基本は2Wey!


 スピーカーシステムのお話です。
小型のラジオやテレビなどで、コストの都合上多く採用されていたり、マニア的には、 JBL/LE8TやBOSE/802,901、ダイヤトーン/P610などに 代表される、一種類のスピーカーで全帯域をカバーする『フルレンジ』という スタイルもありますが、オーディオの世界において、それなりの帯域を求めていくと、 どうしても2個以上の組み合わせになってしまいます。
その基本が低音域用のウーハーと呼ばれるスピーカーと、高音域用のツイーターと 呼ばれるスピーカーを組み合わせた2ウェイ方式です。
上記の『フルレンジ』に、低域用のスーパーウーハーを付け足すのも同じ様ですね。

 なぜ2つに分けるかと申しますと、スピーカーというものはその構造から、 人間の可聴限界といわれてる20Hz〜20000Hzまでの範囲の音を、全部均等に再生 することには物理的に無理があります。
また、音楽再生という役割から、再生可能な周波数以外にも、音色もしっかりとして いなければなりません、再生するのはサイン波だけとは限らないわけですからね。
なので、守備範囲を分けて、低音域、高音域で、それぞれ得意分野を受け持つ形を取るわけです。
高音域と低音域だけで中音域というものがありませんが、これについては、それぞれの スピーカーユニットが再生する音域、得意な帯域を中心に置いて、高い周波数も 低い周波数も、そこからなだらかに低減していくという特性がありますから、 その低減する帯域を重ねることによって、中音域の音量をカバーすることができるのです。

 これがスピーカーシステムの基本であり、すべてはここから始まってます。
TANNOYのスピーカーなどは、ひとつのスピーカーユニットのなかに、『同軸2ウェイ』という 方式でウーハーとツイーターが同時に納まってます。一見するとフルレンジに見えますが、 実は2ウェイなんですね。一般的にはこれでもう十分なはずなのですが、マニア的には 更なる広帯域を求めて、スーパーツイーターを足したり、スーパーウーハーを足したりして、 3ウェイ、4ウェイとして組み合わせて、システムを作り上げていってるのです。

 ・・・・・・と、ここまでは、再生周波数だけのお話でしたが、実際には個々の音量やバランス もあります。
2ウェイシステムで、ウーハーとツイーターを並列に接続して、そこにアンプから音楽信号を 流すと、電気は抵抗の低い方へより優先的に流れ、音楽的なバランスはまったく取れません。
また、低音用にも高音用にも同じ周波数を加えているのでは、担当を分けた意味もありませんし、 場合によっては無理に振動させることになるので壊れてしまいます。
そこで、交流信号ともいえる音楽信号を各スピーカーに伝えるにあたって、コンデンサや コイルでネットワークを構成して、さらに抵抗で流れる電流を制限した上で、それぞれが 適正な音量となり、得意な周波数帯域を受け持つように電気信号を流してやってるのです。
2ウェイ以上のスピーカーシステムは、必ずこのネットワークを持ってることになりますが、 たった2つであっても、そのバランスをとるのはけっこう難しく、スピーカーメーカーの腕の 見せどころでもあります。下手なネットワークをつけると、途端に音質は劣化しますからね。

 チャンネルデバイダーを使って、4ウェイのJBL4344をウーハーと高域側ユニットの 2つに分けて、2ウェイとしてマルチアンプシステムにてドライブしてますが、聴感による 調整はそれだけでもけっこう大変です。
すべてのスピーカーを単独でドライブする4ウェイにして、聴感だけによる調整をおこなったら、 おそらく音のまとまりを失ってバラバラになってしまってパニックでしょうね。
それなりの測定器等なくして、3ウェイ以上のマルチアンプは行うものではありません。
やはり人間の感性で行える調整も、2ウェイまででしょうかねぇ?f(^^;) ポリポリ

2009.3.13 記


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