音楽ソースの音質


 先日、ピックアップなど使用されることなく、マイク録音のみにより作成された アコースティック・ギター演奏のCD作品を入手しましたので、早速TANNOYのSTIRLINGを 使って聴いてみたところ、耳には聴こえない風圧のような低音が響いて来ました。
原理的にCDでは20Hz以下の音は入っていませんので、おそらく20〜30Hzの 低音かと推測されますが、耳から聴こえるのではなくて、ソファーに座って肘掛に置いた 自分の手、その指先が触れている部分から、音圧を受けて地震のようにソファーが 振動してるのが伝わってくるのです。
音楽が終われば消えますし、CDですからレコードの様に盤の反りによって発生する 低周波でもありません、あきらかに倍音として入ってる音色でしょう。
いや〜・・・驚きました、さすがに演奏者がこだわりを持って、優良なスタジオを使って 作成されたアルバムだけのことはあります、久しぶりに音の良いCD聴かせてもらいました。

 すべての音楽ソースが、こんな感じでの優秀録音盤なら良いんですけど、中には 残念なものも多いのは確かです。
最終的な音作りを、ミニコンポやラジカセ、カーオーディオで聴いてバランスが良いように 仕上げられていると、まともなオーディオシステムで聴くと、音のバランスが悲惨な状態にしか なりませんので、聴くに耐えません。Y(>_<、)Y
最近のJ−POPなんて、ほとんどがそんな感じです。楽曲が気にいってCDを買ってみても、 数曲聴いたところで気持ち悪くなって、結局は即行で転売の羽目となります。
いくら、一生懸命作りましたって本人が主張したところで、購入者である 自分の評価としては、音楽作品としてNGとして却下でしかありませんからね。
プロは音楽を作って売ってる訳ですから、誰が聴いても、買うに値するだけの出来を 求めたいところです。
まともなオーディオ装置でキチンと再生できる音楽は、ラジカセやミニコンポで聴いても 基本的な音のバランスは良いし、聴いてて気持ちの良い音楽でもあるのです。

 アコースティック・ギター演奏の録音で、ピックアップラインによる録りオンリーなんて 最悪でしかありませんよね。
ライン録りはステージ演奏等でのハウリングの防止や、演奏スタイルから必要に応じてそのスタイルが 存在するわけで、そのままラインからスタジオ録音に使うのであれば、それはアコースティック・ ギターの音というより、ピックアップの音でしかなくて・・・、エフェクターとして何かしらの効果を 加えるのに使うならまだ良いのですが、それのみだったら豊かな倍音なんてものは聞こえてくる はずも無い、ほとんどピエゾ、もしくはマグネットピックアップの音ですからね。
個人的には、そんな音にはまったく魅力を感じられません、ボツです。(-o- )/ ⌒-~ ポイ!

 また、1970年代以前の、アナログ録音された名盤の数々、 最近ではそれらがデジタリーリマスタリングされて、CDとして再発売されていますが、 レコード盤として優良なものがあれば、残念ながらそれを凌駕するだけのCDとは なっておりません、両者を何度聞き比べても、LPの方が魅力的であり満足できるだけの 音質で音楽を奏でてくれます。
レコード盤としてまともなものが無い場合は、存在するだけCDでもありがたいですけど、 再生はできるにせよ、魅力的な音楽とはちょっと違うみたいです。

 もちろん、アナログLPのすべてが良いわけじゃなくて、むしろ国内盤のほとんどは、 商業主義により形式だけで製作されており、良好な音質とはかけ離れた存在であることも確かです。
同じLP作品を輸入盤と国内盤で聴き比べると、雲泥の差が明白にわかるのはいつものこと、 大手レコード会社に所属してて、国内盤しか出すことのない日本のアーティストは、気の毒でもありました。

 最初に書いたような優秀な音のアルバムを製作することは、ビートルズクラスの大物でもない限り、 昔はアーティストレベルでは不可能でした。技術の浸透や機器が進化して、良い時代になったのでしょうか。
しかしながら、それだけのものを作れる本物のアーティストも、今の時代、ごく稀なのかもしれません。
楽器にこだわらないと豪語する演奏者もいるくらいですからね。
本当の弘法は筆を選びます、選ばないということは、その品の良し悪しさえ、わからない・・・・・・ということ じゃないかと思ってます。


2010.4.9 記


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