誰にでも!


 ホームページのこのコーナーを使って、化学物質障害についてあれこれ書いてきてます。
化学物質障害と言うのは自分が作った造語で、化学物質過敏症やシックハウス、農薬中毒など、 化学物質を取り込むことによって生じるあらゆる病状を、ここではそのように呼んでいます。
なにしろ、個人差によって何がどれくらい反応するかの違いだけで、グローバルな見かたを すれば、原理としては共通と思える部分が非常に多いですから・・・・。

 家族がシックハウス症候群を悪化させ化学物質過敏症にまで至って早くも10年近くが経過、 二人の子供たちにも、化学物質が原因であると考えれば、科学的に容易に説明が付く症状が いくつも現れており、自分も有機リン中毒、ネオニコチノイド中毒と診断され、農薬や有害化学物質の 影響を身をもって感じるようになってる現在です。
そんな経験値から、不定愁訴と呼ばれる原因不明の体調不良で悩んでる方を見ると、ついつい 化学部質障害の観点から原因を分析してしまいます。
正式に診断の付いた病名として、うつ病、慢性疲労症候群、パニック障害、筋無力症・・・・と、 いろいろありますが、その病気にかかった根本原因が何であるか定かではない場合が多くて、 そこに化学物質障害という方程式を当てはめて考えると、スラスラ〜っと解が導き出せる場合も 多いのです。
もちろんそれがすべての要因という訳ではありませんが、50〜60%以上は、化学物質の 関連性が高いと考えられる要素がたくさん出てくるから不思議です。
うつ病も、癌も、ひきこもりも、登校拒否も、学級崩壊も、昔は今ほどは多くなかったでしょう。
田畑に農薬を撒くようになり、学校の床にワックスを塗るようになり、家庭で合成洗剤や 柔軟仕上げ剤、抗菌グッズを使う頻度が上がるに連れて、それまでにはめったに在り得なかった、 聞き慣れない病名や症候群が増えてきてるようです。

 有害化学物質によって、一気に重度の症状まで悪化するとか死に至るのであれば、 その関連性について証明しやすいというか、要因を特定して制限を掛ける方向に なるかと思いますが、ボクシングのボディブローのように時間を掛けてじわじわと ダメージが上がってきて、生かさず殺さず程度に痛めつけてくるってのは、非常に 性質が悪い病状です。しかも、表に出てきたその症状、医療マニュアルの中で 該当する病状や病名もあり、対処療法として医学治療を行えば、一時的にせよ回復する こともあって、原因との因果関係の究明がより一層困難となってます。

 また、個人差が大きいってのも、関連性についての原因究明が遅れてる要因かと 思えます。例として、虫は殺すけど人には無害であると謳ってる農薬類、 花粉が舞えば花粉症を発症する人と、発症しない人の差がもっと拡大したようなもので、 発症しない人にとっては何でもない空気環境であって、病状が出ることすら信じられない 世界でもあるのです。
故に化学物質過敏症患者が、気の迷いだとか、精神的な問題だとか、謂れの無い 無理解に苦しむことも多くあります、なにしろ、わかる人にはわかるけど、わからない人には まったく無縁とも思える世界になってますからね。

 そして、忘れてならないとても重大な事がひとつあります。
今は何でもない方でも、同様の発症をする恐れが在るという事、誰にでも 化学物質障害を発症する危険性は存在しており、それは今日なのか、明日なのか、 あるいはずっと先なのかわかりませんが、化学物質に汚れた腐海の空気を吸い続けている限り、 いつか必ず、どなたでも発症してしまうという事です。
あるいはすでに発症してしまってるのですが、他の病名が付けられていたり、合併して 起きてる病状に隠れていて、本人や医師が気付かないだけなのかもしれません。
こればかりは専門医の目で診ないとわかりませんからね。
 

2010.6.10 記


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