遠き春よ


 3月11日に起こった大震災、ゆっくりですが復旧も進んでいるでしょう。
いつもの年なら春の香りを感じて、今年の桜は・・・・・、なんて想像しているのですが、 今回ばかりはどうも勝手が違うようです。
計画停電、予想通り産業の再生に足をひっぱってますな。
それはもう、電力が足りなくなるので、部分的に停電させないと大変な事に なるのはわかりますけど、あまりにも政府からの説明が下手じゃありませんか?

 「逼迫した状況下であり、今すぐには細かいことまで考えてられないので、とりあえず 地域を分けて順番に停電するようにしますから、大変なご不便を掛けますが 国民の皆様におかれましてはご理解の上、ご協力下さい」とでも言って、 「後日、計画停電による不具合事象につきましては、協議の上是正します!」と、 補足しておけば、誰もが安心して停電に協力できるんですけど、そんな説明も 何もなくて、いきなり順番に停電ですからね。しかも都心部は除外ですし、 地域によっては実施されたことのない場所もあったりして・・・・。

 一般家庭で停電があっても、ほとんどは個人的には我慢できる範疇であろうかと 思います。中には病人を抱えてるとか、高層ビルの上の方に住んでるので、 上がり下がりできないとかの問題はあるでしょうけど・・・・・。
産業として物を作ってる場合、その完成までの工程において、どうしても時間を 要するものもあります。例えば、炉などを使って熱管理をする場合、一旦冷えてしまうと すぐに温度が規定値まで保てるものではないですから、途中で停電が 入るのでは工程がまったく成り立ちません。
おそらく1日3時間の停電で、生産量は10%以下に落ちてしまうでしょう。
これでは物不足も起こりますよね。ましてや復興のための増産が必要だと 言うのに・・・・。

 それから信号機、停電と同時に全部消えてしまうのですから、危なくてしかたありません。
特に幹線道路と交錯する場合、そこを通過するリスクや渋滞が生じる危険性が非常に 高くなります。
現代の信号機はほとんどがLEDランプ方式ですから、3時間程度はバックアップできるUPS (無停電電源装置)の設置も、小形のもので済みますので容易ではないでしょうか。

 これらの是正は是非早急に検討していただき、実施して欲しいものです。
もっとも、最初からこの程度のことがシミュレーションできないような政策集団じゃ、無理な 難題なのでしょうかねぇ?

薄ら寒い中、今日も夕方から計画停電があって夕食時は真っ暗な地元地域、春がまだまだ遠く感じます。

2011.3.22 記


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