Bert & John
音楽関係でファーストネームが『John』である著名人、けっこういらっしゃいます。
思いつく限りでも、レノン、ウイリアムズ、デンバー、コルトレーン、マクラフリン、トラボルタ・・・etc
今回のタイトルの『John』は、セカンドネームがレンボーン(Renbourn)であって、一般的には
ほとんど無名かもしれませんが、アコースティック・ギターを弾く方にとっては偉大なる個人名、
あるいは神様級と感じてる方も多くいらっしゃる、英国のギタリストであります。
そしてもう一方の『Bert』に続くセカンドネーム、音楽関係者では一般にはバカラック
くらいでしょうか?
他に思いつく名前が出てこないのが普通かもしれませんが、ここではヤンシュ
(Jansch)のことであり、上記のレンボーンと二人、近年のポップスやロックに
多大なる影響を与えた、ミュージシャンズ・ミュージシャンと呼ばれる方達です。
彼らの音楽が無かったら、ジミー・ペイジのかの名曲『天国への階段』は
生まれなかったかもしれません・・・・・というのも理解できます。
そもそもこの二人の名前を知ったのは、1972年頃に発売されたサイモンと
ガーファンクルの楽譜本でした。
『ポール・サイモンを追及するなら、その影響を受けた、バート・ヤンシュ、ジョンレンボーン、
ペンタングルを聴くこと』と書いてあったのです。
しかしながら、田舎町のレコード屋さんに、日本では無名な海外アーティストのレコードが
置いてあるはずもなく、しばらくはご縁がありませんでしたが・・・・・・・・
数年が過ぎた頃、地元のレコード屋さんに寄ったら偶然おいてあるのが目に止まりました。
珠玉のギタリストの祭典なんたらかんたらと帯に書いてあって、どうやら再販で
リリースされたようです。
再販されたとあっても、そのシリーズが全部入荷しないのも田舎のレコード屋さん、
そこにあった、二人の共演作である『バート・アンド・ジョン』、ジョン・レンボーンの『アナザー・マンデー』、バート・ヤンシュの『若者の不思議な世界』の3枚を、順次購入していきました。
1974年頃の学生の収入で、レコード盤1枚¥2300は非常に高価でもあります。(^_^;)
今と違ってコンピューターやインターネットなど無かった時代、彼らに関する情報も
ギター雑誌の片隅に書いてある程度しかありませんから、想像も出来ない
アナザーワールドに飛び込んだような感じを、レコード音楽からの衝撃として味わったものです。
『バート・アンド・ジョン』を聴くと、ステレオの右と左のスピーカーに分かれて、それぞれが
勝手に弾いてるようで実はピタリとあってる不思議な響が聴こえてきます。またその音色、
自分が知ってるコードの和音ではありませぬ、どこからそんな響を持たせた音が出てくるのか、
自分の知識では想像できないし検討も付きません、チューニングも普通ではなさそうです。
学生時代に友人の車にて、このLPを録音したカセットを掛けさせてもらいましたが、
ギター音楽に興味ない友人からは評価は得られません、むしろボツでした。
購入した順番、今となっては定かではありませんが、『アナザー・マンデー』では
目が点になってぶっ飛びました。\(°o°;)/ウヒャー
このアルバムの中にある『バッファロー』、『ワルツ』、めちゃくちゃカッコよくて凄い演奏です。
とても一人でギターを演奏してるとは思えませんでした。(⌒_⌒;) ・・・・
一人で行うソロ演奏のほうが、競演によって合わせるというリミッターが外れるのか、
無制限で凄いことをやってるような感じですね。
イメージとして、天才+天才=2人の天才ではなくて、秀才1名でしょうか。
『若者の不思議な世界』という邦題タイトルが付いてるバート・ヤンシュのアルバム、現題は
『Bert Jansch』であり、ソロデビュー作品でした。
こちらも、どこからその音が引き出せるのか、本当に不思議な世界と思わせる音作りですが、
特に最後の1曲、ポール・サイモンの演奏でも有名な『ANJI』は、珠玉の最高傑作です。
比較的に簡単な演奏形態でありながら、あのドライブ感とタメ、たやすくできるものではありません。
かくしてこの3枚をスタートに、彼らが参加したアルバム作品、二人がソロ活動後に結成した、
ケルト音楽とジャズとクラシックを融合したようなペンタングルと、都内まで出かけて可能な
限り入手して聴いてました。
ステファン・グロスマンとジョン・レンボーンの共演作品も入手したのは言うまでもありませんね。
このような感じで、本場の超一流と呼ばれる、神様のような方達のギターインストモノを長いこと
聴いてきた訳ですから、その後の日本におけるアコギブームの中で、関西の巨匠が
どうたらこうたらと、あたかも偉そうに奉ってるのがアホ臭く感じてしかたありませんでした。
自分にとってギターの神様は、このお二人なんでしょうね。
残念ながら、バート・ヤンシュさん、先日、享年67歳で天に帰ってしまいました。
感謝を込めて・・・・・・、合掌 (-∧-)ナムー
2011.10.12 記
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