焙煎、緊張の一瞬


 コーヒー豆の自家焙煎を焙烙で行ってますが、焼き始めから完了までの間に、 細心の注意を注がなければならない、緊張する時間帯が2箇所あります。
最初の緊張は、強火で焙煎を始めてから、どの時点で中火へと移管するかの 見極めです。自宅での焙煎の実績からは、焼き始めてから約2分弱で、その瞬間が 来ることが多いようです。
焙烙の中で転がる豆、全体にそっと色がつく瞬間ですね、全体にムラなくうっすらと変化 していくその時を、焙煎作業の中、焙烙を振るのを一瞬停止させた間に、見逃す事の ないように神経を注いで凝視してます。
豆によっては、強火で剥がれたチャフに火が点いて煙が出たりする時間帯でもあります。
この変化が不足気味の場合には、トータルでの焙煎時間が長くなり、焙烙を振ってる腕も 疲れますし、豆の芯まで火が通っておらずに豆の膨らみが悪くなったりしますので、 強火で失敗しろと言われる要因かもしれません。
逆に焼き過ぎるとムラ焼けの元となってしまい、ハゼ音の時間的なばらつきが 生じたりしますので、以後の焙煎工程で炎からの距離をとって、ムラ焼けの補正のために 微調整しなければならないこともあります。

 基本的に炎の強さは一定であり、最初は強火、焙煎が進むにつれて中火、仕上げの 頃には弱火と、炎との距離で使い分けるようにしています。

 二つ目の緊張は1ハゼが終わってからですね。
焙煎として、1ハゼが終わってから2ハゼが始まるまでには、ある程度の 時間が取れてなくてはなりません、1ハゼが終わってすぐに2ハゼでは、火加減が 適正でないとも言えます。
これは自分なりの基準ですが、1ハゼが終わった時点ではミディアムロースト、 2ハゼが始まる直前までがハイロースト、2ハゼが始まってからの数秒が シティロースト、2ハゼの音がピークに達したらフルシティローストと区分けして 焼いてますので、1ハゼが終わってからどこで焙煎を終了とするか、 もっとも気を使うところかもしれません。ハイロースト以降の焙煎の 進み具合は、火加減によっては非常に早くなりますからね。

集中して焙煎に取り掛かっていると、 1ハゼが終わってからハイロースト領域に入る時って、なんか豆がざわついて いるような感じを受けます。これから2ハゼになるんだよ、はじけるんだよ〜って、 準備をしてるような雰囲気が感じられるんですよね。
我が家的には、酸味の美味しい豆、シティロースト領域に入って2ハゼが出始めたら、 けっこう早めに焙煎を終了してます。モカやタンザニア、ガテマラなどがそうでしょうか。
コロンビアなどはシティとフルシティの中間程度まで焙煎を進めますし、ブラジルや マンデリンははっきりとフルシティローストまで焙煎した方が、苦味の中に良い甘味が出て 来るような感じがします。
しかしまあ、この辺は好みもありますので、焙煎される方が自分のベスト標準を豆別に 決めるのが良いのでしょうね。
人間なので、永い間には嗜好が変化することもありますから。


2010.5.26 記


< Back   |to Home|   |to Second Impact| Next >