進まない理由


 化学物質障害(シックハウス、シックスクール、化学物質過敏症、農薬等の慢性中毒etc)に 関する医療知識や、社会通念、また、これら化学物質から身を守るための法令や規制の施行が、 まったくといって良いほど進展していません。
現実に障害を起こして苦しんでる方はたくさん居られます。しかし、それを訴えてもまともに聴いて もらえずに、神経質だとかメンタルの問題だとか言われる始末、大学病院で精密検査を実施されても 原因不明で、皆目見当もつかず。やっとついた病名は難病奇病か、うつ病、そしてさらに 的外れの治療が続けられ、モルモットになったりさらに悪化の道を辿ったり・・・・・。
脳神経が壊れて感情のコントロールができなくなった輩は信じられないような事件を 引き起こし、事件後にその動機についてあれこれ調べたところで、何の意味もないでしょう。
化学物質障害で脳神経が壊れてるからこそ、事件を引き起こしてると言えるのに・・・・。

 なんで解明の方向に進まないのか?
それは前例がないから・・・・、この国の行政は、前例がないことに弱いのです。
またそれは、医学会においても同様です。不定愁訴と呼ばれる原因不明の 体調不良の数々、それに対応してる医学マニュアルは、現時点において『うつ病』以外では 存在してないのかもしれません?
医学マニュアルがなければ医師も対応できません、稀に学会発表されている難病奇病の 仲間にして医療行為を進めるか、心療内科的な措置しか道がないのでしょう。 
また、化学物質障害の各症状に対して対応マニュアルを作るとしたら、その内容は 過去の医療マニュアルとバッティングしてしまう可能性もあります。
言い換えるなら、過去のマニュアルを否定することにもなるでしょうから、封建的な 派閥がある日本の医学会において、簡単に容認されるような事柄ではないと言える のではないでしょうか。?


話は飛びますが・・・・


 大局的に見た場合、国益は国民の損益より優先されます。
農薬を空中散布することにより、国有林である松林がマツクイムシ虫から守られたり、 国として農業収穫が大きくなることは、言わば建前上の国益です。
ですから、農薬類を散布されると体調が悪くなるから止めてくれと国民が訴えても、 国益優先として、まったく取り合わないのです。
空中散布を止めるようなきっかけがあるとしたら、それは空中散布による事故で被害者が 大量に出てしまったか、あるいは不幸にもそれによって死者が複数以上出てしまった と認められる場合だけしょう。
事故があって因果関係が調べられて、やっとその危険性が認められれば、縮小する方向に 動き出す可能性がありますが、島根県で500人が被曝するという、あれほどの事故が あったにせよ、いまだに全国規模での空中散布廃止という結論には至っておりません。
前例も、一つや二つじゃダメだということですね。

 また、化学物質障害の発症について、その原因となる薬剤や合成化学物質の数々、 これらを規制するとしたら、非常に多くの利権が相反して絡み合うことが推測されます。
テレビで消臭剤や殺虫剤のコマーシャルをしているメーカーさん、ほとんどが製薬会社でも あるのです。
医療機関に自分のところの薬剤を販売してますが、当然ながら昔から業者による 癒着や裏取引等が疑惑視されてます。薬剤肝炎問題一つを見ても、その事実は わかるでしょう、ヒブノによる薬害エイズ感染もそうですよね。薬品業界と医学会は その利権を絡めて現場で癒着してるとしか思えません。
そんな業界が、自分の首を絞めるような薬剤使用の規制を許すはずはなく、使用禁止を図れば 当然のように利権を守るために妨害工作に出てくるでしょう。
もちろんそこに政治的な要素も盛り込まれます。
国民不在の政治をしてても何も感じない政治家の方々、政権を取ることだけに固執されてますから、 国民の健康を心配するよりも、その収入源でもある企業や農業からの政治献金、 こちらのほうが大事でしょう、ですから、それらをなくすような方向には間違っても動くとは 思えないのです。

 つまり・・・・・、医学会、薬品業界、政界と、大きな利権が絡み合う、非常に高いハードルが 沢山在る訳でして、化学物質障害という病気が医学的に認められることと、その原因が市販されている 合成化学物質や農薬等の散布にあり、それに対する治療方法等を医学的に確立して行くことや、 原因排除の防護策を法令的にも進めるということは・・・・、天動説が常識の旧態依然たる世界に、 地動説を唱え主張しなければならないほど大変なことなのです。
しかし、地動説であるならば、いつか必ず受け入れてもらえて、それが常識となる日も 来るでしょう。
自己の利益のために動く人ばかりじゃないでしょうからね。

 前例がないと動けないお国柄、自分で考えるということを奪った教育を進めた結果でしょうか?
なにごともマニュアル通りに、マニュアルを守って、マニュアルにしたがって・・・・。
では・・・・・、マニュアルに書いてないことは、どうするんでしょ?
最前線の環境病や現代病、対応マニュアルは存在しないのです。
自分の専門分野でしか物を見られない方には、この問題は解決はできないでしょう。
グローバルな視野を持って、マニュアルに書いてないことに対処できて、初めて一人前では ないでしょうか?
学歴の高いといわれてる医療職や官僚職ですが、各人が本当に賢いとは限りません。
アニュアル通りにしか動けないなら、単なる馬鹿であって、人である必要すらありません。
マニュアルとは過去にあった対処事例でしかないのですから・・・・・・




以上、何の根拠も持っていない、ド素人の私見でした。


2008.6.16 記


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