旅の宿


 高校2年の時、よしだたくろうさんのアルバム『元気です』が 発売となり、友人宅ではじめてそのサウンドを聴きました。
オーディオと呼ぶには程遠いシステムでしかないのに、レコードを 再生して耳に飛び込んできた生ギターの音は強烈です。
なかでも、『旅の宿』と『夏休み』のイントロ部分のギターの音色は 鳥肌が立つほど魅力的に聴こえ、完全にノックアウトされてしまいました。(^^ゞ
まだギターなど満足に弾けなかった時代のことです。

 このときに耳に残った『あの音』が、擦り込みとなったのかトラウマと なったのかは判りませんが、ポチポチとギターを弾けるようになってきて、 自分のバッタ屋で買った¥7800のガラクタや、友人の友人のギターを 借りては『旅の宿』を弾いてみましたが、どうしても同じ音が再現できません。
低音はドスンとベースが効いた迫力で金属音を保ちつつ、高域は 銅鑼か釣鐘を叩いたような極太の音色!
その辺にあるギターではどれを弾いても線は細く、迫力というものが まったく感じられません。まあ、今にして思えば当然といえば当然なのですが・・・
時が過ぎて、高校を卒業してから定価¥50000の ギターを入手、またしてもトライしてみましたが,まだまだ遠く及びません、同じ フォークソングクラブの友人のギター達を借りても刃が立ちません・・・・・。(~_~;)
やがて学習機能が働いて、あの『元気です』のアルバムの音はGibsonという、 海外の高級ブランドの音だと知りました。う〜む・・・・恐るべしGibson!

 さらに時は流れ、学生になってのアルバイト生活でどうにかこうにか Guild D−50を入手したころ・・・、Guildでもやはり『あの音』は 出ませんでしたが・・・・・(>_<)
地元にフォーク村があり、そこに出入りしてたY氏、実は彼のお姉さんが小学校 での同級生だったのですが、家が裕福らしく高校生でありながらGibsonの ハミングバードという機種を親から買ってもらったと!(⌒_⌒; タラタラ
同じGibsonなら、『あの音』が出るのかと弾かせてもらいましたが、 むしろ程遠い音!(o。o;) ソンナ・・・
1975年、近所の楽器屋さんがお勧めしてたハミングバードでしたが、 自分の中ではGibsonへの期待がガラガラと崩れたような瞬間でした。
まだGuildを選んでおいてよかったと・・・・ヾ(- -;)コラコラ




          (-_-).。oO




 それから25年、唐突ですがGibsonのカントリーウェスタン、64年ものを 購入する機会に恵まれました。本人の退職金で購入したので、所有権は 前様にありますけど・・・・(^^;)ゞ イヤー
USAから届き、さっそく開封して新しい弦を張って弾いたところ・・・・

でた! (◎o◎)ナント あの音が!!!


ヴィンテージものの音だったのね〜!・・・・と30年以上経って、ここで確認できました。(^o^)
その直後にY氏のユニットを野外ライブに出演させる機会を作ったこともあり、 その会場にカントリーウエスタンを連れて行きました。
試奏したY氏、「ハミングバードを置いて行きます。 サイズは同じなので、ケースの中身を入れ替えて持ち帰ります」・・・・・と! (°-°;)ヾ(-_- ;) シモシモ・・
とまあ、そんな会話になりましたが、ボディ・サイズは同じで、外観的に違うのは ペグのノブ形状、ロッドカバーの刻印と白ふち、指板のインレイ形状、 ピックガードにハチドリのイラスト等の有無、アジャスタブル・ブリッジでしょうか?
製造年数が10年違うと、同じメーカーとは言えサウンドはまったく別物ですね。
長いこと引っ掛かっていた幻のサウンドが再現できてやっと一段落しました。ヽ(´ー`)ノ ふぅ〜
次は『夏休み』の12弦でのイントロに挑戦でしょうか?


2006.10.3 記


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