吉田拓郎 LIVE 2012


 2012年11月6日(火)に行われた、NHKホールでの公演を 収録した映像ソフトですが、LP時代から数ある吉田拓郎のライブ 演奏記録の中で、傑作と誉の高い『LIVE’73』に匹敵する、 秀逸な出来栄えであると感じましたので、ここに書いてみました。
肺癌から立ち直っての全国ツアーが体調不良から中止となり、昨年、 関東地方でだけ4か所で行われたライブ公演の一つだそうですが、 ビッグバンドを従えて拓郎様が歌ってる!・・・・・という、それまでの イメージとは異なり、まさにサポートメンバーと一体の拓郎バンドになって、 フォークの神様がシャウトして歌ってる!って感じでしょうか。
しょっぱなの1曲目は、Gibson J−45のしょぼい音での 弾き語りから始まりますが、ボーカルはしょぼくありません、年期を 重ねた大御所の、説得力を伴ったシャウトな歌声が染み渡ります。
やはり吉田拓郎は、シャウトした歌い方が魅力でもあるのですが、病み上がり の影響から期待しちゃいけない気もしてました、しかし、そんな懸念は 見事に吹き飛ばしてくれたのです。
66歳になってしわが増えて、老獪な感じもしなくもないし、もしかしたら、 こんな元気な拓郎さんはもう見られないんじゃないかと心配になって しまいますが、それほど入魂のライブでもあります。
続いての2曲目の『落陽』、カポは3フレットと、キーを半音下げての アレンジですが、PRSともう一台のエレクトリックギター、メーカー名は 存じませんが、新加入の鳥山さん、渡辺さんツインリードで、実に良い音 出してますね。
拓郎さんにしては珍しく女性メンバーなし、野郎だけの3人編成による、 バックコーラスやハーモニーもたまりません。
そしてそして・・・『LIVE’73』でも聴けた16ビートのロック調 アレンジでの『こうき心』へと続けば、もうここまでで昇天して しまいます。

 サポートメンバー、ドラムスとベースとキーボードは、最近の馴染の メンバーの様子ですが、ギターは上記の二人に代わり、Amazonのレビューに よると、主にリード・ギターを弾いてる鳥山雄司さん、今回のアレンジも行って るそうです。
そんなレビューでも評価の高い『Voice』、アルバム『伽草子』に フィーチャーされてた『話してはいけない』を彷彿とさせる楽曲であり、 スパニッシュギター風のアレンジと演奏が光ってて、メチャかっこいい です。
前様も初めて聴いた曲でありながら感動してましたからね。


 吉田拓郎のライブ映像は、つま恋コンサートも含めて何本も所有してますが、 今後において何回も聴き返すであろうと、このライブほど魅力を感じたものは ありません、まさに現在の集大成とも言えるような傑作であり、 『LIVE’73』に匹敵する、吉田拓郎の名作が、また出来上がった と思えます。


2013.2.5 記


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