PAなのか、それともSRなのか


 ネットで調べると、HIBINO用語集で以下の解説が・・・

PA:Public Addressの略。元々、大衆伝達・演説を意味する言葉であることから、拡声装置を用いて、限られた範囲の空間に広く声(音)を伝える行為をPAと呼ぶようになった。コンサート音響だけでなく、国会演説や館内放送などもPAにあたる。

SR:Sound Reinforcementの略。音響補正の意で、コンサート音響、舞台音響を指す。
コンサート音響や舞台音響は、音を拡声するだけでなく、より良い音質を意識し、音を加工・調整したうえで大衆に聴かせるものであることから、SRと表すようになった。

元々はPAと呼んでいたが、音を拡声して伝えるだけではなく、原音に忠実であるなど音質にこだわり、より良い音を聴かせるための音響的工夫や補正を行うことから、コンサート音響や舞台音響をSRと呼ぶようになった。

SRのベースは、音という情報を、聞かせたい対象へ正確に届けるというPA(大衆伝達)の概念であり、この上に成立しているもの。「SR=良い音質」であったとしても、「PA=悪い音質」ということではない。


 音響係を頼まれることがあるけど、自分としてはSRでありたいと思う。
演奏者と音響についての話をすると、やたらとでかい音を好む方が多い。
ライブハウスなんかは、そんな典型なのだろうかと・・・、トミー・エマニュエルの 横浜公演、どこぞのライブハウスで聴いたけど、耳が壊れるんじゃないかと思える ほどでかい音だった、一緒に行った前様は、その音圧に耐えられなくなって、会場の 外へ出て行ってしまった、いったい何のためにライブ鑑賞へ行ったやら?
あらためて考えれば、アコースティックギターの音を、耳をつんざく音量で聴く 必要があったのだろうか?
オカリナ奏者の宗次郎のライブでもそうだった、地元の市民会館での演奏を聴く 機会があって、指定席がちょうど設置されたスピーカーの前だったせいか、 オカリナの音が耳をつんざく轟音で迫って来て、耳にティッシュを詰めて聴いてた 覚えがある。
田舎町のイベントで、会場の音響を電気屋さんが頼まれてる場合、同様にPAとして でかい音を好むようだが、合わせてハウリングがピーピー言ってる場合が多い。

 自分がライブで音響を担当する時は、まずボーカルを第一優先にして、声が はっきりと通って聴こえるようにしてる、ギターやベース、キーボードなどの伴奏は ボーカルをかき消してはいけない、目立ちたいならイントロや間奏、エンディング などで、ボーカルが歌っていないところで目立てば良いと思ってる。
2カ月に1回のペースで音響を頼まれてる演奏者もデカい音が好みだと言う、 前回はギターアンプを持参して、そこにマイクは立てることはさせてもらえず、 ギターアンプからの出音だけでライブされていたが、ボーカルの方がうるさくて 自分の声が聞こえないと言ってたし、トータルでのバランスを考えて音響してる こちらの身にもなってほしい、ギターアンプはあくまでも音を作るまでで、 その音量はSRとして、全体の中で加減しなければならないんです。

 先日、NHKホールで生放送の音楽番組を観賞する機会に巡り合えたが、音響 としてイマイチだったように思えた。番組のディレクターが前説の段階で マイクを持ってステージ上にて話していたのですが、その声の響き方、低域が ボワンと響いてる・・・、自分だったらハイパスフィルターをオンにするか、 ローカットで調整するところですが、それがなされていない。
そして生放送本番が始まると、最初の違和感通りの音の響き方、全体的に 低音がもたついてる感じで、スッキリしない、声が通らない、曲の合間に 司会の男性アナウンサーがしゃべると、その傾向が一層引き立つ、女性アナウンサー の場合は声の高さからそれは出て来ないけど、男性がしゃべると目立ちますね。
その番組を録画予約して出かけたので、あらためて自宅にて盛大に再生して聴いて みても、その違和感は確認できましたね。 天下のNHKホール、機材は最新のデジタルミキサーが見えるし、音響担当も その道の勉強をしてきたプロフェッショナルのハズですが・・・・、東大を 卒業しててもおバカさんであるのと同様なのだろうか?
最新のデジタルミキサーゆえに、昔のアナログミキサーに合った各チャンネル ごとのハイパスフィルターのスイッチなどが無くて、各入力チャンネルを 呼び出してのローカット調整などがなされていないのだろうか?
SRはそんな音響技術だと思う、単に音を拡大するだけじゃ、聴いていて 気持ちの良い音にはならない。


2025. 9. 8 記


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