農薬と慢性中毒
2008年の2月現在、世間では中国産の農薬入り餃子でメディアが賑わってます。
農薬・殺虫剤の着いた餃子を食べて中毒症状を起こすくらいですから、相当に濃度が
高い状態だったのでしょう。残留農薬レベルの話しではありませんよね。
『ジクロルボス』『メタミドホス』という有機リン系の農薬名が有名になり、これらについて、
国立医薬品食品衛生研究所のホームページによると、人が経口摂取すると胃けいれんや下痢、嘔吐(おうと)などの症状を起こす旨、記載されてます。
また、どのような中毒症状が出るのかとの問合せに対して、
今回報告があったのは急性症状で、食べた直後に異変が起きた。
「有機リン中毒」の症状がでて、頭痛や嘔吐(おうと)、めまいや縮瞳が起き、重傷の場合、呼吸障害で昏睡(こんすい)状態に陥り、死に至ることもある。誤って飲み込んだ場合は、胃の中身をすべて吐き出し、至急、医療機関で受診してほしい。
との回答がありますが、これって、かのサリン事件の時の、
毒ガスを吸い込んでしまった方の症状そのものなんですよね。(~_~;)
まあ、よほどの量の経口摂取でないと上記の症状は出てこないでしょうけど、ほぼ同じ成分の
サリンを、口から吸い込むと同様の症状が出て来るというところが、これら有機リン系薬剤の
危険性でもあるのです。
つまり、口から消化器系に入るより、空気から肺に
取り込まれる方が効きます!
また、濃い濃度の有機リン系薬剤を急激に取り込まなくても、たとえ薄くても、長期間
その薬剤を体内に取り込んでいると慢性中毒を誘発します。
これを具体的に言い換えれば、有機リン系農薬を散布されてる農業地域に住んでいると、空気から
体内に取り込んでしまい、慢性中毒になる危険性が高いという事でもあります。
また、一旦慢性中毒を引き起こすと、微量であっても反応するようになってしまって、
有機リンが含まれるワックス等が塗布されている屋内や、消毒薬が頻繁に撒かれている
公共機関の乗り物や宿泊設備などでも、気化した有機リンを吸い込み、体が慢性中毒症状を
引き起こす恐れが有るのです。
ニュースなどで、「残留農薬の濃度は○○ppmで、これは基準値の○○分の一であり、
人体に影響は無いとされてます」と見かけたりしますが、あくまでも初期の、中毒症状を
発症していない状態での経口摂取量の目安であって、一度でも中毒症状を起こしたり、
慢性中毒症状に陥ってしまった方々には、決して安全とは言い切れない範囲となります。
これも言い換えるならば、「健常者には何ともない、致死量に至らない濃度ですが、
人によっては重症の中毒症状を引き起こす濃度でもある」と言えるのです。
農薬は口から入るより、散布されて気化したものを肺から取り込む方が悪い、この
事実は是非知っておいて頂きたいですね。
またさらに、有機リン系農薬以外だから大丈夫!みたいな認識も非常に危険です。
化学式自体は非常に近いもの、正規のウイルスと亜種ウイルス程度の違いしか
ありません。ネオニコチノイド系の農薬については、もっと危険なんです。(~_~;)
2008.2.12 記
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