レコードの日


 11月3日は『レコードの日』なのだそうな。
なんでも、日本レコード協会によって1957年から定められて いるとか・・・・・、って、まったく存じませんでした。
1980年以降、CDの登場によって店頭や市場から徐々に存在が 消えて行き、2000年代では中古ショップでしか見かけることの できなくなったアナログレコード、皮肉なことに、デジタル信号としての音楽が ネットによって無料で聴く事もできるようになったり、それに伴ってメディア ソースとしてのCDが売れなくなって、より高品質な音楽ソースとしての ハイレゾ音源を配信で購入するスタイルが確立されるに至り、レコードを まったく知らない若い世代が、その存在感からアナログレコードに興味を示し、 デジタルな音楽は形が無いけど、レコードなら所有感があるとかで ブームになったらしい・・・・?。
1万円前後で売られてるオールイン・ワンの安いレコードプレーヤーも、 それに拍車をかけてるとか。レコードを全く知らない世代には、円盤が 回って音が出て来る、眼で見えるメカニズムが新鮮なのでしょうかね?。


 思い起こせば、中学生になって電蓄を買ってもらって、小遣いを貯めて 初めて買ったレコード、どちらを先に購入したのか記憶からは消えてますが、 シルヴィ・バルタンの『悲しみの兵士』とメリー・ホプキンの『ケ・セラ・ セラ』のEP(ドーナッツ)盤、2枚とも健在であります。
初めて購入したLPは、ニッポン放送のDJパーソナリティ達が製作した 『オールナイト・ニッポン』という、ラジオ番組のような30cm盤だった気が しますが、こちらは何処へ消え去ったやら?
その後は、お小遣いをもらってる時代はEP盤やS&GのLPを細々と 買い集め、学生時代にアルバイトをするようになってからは、 その時代の好きなアーティストの作品をあれこれと、 社会人になって収入が増えてからは、都内まで出かけてレコードショップを 漁ったり、海外から直輸入でクラシックのLPを購入したりと、コレクションを 増やしていきました。

 そんなこんなで50年弱レコードを聴き続けてる訳ですけど、利便性に於いて はネットワーク・オーディオの方がはるかに便利であります。しかしながら、 面と向かって聴きたくなる魅力が、レコードで音楽を聴こうって場合には あるのですよ。
もちろん、レコード盤としての品質が良ければとの条件は必須です。
テキトーにプレスされた国内盤の多くはクズな盤でしかなくて、それらを 聴くくらいなら、CDの方が全然良かったりするのも確かな事実です。
要は、レコード盤なら良いってものじゃないんですよね。
このホームページ内に『我が家の名盤』のコーナーがあって、 そこに掲載されてるLPレコード、輸入盤はすべて素晴らしい音質であり、 お奨めできるレベルですが、国内盤ではすべてが良質であるとは言い切れ ません。可能であれば同じタイトルでの輸入盤に買い替えたいところですが、 日本でしか発売されてない盤ではそれも叶わず、音質面の良否に於いては、 レコード会社の良心と、そのアーティスト、もしくはスタッフのプロデュース 力にゆだねてるところでもあります。

 レコードの日として再ブームの到来に喜ぶのも良いですが、ただ単にレコード だからとの理由じゃなくて、品質の良い盤で、それなりのカートリッジ、 トーンアーム、ターンテーブル、フォノイコライザーを介して再生された、 良質のレコード音楽を、多くの方に聴いていただける機会も設けてほしい ものであります。
レコードプレーヤーを上質のものに替えると静寂性が全然違いますし、 ワンチップのフォノイコライザと本格的なシステムでは雲泥の差でもあります。
たしかに1万円前後のプレーヤーでも再生できますし、デジタル音源にして 取り込むことも可能でしょう、でもその再生音は、本格的なシステムで再生した ものとは、月とスッポンどころか次元が異なるほどの違いでもあるんです よね。
レコードの日には、ぜひ極上の音でレコードを聴いて欲しいものであります。


2015.10.28 記


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