懐疑


 何事においてもそうでしょうけど、本当にわかってるの?という事例がたくさんあります。

 自分の守備範囲だけでも、コーヒー、お酒、ビール、ワイン、料理、ギター、オーディオ、 楽器の音、音楽、シックハウス、化学障害、えとせとら。

 例えばワインや料理なら、いつも美味しいものを食べたり飲んだりしていて、それが 常識となるまで舌に覚えさせれば、不味い物が瞬時にわかるようになりますが、 普段ファミリーレストランクラスのものを食したり飲んだりしていては、その判断が できるようになりません。
音楽関係も同じですね、世界トップクラスの演奏家の音楽を常時愛聴してると、 三流どころの演奏など聴くに耐えなくなります。
楽器やオーディオもそうでしょう、耳を良いものに馴染ませてることで、悪い音という 物がわかってきますよね。
つまり、普段から本当に良いものに十分馴染んで熟知していて、初めて悪い物がわかる!
ですから、何に置いても凡庸なレベルの中で済ませてると、良いものと悪いものを判別できなく なってるんですね。本人は判別してるつもりでも、ただの思い込みにしか過ぎない 場合が多々あります。
また、良いものに出会って感銘を受ける事があったとしても、それがどれくらい良いもの なのかその程度を理解できません。
どちらかと言うと、良いものの中から悪いものを消していく消去法、これしか 選択肢はないのかもしれませんけど・・・・。
傲慢な言い方をするならば、本物の中に常時いてこそ偽物がわかると言えるもの でしょうか。玉石混合の中から宝石を見つけるには、それなりの宝石の中でいつも 暮らしていかないとわからない・・・・という事なんでしょうね。

 『味覚音痴の書いたグルメ本』とは以前のコラムで書いた言葉でありますが・・・・・、 本物を手にしてその良さがわかってくると、もうオモチャ程度のまがいものは 捨てたくなります。ところがそのまがいものであっても、良いところがあるんだと 後生大事に手放せない場合、これは本人にとっての思い入れにしか過ぎません。
そしてそのまがいものの良い所などを、入手した本物と比較しながら公然と 述べようものなら、味覚音痴でありながら自己満足のグルメ本を書くような行為です。

 オーディオにおけるスピーカーケーブル、1mあたりで数百円から数万円までピンキリ ですが、ある水準以上のものを使用すればもう充分であり、高ければ良いというもの では無いと思います。
確かに音が変わると言われれば変わるかもしれませんが、それ以上に音楽ソフトが 変わったり、機器そのものや部屋の中の環境が変わった方が変化が大きいでしょう。
自分の場合、自宅のシステムでケーブルを交換して音を確認するブラインドテストを 実施されたら、その違いはわからない公算が大です。(~_~;)

 とりあえず何にしても、ピュアであり、高品質の環境の中に暮らさないと、まがいものは わかりません。
そうなくして語るは、単なる思い込みか妄想の世界です。
わからなければ語らねば良いのですが、プライドが高くてのわかったふりや、八方美人の 理解しているは、わからないと言うよりも救いようがないことなのです。

2008.1.25 記


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