原発問題


 いろいろなご意見がございますが、現在の視点で自分なりに 考えてることをまとめておきましょう。

 まず、原発は将来的にはゼロにすべきですが、即刻ゼロというのは かなり無理があると考えてます。 現状、稼働してる原発が限りなくゼロなので、すぐにでもできそうな 錯覚に陥りますが、原発の代替えとして、相当に老朽化してる装置も 含めて、火力発電所がフル稼働してる ことを忘れてはいけません。実際問題、現在の日本の電力供給は、火力 発電でほとんどを賄ってます。つまり、石油、石炭、天然ガスなどの 化石燃料を燃やして、CO2を排出させながら、かろうじて必要な 電力量を確保しており、環境汚染の拡大も続けているわけです。
また、化石燃料の高騰が生じれば、それは電気料金の値上げとして すべての経済に降りかかり、国内での物価が、何から何まで値上がり せざるを得なくなります。当然、国際競争力にも影響が出て、高い 日本製品は売れなくなり、国内企業の倒産が相次ぐでしょう。
もし、中東諸国の政情が悪化して化石燃料が手に入らなくなる状況 となれば、311の影響で経験した、あの交代制度での停電を再開する しかないのも確かです。
元総理の小泉君が『政治の力で働きかければ実現できる!』と主張した ところで、現実は政治の問題だけじゃないんです。
原発で働いてる人も大勢居るのですよ! 多くの方が職を失ったら どうなるの、その配慮もしなきゃいけません。

 代替エネルギーの確保に全力をあげて・・・・と申す方も居りますが、 太陽光発電、風力発電、地熱発電、まだまだ絶対的な電力量が確保 出来ておりませんし、安定供給という観点からは問題外です。耐久性に おいても、ソーラーなんてまだ開発されてから30年しか経っていません からね、太陽が出てなければ発電できないわけですし、売電で 元が取れる頃には、発電システムが寿命と言うことも多々あります。
要は、エネルギーとしての総量と、安定供給が確保されてないのですよ。
それを満足して、初めて代替エネルギーと言えるわけですから、 その保証が無い限りは、原発を即刻ゼロにも出来ないわけです。
現状、火力発電に頼ってますから、円安に伴い燃料代も値上がりして、 電気代の値上がりから、冷暖房費の高騰、原材料価格の上昇を誘い、 食料品、工業製品の価格も値上がりせざるを得ないでしょう。
それでも値上げを認めてもらえない弱い中小企業は、徐々に破たんする しかなくなりますので、経済的にはお先真っ暗でもあります。

 これらのことを承知で、即刻原発ゼロを叫ぶのも良いですが、各個人 としても、それなりのリスクも責任も背負わなければなりません。
日本全体として電力使用量を減らすしかないわけですが、 現状の電力使用量、製造工場などでほとんどを占めていて、家庭用で 消費してる分などは、トータルとしても極わずかです。そのわずかな分を ゼロにする覚悟、家庭においては電気的な冷暖房は無し、冷蔵庫もなし、 テレビも無し、スマホや携帯電話も時間制限で使う程度etc・・・・、 昭和30年代の暮らしを今の時代に再現するような生活、 これを実現できるなら、原発即刻ゼロも夢ではないと思えます。


2013.11.6 記


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