに しか診断・治療をできない医者じゃ、手におえない病気なのであります。
運悪く精神科で診断名が付けられて、向精神薬で治療を始めようものなら、 神経をコントロールする薬で壊れた神経を操作しようとする分けですから、 元々が化学物質で壊れてるところへ別の化学物質を取り込んでの対処療法、 副作用も発生するから、完全に収束方向へ改善されるはずはないのよね。
世の中には頭の固い人も多くて、医者のいう事なら何でも信じるという方も いらっしゃいますが、ヤブ医者って言葉も有るんです、簡単に診断名が 付かなかったり、いつまで経っても改善が見られないようなら、視点を変えた セカンドオピニオンも必要ですよん。

 我が家的には、症状が西洋医学の範疇にないと判断できる場合は、解毒と、 反応する化学物質を取り込まないようにして対処してます。普段から 合成香料などの化学物質を排除してるので、それらの臭気があるとすぐ分かる、 症状が出てしまうという欠点もありますが、排除してる所為で体の免疫力が 高まり、普段から風邪などめったにひかないし、ひいたとしても軽症で 回復する傾向にあります。
いつも風邪に掛かってる方、普段から臭い生活していませんかぁ〜?


2021.8.24 記


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