12弦ギターを3本


 ギターという楽器が大好きな方には、6弦の普通の機種を何本も 所有されてる場合が多いですが、12弦ギターまでお持ちの方って 意外と少ないみたいです。

 思い起こせば約40年前、6弦のまともなギターも持ってないのに 12弦ギターを入手してました。モーリスのB−30という機種で、 外観的なスタイルとしてはMarinのD12−28でしょうか。
ヘッドには筆記体のMartinロゴではなく、ゴシックの活字体で Morrisと金色の文字が入ってました。ペグはカバー付きでしたが、 精度が悪くて回しててムラがありましたっけ、ピックガードは真っ黒な マーチンスタイルの水滴型、音は弦鳴りだけで深みはまったくなくて、 12本の細めの弦を張って、シャランシャランしてるのだけが取り柄の ようなか細い音色でした。
2年後に定価¥50000の6弦ギターを手に入れるまでに、 近所の楽器屋さんで、Gibsonのハミングバードスタイルのピック ガードを買ってきては付け替え、ペグも安い国産品でプラスチックボディの ロトマチックタイプが楽器屋さんの店頭にあったので、2セット 購入、リーマでペグ穴を大きくして装着してと、それなりに手を入れて 愛用してましたが、音質まではどうにもならなかったですね。
以後はサブのギターとして、バンド演奏の中で12弦ギターとして の響きが欲しい時に、たまに使ったりしてました。
そんな初代の12弦ギターでしたので、ジョン・デンバーの弾く F−612、ポール・サイモンのF−212XL、 ニール・ヤングやさだまさしのG−312、カタログを見ては、 Guildの12弦、その本物の姿にあこがれたものです。

 数十年後にエルダリーの通信販売を知り、安い中古のGuildの 12弦を見つけて、これはチャンスとばかり後先も考えずに注文の ファックスを送りましたが、残念ながら売り切れていて 入手できず。(ノ_<。)うっうっうっ
しかししかし、捨てる神あらば拾う神ありで、インターネットがご縁で、 サンフランシスコの楽器屋さんから、Martin D12−20、 1965年物を本体価格$1000以下で入手できました。
エリッククラプトンのアンプラグドのライブでも使われてた、キング・オブ ・12弦、音色はカラッカラで流石のヴィンテージものでございます。
しかしながら、ネックコンディションが良くなくて、前ユーザーが施した 改造によってネックリセットもできません。ペグも固くて回らないし・・・。
音は良いんですけどねぇ、2本目の12弦ギター。

 そんなD12−20を入手してから1年後となる2001年のお正月、 偶然にも御茶ノ水の中古ショップで見つけたGuild F−512を 我慢がならずに購入。詳細はギターのページに書いてある通りです。
自分にとって3本目の12弦ですね。
これでMartinとGuild、2大メーカーの12弦をそれぞれ 所有することになりましたが、さすがに2本あっても出番はそう多くなくて ・・・・・。
音質的にはMartnの方が枯れたマホガニーの味わいであり、さわやか で良いのですが、如何せんネックが反ってて弾き辛いし、弦交換時の 煩わしさも含めて、ペグが使い物になりません。
比較するとGuildの音色はちょっとウェットですが、弾きやすさは ハイポジションでも抜群で、ダブル・トラスロッド入りのネックは、 ちょっと重たいのが欠点ではありますが極めて丈夫です。
14フレットだし、ネックの握り具合も良好で自分の感覚にフィットします。 トップの膨らみもなく、シャーラーゴールドのミニ・ロトマチックに 交換したペグでのチューニングは容易であり、演奏性としては文句の 付けようがありません。
なので、昔からの憧れでもあったGuildのF−512を我が家唯一の 12弦として温存して、音の良いD12−20は6弦に改造してもらい ました。
購入金額の2倍以上の料金が掛かりましたが、転売しても二足三文でしたし、 もし次に購入した人が知ったら、がっかりするような状態でしたからね。
我が家にやってきたご縁から、6弦のスタンダードタイプのドレッドノート として復活です・・・・・。って、この辺もギターのページに記載して ましたわ。

 約40年前から比べれば、MorrisのB−30がGuildの F−512になったわけですから、この上ない進歩であります。
そして現在のB−30は、ロトマチックのペグが壊れてしまったので、 古いグローバーゴールド102Gを6個だけ取り付けて、90歳になった 実父が手慰みで弾いております。
12弦でダメだと、6弦に戻すのがよろしいようで! (°°)\(-O-;) ッテナンデヤネン

2013.3.25 記


< Back   |to Home|   |to Second Impact| Next >