教わってもね


 アコースティックギターにあれこれピックアップを仕込んで、それをどのような調整で皆様は 使われてるのでしょうか?・・・・という質問をネット上で目にしました。


 個人的にですが、何か・・・・・違う気がします。


 もし模範となる演奏の音源が合って、それと同じピックアップを搭載し、各ボリュームの位置を それぞれ正確に合わせたところで、模範演奏と同じ音は出るわけがないでしょう。
まったく同じ音を出すのであれば、同じギターに同じ設定を行って、同じ場所で、同じPAシステム、 パワーアンプ、スピーカーを用いて、録音された日に近い日程で、同じ演奏者が行わない限り、 不可能です。


  つまり、いくら出力設定だけ同じにしたところで、変化してしまう要素が多過ぎです。


 そもそも、『音を作る』ということは他人にノウハウを尋ねることなのでしょうか?
USAのレストランで、「適当に料理を持ってきて」と頼んでも、「貴方の好きな食べ物は 私にはわかりません」と、ウェイトレスに返されるようなものでしょう。
頭でっかちで考え過ぎていて、ちっとも自分の意思や行動が伴っていません。
エレクトリック・ギターであれば、本体のピックアップを選んで、ボリュームとトーンのつまみ位置を 固定してるだけであって、『どのギターアンプをどのように使うか?』という、大前提が抜けてるような ものじゃありませんか。?
当然ながらヤマハのギターアンプとマーシャルのギターアンプでは出てくる音は違うし、 何を使うにしても、自分の好みになるように調整をする必要はあります。
それを片手落ちのようなマニュアル通りに実施したところで、音作りには何の意味も成しません。


 また、あくまでも音を出すのがスピーカーなら、そのメーカーや型式でも相当に音色が 変わってきますし、それを駆動するパワーアンプ、さらにその空間の反射や残響でも 変化してきます。
だからこそ、その場に居て自分の耳で決めて行かねばならないものであって、他人が こうしてるから・・・・で、同じに設定して作り出せるものではないでしょう。
教わった設定を紙に写すヒマがあるなら、自分の耳を信じて調整され、その変化の割合を 知った方が良いですよ。
そうすることによって、経験値として累積される『ノウハウ』が増えていくってものです。


2009.8.28 記


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