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山﨑模型店

　当初は模型店ではなくて、元の家業である雑貨店？から山崎コウブン堂（漢字不明）という店名だったと記憶があります。店舗は２軒あって、通っていた小学校のすぐ近くのお店が実家＆本家で、当時は繁華街でもあった中橋通りの西の並びに模型だけのお店がありましたね、隣はうなぎ屋さんだったけかな？
中橋通りのお店に初めて行ったのは小学校の１年生の時だったでしょうか、￥３０の小さな戦車の模型を買った記憶が残ってます。
店先にはガラスのショウケースがあって、完成品のサンプルが置かれるようになったのは数年後、当初は完成品ではなく、模型キットのパッケージがそのまま飾ってありましたね、あの小松崎茂画伯が描いた、パンサータンクやタイガータンクの箱絵、子供心に痛烈に呼びかけてました、そう、あの青色と黄色の背景に白く輝く星印のマーク、田宮模型のリモコン戦車でした。
その完成品を初めて目にしたのは、小学校２年生の時に通っていた習字の塾で、習字の先生が製作したパンサータンク、方針の先端で赤い豆電球が光ってたのを覚えてます。自分が初めて購入したのはタイガータンクの方だったかな？
今思えば、当時のパンサータンクとどこがどう違うんだろう？って感じで、スケールモデルとはかけ離れた玩具であったような気がしますが・・・・
その次に印象が残ってのは、小学校１年生からの同級生であるＦ君が手に入れた、１／２１の大きなＭ４シャーマンでした。クッションが効くかのように動くシャーマン戦車特有の水平懸架装置、田宮製品って凄い！って感じましたね。
小学校の頃はまさに１／３５の戦車だらけ、途中にスロット・レーシングカーのブームもありましたけどね。

　プラモデルも当初は組み立てるだけで、可動部分を楽しんだり、戦車ならモーターライズで走らせて遊んでるだけでしたが、中学校に進むと、いつの間にやら塗装する事を覚えて、軍用関係の飛行機や戦車はつや消しであることなどを学習して行ったようです、製作にあたっての機材も、当初は筆塗りだけでしたが、やがてスプレー缶なども発売になり、当時はピースコンと呼ばれた、今で言うエアーブラシも入手して、それらしく、少しでも本物っぽく仕上げるようになって行きましたね。
飛行機の類ではレベルの１／７２シリーズの単発機が当時は￥１００、４発の爆撃機などが￥５００弱で売られてましたし、１／３２のスピットファイヤーやメッサーシュミットなども当然製作いたしました。比較すると輸入キットであるモノグラム製の￥９００はとても高価に感じましたねぇ。

　山﨑模型店の店頭にあるショウケースには、そんな完成品が飾られていて、ボカシの入った迷彩塗装など、それはそれは見事な出来であると子供心に感じたものであります。なんでも、そんなサンプル品は学校の先生が作っていたとか人づてに聞いたような気がしますが、自分も購入して作ってみてはお店の人に完成品を見せに行くうちに、やがてはサンプル品として飾っていただけるようになって・・・、ある時、レベルの１／１２のオートバイシリーズで、ハーレーダビットソンの白バイを製作して飾ってもらっていたのですが、その完成品を見て白バイを買っていく人が多いとお店の人から・・・、他に民間用のハーレーも出ていたのですが、売れ行きの比率は１０対１で白バイが売れていくそうな。
そして購入しては見たけど、サンプルのようには仕上がらないと・・・・。
後日、サンプルをみて白バイが多量に売れたからと、お店からのお礼として、エアーブラシ用のフロンガスボンベを１０本ほどいただいたりもしましたっけ。

　中学校から高校性にかけての頃が、一番多くプラモデルを製作していたでしょうかねえ、高校に入ってギターを購入してから徐々にその製作数も減って行ったような感じであります。１／７００の艦船模型、ウオーターラインシリーズで巡洋艦を作っていた時に、これで完成！と仕上がって、さあ出来上がったからと立ち上がった瞬間、袖先にマストが引っ掛かり、苦労して完成させた作品がコンクリートの床に落下、修復不能なほどに破損してしまい・・・・、これ以後に作ったのは、１／２５のパンター戦車と、１／６のハーレーのサイドカーだけのような気がします。

　中橋通りの区画整理で山崎模型店の店舗もなくなり、小学校の前にあった店舗が道路を挟んで新たな店舗で新装開店となりましたが、移転後はほとんど行かなくなりました。十数年前にその店舗も廃業してしまい、市内には模型屋さんが無くなりましたね、寂しい限りであります。

　最近の模型製作の雑誌やタミヤのカタログを見ても、昔とは次元が違うほどハイレベルな作品が多くて、加齢で老眼になり、神経障害なのか指先も震える今となっては、同様に製作しようにも出来ないでせうな。まずは模型屋さんが無くなっちゃったから、道具を入手するにも通販で仕入れなきゃならないし、一番面倒くさいのは塗料が容易に手に入らないって事ですかね。
水性のアクリル系なら何とか買えますが、ラッカー系の塗料、通販で仕入れるにはあまりにも割高だし、在庫が切れた場合にすぐに手に入らないので、面倒で仕方ありません。実店舗の模型屋さんが存在したありがた味、今になって実感する次第でもありますな。
定年退職したら、日々購入した映像ソフトで映画を観たり、レコードを回して音楽を聴いたり、気が向いたら模型を製作して・・・・と思っていたのですが、なかなかそんな隠居生活は遠いようで・・・、体が動くうちに叶うといいのですけどね。
娘どんに頼まれガンプラを作成するにあたり、エアーブラシとコンプレッサーは大人買いで仕入れましたし、最近のタミヤのキットもいくつか通販で購入してあります。無いのは製作してる時間・・・・あるいは情熱というか意欲かな？

２０２０．２．３　記

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