篠ノ井へ


 35年ほど前からお仕事で長野県は篠ノ井に行くことが多くあります。
今週末の金曜日にも一人で電車にて出張する予定が入ってるけど、JR両毛線、 ローカル線ゆえに不便極まりない。両毛線とは高崎と小山を結ぶ国鉄時代からの 古い路線ですが、その運行本数は桐生−小山間では1時間に2本程度、時間帯に よっては1時間に1本。
総理大臣が3人も選出された群馬県とは違い、乗入れや操車場のある桐生駅より 東となる栃木県側では本数が少なくなって、高崎から乗って足利に向かおうと しても、前橋止まり、伊勢崎止まり、桐生止まりなどがあって、小山までたどり 着くのは上記の通り1時間に2本程度なのよね、利用人口の少ない田舎町の 並びですからねぇ。
こちらから 高崎方面に行くにあたり、朝一番の電車でも6時44分、7時台でさえ2本しか 走らん、しかも通勤通学用で混むし、快速とか特急とか走ってないし・・・
何よりも不便なのがJR足利駅は基本的に無人駅であって、緑の窓口さえ 無いぞ、切符は自動販売機で売ってるけど、乗り継ぎで新幹線のチケットを 購入するなんて、駅にある自販機での操作では絶対的な困難を感じますからね。 乗車券も、高崎経由で長野まで行って長野から篠ノ井までのチケットなんて、 ローカルな足利駅の自販機では無理でせう。
長野へ行くに当たり、現在は新幹線しか路線がありませんが、信越線の直通で 行けた時代は碓氷峠で機関車の増設・脱着などの作業により、麓の横川駅で峠の 釜めしが買えるなんて風情なことも出来たのですよね。今となっては『いとを かし』な思い出でもあります。
電車で行ったのは一人だけの出張か、もしくは雪により碓氷峠の交通網が 閉ざされる冬季においての状況が多かったかな? ほとんどの場合は車で 通いましたが、今現在と違って高速道路はなくて、高崎から国道18号線を通る 一般道のみ、時間にして休憩を含めて5時間以上は掛かりましたっけ。
国道50号線で高崎まで1時間半、そこから18号線に進んで碓氷ドライブイン で休憩するまで約2時間半、そこで運転手を交代して軽井沢を通り、佐久、小室、 上田と進みますが、家を朝の5時頃に出てもちょうど通勤時間に当たったりして、 平均時速で30km程度です。出張の目的地に到着するのはお昼ちょっと前 ってのが普通でしたね、それゆえ出張する際は泊りがけが普通でした。
帰るにも同様に5時間以上かかりましたから、自宅に着くのは早くても 22時過ぎ、それが当たり前の時代だったような‥‥、今なら高速道路で 北関東自動車道路、関越自動車道、上信越自動車道と乗り継いで、片道3時間 ちょっとで済みますから、通常は日帰りコースに設定変更されてますな。

 その昔、あの日航123便が御巣鷹の尾根に墜落した時も出張で現地に居り、 夕方のニュースで747ジャンボが行方不明、翌日のニュースで墜落を知り、 お仕事の最中、昼食を取りながら救出のニュースを見ていたのでした。
近くでジャンボ機が行く不明になったんだな〜っと胸騒ぎを覚えながら・・・、 忘れもしない娘どんが生まれた年ですが、ちょうど妊娠中だった前様、 8か月の身重だったために、日赤の現地応援の看護婦派遣メンバーから外されて、 悲惨な状況を目にすることもなく、ホルマリンの臭気も嗅がずに済んでおり、 亡くなった方たちには申し訳ないけど不幸中の幸でもありました。

 そんな救出時のニュースを見ながら食べていた昼食は『おしぼりうどん』、 以前にどこかで紹介したと思いますが、篠ノ井地方の郷土料理で、辛味大根を 下ろして絞ったお汁に味噌を解いて、超刺激的な辛さのつけ麺として、釜揚げ うどんをいただきます、付け合わせは原則かつお節と刻みネギだけ。
出張で何回か食することがあって、今やすっかり我が家でも病みつきにもなって おり、今週末も果たして現地で食べられるか、大いに期待してるところでもあり まする、さてさてどうなるやら・・・???。
去年の盆明けに、いざ前様を連れておしぼりうどんを食べに車で出かけ ようとしたその日、クソジジイがデイサービスで勝手に転んで骨折、そのまま 緊急入院となって予定が流れてしまったのでした、そんなリベンジはいつなせる やら?

 かれこれと通い続けて35年、何かとご縁がある地の様でございますが、 この先あと何回訪れる事があるのか神のみぞ知るでありますので、一期一会の 機会として今回の出張も存分に味わいたく思います。


2020.1.22 記


< Back   |to Home|   |to Second Impact| Next >