一歩前進か?


 ニュースによりますと、電子カルテシステムや電子化診療報酬請求書 (レセプト)で使われる病名リストに、『化学物質過敏症(CS)』が新たに改訂登録 されることになったそうだ。10月1日付で予定されたとか・・・・。
これは、『化学物質過敏症(CS)』の存在を、初めて国が公式に認める事になります。今までは 『シックハウス症候群』はあっても、『化学物質過敏症(CS)』は認められず、健康保険の 対象外で自己負担だった『化学物質過敏症(CS)』治療、改訂されれば健保が適用されるため 自己負担額が少なくなります。・・・・・・・なんてことはどうでも良いレベルであって。
これでやっと、「気のせいだ・・・・」とか、「そんな病気は聞いたことがない・・・・・」とか、 理解していない医者から言われなくて済むし、その症状から本当は『化学物質過敏症(CS)』に 起因する病気なのに、まったく別の病名であしらわれてた患者さんや、その誤った 治療方針から脱却できる可能性が、少しでも上がったことが良いのです。
また、何よりもその要因である農薬の空中散布や、その毒性についても医学的に再考されるで あろう事や、市場に溢れてる有害な合成化学物質を含む品々、これらについても その有害性や法的規制が検討されるであろう事が、非常にうれしいのです。

 いつもの余計なおせっかいにおいても・・・・、長いこと、『化学物質過敏症(CS)』に ついて見てるから、理論的にも直感的にもすぐピンとわかることが多いのです。
だから、苦しんでる方からその症状を聞けば、理論的に考えられる原因についてお伝えできるのですが、 時間を掛けてお知らせしたところで、国が認めてないような病気では信憑性がありません。
権威に弱い方ではなおさらです。医者が認めてない病気名を、素人がいくら懇切丁寧に 伝えたところで、まったく相手にもされませんし、最後は懐疑の眼で見られて終わってしまいます。
リストアップされることでやっと・・・・嬉しくない言い回しですが・・・・『実際に存在する、国が認めた 病気』と言うことになるのでしょうか?


 しかしながら、まだまだ問題は山のように残ってます。
病名リストに、『化学物質過敏症(CS)』が新たに登録されたところで、それを理解して 診ることのできるお医者様がどれほどいらしゃることか?
どう考えても、一つの市町村に1人以上居るとは思えません。もしかしたら、各都道府県 あたりで、1名に満たないであろうことも推測されます。
旧態依然とした医学会のつながりにおいて、この現代病についての取り組みや難易度は、 歩いてグランド・キャニオンを乗り越えて行くことに等しいのかもしれません。
この病気について一番対処方法を知ってるのは、長いこと患ってる患者さん本人かも・・・・・です。

 誰にでも発症する危険性があるこのヤクザな病気、小さいお子さんの方が発症しやすい という悲惨な実績もあります。発症してしまってからでは遅いので、とりあえずは予防です。
残念ながら意識してる方はまだまだ少ない現状ですが、まずは知識として知っていただきたいのです。
以下に、 化学物質過敏症支援センターのホームページ から、関連の文章を引用させていただきます。


◆学校で家庭で地域で…子どもが危ない

 「シックスクール」という言葉が聞かれるようになりました。子どもにとって安全であるべき 学校の環境が原因で、子どもや教職員が化学物質過敏症などを発症したり、または、 すでに化学物質過敏症やアトピー、アレルギーになっている子どもや教職員の症状が 悪化するケースです。
 化学物質過敏症を発症している子どもや教職員の多くは、床に塗るワックスや教材から 揮発する化学物質、教職員のたばこや香水、校庭の樹木へ散布される殺虫剤などに 反応して、症状が出てしまいます。
 また、校舎の新築や改修による集団的な健康被害の発生例も報道されています。
 学校側が協力して、教材を出来るだけ安全なものに替えたり、教室の換気を励行 したり、教職員がたばこや化粧を控えるなどの対応を取れば、化学物質過敏症の 子どもでも通学できる場合があります。しかし、化学物質の問題について知識がない 関係者がまだ多いため、子どもや親からの訴えがなかなか理解されないケースも 目立ちます。
 また、学校側が協力しても学校に通えないほどの重症の子どもの場合は、 養護学校からの訪問教育などで対応するよう、文部科学省は指導しています。 しかし、「人員が足りない」などの理由で、実施されないこともあります。
 化学物質に悩む子どもたちは、「私たちも勉強したいし、友だちと一緒に遊びたい」 「ぼくたちも通える学校を造って」と訴えています。


◆化学物質が多動や学習障害の原因に

シックスクールは、一部の「過敏な子」だけの問題ではありません。
化学物質過敏症の典型的な症状の一つに、集中力・思考力が欠けて落ち着きが なくなる、感情を制御しづらくなり怒りやすくなる、というものがあります。化学物質に 曝露されると「キレる」子どもが(大人も)現実にいます。一見すると元気で活発な 子どもが、実は病気のせいで“多動”になっていた、という例も報告されています。
粗暴だった化学物質過敏症の子どもが(大人も)回復すると、ウソのように優しく なったという症例は、珍しいものではありません。
また、有機リン化合物などの化学物質が、多動を引き起こすという動物実験結果も 報道されています(『朝日新聞』2003年10月30日付)。
今日、落ち着きのない子ども、感情を制御できない子どもが、いかに多いかということは、 皆さんもご承知の通りです。
親も教職員も、そして子ども本人も気付かないうちに、化学物質の影響を受け、 「多動児」「問題児」扱いされている子どもたちも、きっといるのではないかと 思われます。子どもがなぜキレるのかを調べる際には、原因の候補に化学物質も 含めるべきだと、研究者は指摘しています。
化学物質過敏症の子どもたちが通えるような学校にすることは、他のすべての 子どもたちの健康を守ることにもなるのです。


◆「健常者」のあなたへ

化学物質過敏症を発症していない皆様に、お願いがあります。
■ 予防してください
化学物質過敏症を発症しないために、化学物質にできるだけ曝露されないよう、 より安全な生活習慣を心がけてください。化学物質過敏症は多くの場合、特別な ものによって発症するのではありません。「危険」だとして禁止される化学物質は、 禁止される直前まで普通に使用されているのです(使用されていなければ、禁止する 必要がありません)。あまり神経質になる必要はありませんが、化学物質の 安全性・危険性については完全には解明されていないこと、また、単一の化学物質は 安全でも、身の回りには数百種類かそれ以上の化学物質が常に存在し、 その複合影響があり得ることにご留意ください。


2009.6.12 記


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