'37 伝統と黄金期


 手元にD−18GEがないので、45GEとの比較になりますが・・・・(^^ゞ
どちらも1937年のレプリカモデル、ネックブロックの刻印にはそれぞれ 1937の文字が有ります。

 
18Aの力木にはロッド調節用の穴がない!


 GEとAuthentic(以下A)の大きな違いとして、Aの方はTバーロッドでの 復元もなされていますので、写真でもあきらかですが、45GEのブレイシングに 見られる穴がありません。
また、ネックブロックそのものの形状も異なっていて、GEの方はL字状に 指板の裏側にまでネックブロックがありますが、Aにそれはありません。
GEはAJロッドであり、その取り付け上の都合でボディ上のトップにカットが入るので、 おそらくその補強も兼ねてのネックブロック形状かと考えられます。
Aの方は旧来からの作り方を踏襲しているために、L字型になっていないの でしょう、このあたりの強度加減も音に影響しているのでしょうか?

 GEに付いているペグはウェバリーで、純正のウェバリーにはない平ワッシャが ブッシュの下に入ってます、Aの方はカタログ通りに、ゴトーのOEMとみられる Martinの刻印が入った製品が平ワッシャ無しで装着されていましたが、日本の ショップに入荷した商品をチェックされた方より、ウェバリーが付いていたとのご連絡も あり、日本向け製品だけ異なるのかどうかはわかりませんが、今のところ2種類は 確実にあるようです。o(°°)o ホヨ?


 ヘッドについては18と45では比較のしようもありませんが、形状的には 裏側のダイヤモンド・ボリュートが有るか無いかだけで、その他は同じだと思えます。
ネックの仕上がり寸法としてAのほうが厚みがあり、手の小さい方にはちょっと辛いんじゃないかと 思われる形状となってます。太いと感じる方も多いかもしれませんね。 指板の幅は1〜20フレットまで両者とも同じサイズです。
ボディの寸法・形状も同じようですし、個体差の範疇かもしれませんがトップ材の木目も18Aと 45GEで似たようなものです、外側はグレインが粗く、内側に来るほど詰まってきます。
18Aの方には多少のベアクローのような木目も観られます。18GEのトップとは あきらかに違いを感じますね、またこれは絶対に4ピースではないでしょう!(~-~;)ヾ(-_-;) オイオイ
またGEとの違いで、ピックガードは昔に戻って塗り込みフィニッシュです。
模様の好き嫌いもあるでしょうけど、簡単には張替えできません。


クリックすると拡大して木目が・・・(^^ゞ

 トップの裏側に貼ってあるXブレイシング、取り付け角度等に差は有りません。 設計寸法上は同一なのでしょう、ただ、裏側を鏡で見る限り、18Aの方が丁寧に ブレイシングが削られ、接着されてるように見受けられました。まさに、プロの職人さんが 取り付けて仕上げたと言うイメージを受けます。
ブリッジとしては18Aの方が少し厚めなのでしょうか、ブリッジピンに溝が切ってあるGEと、 ブリッジに溝が切ってあるA,ここでは違いが現れてます。

 さてさて・・・肝心の音ですが、文章で表現できる物でもありませんが、あえて表現して みると、タイトで轟音、全弦のバランスも非常に良い18A、柔らかく装飾感のある音色 であり、迫力も備えてる45GEと言ったところでしょうか。
価格的には2倍以上の差が有りますが、音色的には些細な好みの違いだけであり、 優劣の差はまったく感じません。むしろ18Aの方が好みの点も多いような気さえします。 もしネック形状に違和感を感じない方なら、絶対にお買い得な 1本でしょう!(~-~;)ヾ(-_-;)コラコラ、ホウカシテドウスル!


 今後シリーズ化されて、D−28AutenticやD−45Authenticが出て来るか?
私見としてはNOだと思います。今現在、まだ材質の良いマホガニーが入手できるから 作成できたD−18Aであり、材料がなくなりつつあるハカランダで、満足できるだけの 素材の入手は、1〜10本程度ならともかく、世界に市販するレベルで揃えることは 不可能でしょう。また、D−45の装飾をラミネートではなく手で行ったら・・・・・、 ハカランダ材の入手困難とも合わせて、1000万円近くの値がつく品物になり、 戦前の作成本数である91本の製作さえ無理かと考えられます。
つまり、もし万が一、作成される事があっても、一般庶民が入手できる品物では ないでしょう。C= (-。- ) フゥッ


2006.7.6 記


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