こだわらない思考


 円周率π、何桁まで言えるかなどの世界記憶の話題もありますが・・・・
通常の生活で使うにはπの値は3.14で事足りますよね。
電卓やパソコンを利用すれば、小数点以下いくらでも計算できなくは ないのでしょうけど、計算したところで意味が無い!ってパターンも 実際にはよくあるようです。
例えば、半径5cmの円を描いてその面積を求めるとすると、 円周率を3.14で計算すれば78.5平方cmになりますが、 円周率πにして電卓の許す範囲 (3.141592654)で計算すると、78.539816平方cmの 数値がはじき出されます。
その差は0.039816平方cm、寸法的には2mm四方分の 誤差となるわけですが・・・・・
ここで、どうでも良いところに神経質な方ってのもいらっしゃって、 この約1972分の一の誤差に拘ったりするのです。
確かに数値的には誤差として存在しますが、いざ描いてみた 半径5cmの円の面積について計測を試みてみれば、 前提条件だった半径5cmの円、まずこれが理想地であり、実際には 円を書くにも線の太さなどもありますし、また円自体をコンパスで正確に 描ききれているかどうかの問題も存在します。
仮に線の太さの影響で、半径4.99cmの円であったとしたら、 その面積は78.22・・・・となってしまい、誤差0.039816平方cmの 狂い分など、一桁大きく上回る数値となってしまいます。
そしてこのように神経質に陥って末端の数値だけを追いかけてると、 重箱の隅を突付くだけとなり、本質を見逃してしまって本末転倒してることも 多いのであります。

 何事においても突き詰めて考えることは大事であり、すべてにおいて 微々たる数値や効果で違いというのは出てきますが、それがトータルでは 誤差の範囲で消えてしまうものかどうかは、大局的な視点から判断して 考えなければなりません。
特に神経質な方が陥りやすい例として、オーディオにおける接続ケーブル等の 選択があります。ケーブルを代えれば音が変わるってのは間違いない事実 でしょう、しかし、ある程度の水準以上の製品を使っていれば、その変化量は 微々たる物であって、極端な話、スピーカーの向きを少し変更した方が はるかに大きかったりします。
スピーカーとアンプを結ぶケーブルでもそうですね、バイワイヤリングとかで ひとつのアンプから、スピーカーが持つ高域用、低域用のターミナルに向けて、 2系統の配線をする方法もあるそうですが、ケーブルが2本になって、その インピーダンスが半分になった以上の変化は、実際には望めないでしょう。

 ギターの弦を緩める場合も、弦のテンションからネックにネジレの力が働かないように 緩める順番を考えてから実施するとか・・・・、まさに愚の骨頂ですな!
そこまで気を使わなきゃならないギターだとしたら、弦をレギュラーで張っただけで 壊れてしまうような代物でしょう。

 何ゆえに細かいところで無駄に神経質になるか、それは、数学が、物理が、 物性が、化学が、基本的にそのつながりを含めてわかってないからです。
科学では説明がつかない事象なんて、簡単に起こるものではありません。
もしあったとしたら、最先端の科学が、まだそこまで進歩していないだけなのでしょう。
今現在、科学を越えるものがあるとしたら、それはヒトの持つ優れた感性であって、 巷にあふれてる有害な神経毒類などで、それを壊さないようにしたいものです。
ミニマムで考える、マックスで考える、この両者が客観的に行えないようなら、 その方の感性は壊れ始めてるのかもしれません。




なんとこれで、Second Impact 500タイトル!(^_^)vイエイ


2010.11.30 記


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