価値観の相違


 最近はそうでもなくなってきたようですが、一番入手したい耐久消費財は 何ですか?・・・と問えば、多くの方々が筆頭にあげるのは『マイカー』でした。
自分の世代では思春期にスーパーカーブームもあり、それ以前の1960年代半ばからの 高度成長期の時代には、俗に3Cと呼ばれるカラーテレビ、クーラー、カーが 新・三種の神器として喧伝されて、子供の頃から脳みそに刷り込まれた所為 ゆえだと思います。
中でも『カー』は価格的に他の2者より群を抜いて高価であり、入手後の 維持管理費なども含めると、簡単には購入できるものでもありません。
しかしながら、家を持つよりは安い買い物であり、ローンで無理しない程度に 購入できる品物でもありますから、他所にも誇れるステイタスとして、どなたも 欲しがったのでしょう。

 その昔、自分たちと同年代の男女の会話では、「彼氏(または旦那さん)は何に 乗ってるの?」が、男性の品定めの常套句であって、そこでスーパーカーやベンツ、 BMWなどの超高級車の名前が出れば、キラキラの尊敬モード、国産の高級 乗用車やスポーツカーの名前が出れば合格程度、大衆車を言えば勝ったと ばかりに優越感をもって「ふ〜ん・・・・・」とさげすまれ、軽自動車の名前を出せば、 「あら〜・・・・そうなの!」と暗に馬鹿にされるか、相手にもされません。
自分の趣味はオーディオやギターであり、車にはまったく興味は無くて、 『車なんてものは、止まって、曲がって、走れば良い』程度でしたから、 10年以上も経過した古い中古車を乗り続けていましたし、もし、マイカーが 故障して動かなくなっても、お金を掛けて車を新しく乗り換えようなどとは、 間違っても考えません。
そんなお金があれば、自転車で通勤してでも、自分の趣味に費やした 方が良いと思ってるのタイプなのです。

 あるとき家内が勤務先にて、我が家のことをよく知らない同僚達との間で、 上記の「旦那さんは何に乗ってるの?」の会話が発生したときに、次のように 答えたそうです。

「うちの旦那はね、普段は4344に乗ってるの、たまにスターリングにも 乗り換えてるかな。」

すると相手の方、「4344・・・・・、スターリングって、どこのメーカーですか ???」

家内、「JBLよ、それからタンノイ」

相手の方「・・・・・?、聞いた事ないメーカーですね、外国製ですか?」と。

その後に「そう、アメリカと英国のメーカーよ!」と言ったかどうかは知りませんが、 近くに居た我が家をよく知るオーディオ好きな方、腹を抱えて大笑いしてたそうです。


 結局は・・・、高級乗用車クラスの購入費用を、オーディオに掛けてるだけ なんですけどね。
一般的には、400万円の車を購入された場合でも、超高級車を入手された という意識はあまり無くて、「けっこう高かったんですね〜」程度にしか感じない ようですが・・・・・・、同じ額をオーディオに注ぎ込んでると話すと、とんでもない 道楽者であるか金持ちであるかのように取られるようです。
これで庭先に停めてある我が家の車が、軽自動車と大衆車ではなくて、 ベンツやBMWなら、本当に金持ちなんでしょうけどね。
ランニングコストがほとんど掛からない分だけ、趣味:オーディオの方が 安いんです、車検もないし、10年以上経っても問題なく使えてますし・・・・v(^0^)イエィ


2010.4.16 記


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