石鹸メモ


 前様は化学物質過敏症に発病した当時、某病院の患者会で石鹸のレクチャーを 講師としてしました。 以下は、その時に教材用として文書にまとめたレジュメです。
URL等は古くなると飛べないかもしれませんが、保存資料として、内容や表現に校正を掛けた 上で、ここに記載しておきましょう。


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独断と偏見の無添加石鹸使用レポート



 アレルギーやシックハウス症候群になると、『無添加石鹸』じゃないと使えないって、 良く言いますが『無添加』ってどういう意味なのでしょうか?

 無添加=指定表示成分無添加という意味です。アレルギーなどの原因となる指定表示成分が 含まれていないということですね。

 普通の化粧石鹸や合成洗剤にはパラベン(保存剤)・香料・エデト酸塩・トリエタノール アミン・着色料(青色XX号など)が入っていることが多いのです。

 これらはすべて表示指定成分です。そして、以下のような問題があります。

奇形児発生    アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
発ガン性      塩素系洗剤、トリエタノールアミン等
内臓障害      パラベン、エデト酸、プロピレングリコール等
環境汚染      トリクロサン、ポリオキシエチレン、アルキルエーテル等
内分泌撹乱物質  合成界面活性剤、ダイオキシン等




合成洗剤の成分表の一部


メリットシャンプー………ポリオキシエチレン、パラベン、合成着色剤 他

クリニカ(ハミガキ)……ラウリル硫酸塩、サッカリン、アルミニウム 他

アタック(洗濯用)………アルキルベンゼン、蛍光剤、ポリオキシエチエン 他

マイペット(掃除用)………ポリオキシエチレン 他

ファミリーフレッシュ(台所用)…アルキルエーテル硫酸ナトリウム 他

植物物語(化粧石鹸)……ジプチルヒドロキシトルエン、エデト酸塩

ハイター(漂白剤)………塩素 他

アムウェイ(台所用)…ポリオキシエチレン、アルキルエーテル硫酸ナトリウム

 自宅に帰ったら、すぐ今現在使っているシャンプー、洗剤、ハミガキ、化粧品などの成分を 見てみましょう。 

 これらの指定成分(化学物質)は安全上問題とされる成分で、このほかに約90種類あり、 厚生労働省が表示を義務づけた「表示指定成分」となっています。

 このような、指定成分が添加されている合成洗剤や浴用石鹸、シャンプーを使って いると、アトピーや化学物質過敏症はいつになっても良くならないのです。

 特に注意が必要なのは、Oー157が騒がれてから、「薬用ミューズ」が学校や幼稚園で 使われることが多くなりました。

 ミューズのパッケージには「湿疹、皮膚炎(かぶれ・ただれ)等の皮膚障害があるときは 悪化する恐れがありますので使用しないで下さい」と印刷されていますので、アトピーの 子供さんへの使用は要注意の石けんです。

 0ー157を始めとした大腸菌群は人間や動物の腸を離れると、長くは生きてはいられないし、 食品の中にもある程度増えなければ発症はしないそうです。

 0ー157対策で手を洗うのなら、普通の無添加石鹸で1分間泡をたてて洗えば十分です。

 ご参考までに、「薬用石鹸ミューズ」の表示成分と毒性は次の通りです。

* トリクロカルバン・・・殺菌剤(毒性は調査中)

* トリクロサン・・・殺菌、防腐剤。(水中の塩素と反応し、さらに日光に当たると、恐力な 発ガン物質であるダイオキシンを発生させる。

*黄色203号・・・タール色素。(発ガン性が報告されている)

*赤色202号・・・アゾ色素。(皮膚吸収され、アレルギー反応を起し、黒皮症の原因と なるものがある。中には、変異原性、発ガン性を示すものもある)

*香料・・・多いほど皮膚刺激が強い。アレルギー作用を示すものもある。

*ジブチルヒドロキシトルエン・・・酸化防止剤。
(皮膚炎、過激症を生ずる。飲み下すと血清コレステロール上昇。 異常行動を起こす。発ガン性の疑い。変異原性がある。体重低下。脱毛が報告されている。)


 我が家では、娘が生後3ヶ月からアトピーがひどくて、石鹸は、無添加無香料の石鹸でも 原材料によっては症状が出ました。

 牛脂、米ぬか油、大豆油が使われているものは使えない時期があったのです。

 例えば、シャボン玉石鹸の大半の製品は、原材料が牛脂・ヤシ油・パーム油、 ミヨシ石鹸はヤシ油・牛脂で、両方の石鹸メーカーが使えない時期もあったということです。

 ありがたいことに、今、皮膚反応はでなくなりましたが、注意はしています。

 廃油石鹸の材料はほとんどが大豆油です。
現在、娘はあまり反応していませんが、CSに罹患してからは、娘より私の方が 皮膚症状が出ています。

 先日行って頂いた病院でのパッチテストの結果は、大豆油に大きく反応していたので、 皮膚感覚は正しかったようです。




無添加せっけんの見分けかた


 まずは製造会社とパッケージをチェックして下さい。

大手メーカー(資生堂、花王、ライオンなど)の製品はほとんど香料や指定成分 (エデト酸塩など)が入っているので無添加せっけんである確率は低い状態です。

 裏に表示指定成分が書いていないか(香料も指定成分です!)注意深くチェックします。

 「合成洗剤」「複合洗剤」と表示されていたら、それらには化学物質が添加されて いますから、購入するのはやめましょう。

 パッケージの品名の所に「洗濯用石けん」と表示され「無添加無香料」と記載されている物を 選ぶ必要があります。

 このメーカー名とパッケージの2点で大抵は無添加かどうか識別できるはずです。




無添加石鹸製品を作っている確率が高い会社


シャボン玉(株)
http://www.shabon.com/

 全部無添加製品です。ほとんどの石鹸の含有成分は、牛脂・ヤシ油・パーム油ですが、 ベビーソープだけは精製した牛脂が使われているため価格が多少高めに設定されています、 ・・・・・とは言っても300円ですが。
衣類の粉せっけんスノールのみ、含有成分に 牛脂・ヤシ油・パーム油に加えて米ぬか 脂肪酸が使われています。


ミヨシ石鹸(株)(販売)
玉の肌石鹸(株)(製造)
http://www.miyoshisekken.co.jp/index.html

 『無添加石鹸シリーズ』は、香料・着色料・防腐剤無添加の植物性石鹸で含有成分は ヤシ油・牛脂です。
また、『無添加ピュアベース食器洗い洗剤』は、含有成分が菜種油・パーム油のため、 手あれしません。『無添加 白いせっけん 3個入り 420円』は香料・着色料・防腐剤は 入っておらず、洗いあがりのさっぱり感が心地よいです。含有成分はヤシ油・牛脂。 このシリーズは、どこのスパーでも買えるようになってきています。

 ただし、同シリーズの『オリーブ畑の石鹸シャンプーシリーズ』は、シャンプーは パラベン入り、リンスは合成リンスと同じ成分で香料も添加されているため使えません。 私は、臭気でまいってしまい、使うと皮膚に湿疹が出ます。


障害者福祉施設 ねば塾
http://www.neba.co.jp/

 こだわりの『しらかば石鹸シリーズ』は、自然の恩恵により採取された動植物油を 使用目的に応じ配合し、水酸化ナトリウムで加水分解して作られた手作りの石鹸です。 汚れを落とす目的以外の成分、添加物、化学薬品等は一切加えておりませんので安心して使えます。 特におすすめは、洗濯用『しらかば2000快』3キロ950円です。
含有成分がパーム椰子油のみ使用し、炭酸ナトリウム15%配合することにより、 とけやすく洗浄力がアップしています。そして何より助かるのは、臭気が他の商品に 比べて少ないことです。
ねば塾の製品は、東急ハンズ、東急デパート等でも扱っています。
個人で取り寄せるのには送料がかかります。5000円以上になると送料無料。


太陽油脂(株)
http://www.taiyo-yushi.co.jp/

 パックスナチュロンシリーズが有名で、生協等で扱っています。
一部天然香料を添加した製品がありますので、商品によっては注意が必要です。


松山油脂(株)
http://www.matsuyama.co.jp/

 『無添加石鹸』のM-mark シリーズで知られています。
独特の釜焚き製法でつくられた無添加石鹸は天然のリスリン(保湿成分グリセリン)を 1.2〜1.7%含んでいるため、皮脂を取り過ぎることなく、洗い上がりがさっぱりしながらも 石鹸特有のつっぱり感がありません。浴用、手洗いから洗顔まで、使えました。含有成分は 牛脂、ヤシ油。
このシリーズの「台所用せっけん」は、含有成分がヤシ油のみ使用。
ここのアミノ酸石けんシャンプーは、脂肪酸カリウムや脂肪酸ナトリウムを主成分として いませんが、石鹸シャンプーに分類されます。


東北石鹸佐藤工場
http://www.kamadashiichiban-sekken.com/

 『坊ちゃんマークの釜だし一番石鹸』175g250円前後 。
創業70余年の確かな技術で作られた固形石鹸。含有成分は牛脂、ヤシ油。


輸入品 オリプレ トルコ南東アンタクヤ産
http://home.att.ne.jp/blue/promojapan/

 『オリプレナチュラルソープ(バージンオリーブオイルのみ)』
バージンオリーブオイルを使った石鹸で白っぽい色をしています。
切ると切り口はほんのり薄い黄緑色をしていますが、数日で白く変化します。
使っているうちに表面から透明っぽくなり、納豆のように糸を引くようになりますが、 バージンオリーブオイル100%の石鹸だけの特長です。
オリーブオイルは、ビタミン、ミネラルやグリセリンをたっぷり含んでいるので、 肌がしっとりします。非常にマイルドで低刺激なので、乾燥・敏感肌の方や 赤ちゃんの洗顔、全身用、シャンプー用としても使えます。

 月桂樹入りのオリプレ石鹸では、月桂樹オイル(ローレルオイル)が合わない、 匂いが強すぎるがこれは大丈夫でした。
しかし、オリーブオイル100%の石鹸でも、天然の独特な臭気がある為、重症の 化学物質過敏症の方は使えない方が多いようです。
また、オリプレのバージンオリーブオイル100%の石鹸は、日本人向けに特別に 製造されています。

 その他、国内外を問わず、沢山のメーカーの無添加石鹸を試してみた経緯が ありますが、なかなか手に入らない物もありますので、ここでは割愛します。




無添加石鹸って高い?


 一般に無添加ものって、値段が高かったりしますね。しかし、こと石鹸に限っては 無添加石鹸の方が安い事が多いです。

 一般に1個100円〜1000円です。

 一番高かったオリプレナチュラルソープ(バージンオリーブオイルと月桂樹オイルで 作った製品)が1000円でした。金箔入り、海藻入りなど何かを混ぜ込んだものには もっと高い商品もありますが、ごくごく普通の無添加石鹸は1個300円も出せば 良いのが買えます。今回ご紹介したものも、ほとんどが1個150円前後です。
アトピーに効くとか言って高い価格がついている石鹸ほど、添加物が入った偽者が 多いので注意が必要です。




石鹸シャンプーの使用感

 しばらく合成シャンプーを使用してきて、急に石鹸シャンプーに切り替えると、髪の キシキシ感にびっくりします。すすぎ直後は髪が弱アルカリ性になるためです。良くすすぐか、 クエン酸や食酢等の弱酸で中和すればすぐに元どおりになるので問題はありません。
ただ、このバリバリ感が起きることを知らずに石鹸シャンプーに挑戦すると、 合成シャンプーのツルツル感の魅力(実はシャンプーやリンスの界面活性剤が髪に 付着してるだけ)に負けてしまうので、これから挑戦する方は参考にしてください。
かくいう私も、石鹸で頭が洗うとばりばりするから嫌だぁ〜って、敬遠してたクチですし、 家族がなかなか石鹸シャンプーに切り替えてくれないのも、このキシキシ、バリバリ感の 為でした。
石鹸シャンプーに切り替えた直後に俗に言う『リバウンド』症状が出ることがあります。 具体的には、フケが出る・髪がもつれる・髪がまとまらない等の症状が出るようです。 シャンプーの回数を加減、リンス量を増やすなどで改善できる場合もあるようです。 (時間が経ったら収まった方もいます)




なかなか売ってない


 無添加 石鹸を売っている場所を発見するにはコツがあります。
シャンプー、洗濯用、ハミガキとも、それぞれの売り場で探すと見つからないことがあります。 大抵の店の場合、無添加石鹸コーナーが売り場の片隅にあります。洗濯石鹸売り場の隣りに 無添加石鹸製品だけまとめておいてある確率が高いです。




石鹸以外の衣類の洗濯方法


 私が持っている情報では、プラスチックの洗濯ボールとランドリー・クリーンリング、 EM米のとぎ汁発酵液、重曹、炭と塩を使った洗濯方法、 セスキ炭酸ソーダや炭酸ソーダ(炭酸塩)といったアルカリ剤を使用した方法などが あります。
シャンプーに関しては、石鹸以外では、海草ふのり、粘土の製品のガスール ・クレイなどです。


2010.4.20 記


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