ブルーグラス・スペシャル?


 41年前、Guildというメーカーのギターが欲しくて、アルバイトで 貯めたお金を持って、当時の友人とお茶の水へ行ったのは6月1日のこと でした。
持って行った金額では足りなくて、同行の友人から借金して購入したのは 『ギターだ!』にある記載の通りですが・・・・・

 それから丸40年以上が経過した現在、ボディ上の指板でフレットを 抜いて削る修理から始まって、フレット交換、ブリッジ割れ2回と それに伴う貼り直しを2回、トップのセンター割れで修理3回、ペグ交換 2回と、満身創痍ながらも現役で愛用しております。
昨日、ネックの下側にベトつく感じがあったので、ウェットティッシュで 拭いてたら、塗装がはがれたのか、指板側面とそれと接合してるネック部の 地肌が一部露出してきました。
地肌が見えたところで、ベトつく感じは解消されたので機能的にはOKです けど、長年の使用で塗装膜が傷んできてたのでしょうかねぇ?

SER No.111352より、製造年月日を調べると1974年の 製造品でした。よくこのSER Noの発表を、ネットでは隠す方が いらっしゃいますが、何の意味があるんでしょね? ギターの個人情報が 知られたところで、社会的には何の問題もないかと思えますけど・・・・?
以前に手放したMartinのD−35は、SER No.394002 でした。今はどこで、どなたが愛用されてるんでしょ? 気になります。

 閑話休題、で、その音質ですが『ギターだ!』でも書いてありますように、 Guild D−50 ブルーグラス・スペシャル という名前が 付いておりますが、とてもブルーグラスに向くとは思えないんですよね。
ブルーグラスといえばMartinのD−28、低音がドカ〜ンとド迫力で、 高音が鈴なりのシャリ〜ンってイメージですが、高音のシャリ〜ンは ともかく、低音が全然ドカ〜ンと来ないんですよ、どちらかと言えば ゴンであります。
使ってる材質はD−28と同等で、トップはシトカ・スプルース、 サイド&バックはローズウッド、指板横にセルがないところまで D−28と同じで、基本的にはD−28をコピーしたと思われるギター なのですが、出てくる音はMartinのそれではなくて、まったくの 別物であります。これがGuildサウンドなのかどうか、年代の違う D−50という機種をほとんど引いたことがありませんので、自分には判断 できませんが、ブルーグラス用であるとはとても思えませぬ。
数年前に、新しくなったGuild社の新品のD−50を渋谷の某所で 試奏させてもらいましたが、ピックガードの形状を含めて、まったくの別物と 感じました。

 で、ブルーグラス用ではないと思えるこのGuildですが、音質や 鳴り方が嫌いというわけではないのですよ。低音の『ゴン』の音色には、けして 『ボン』にならない固さが維持されていて、中・高音も含めて、パルッシブな 大きい音は出ないけど、サスティーンが非常に長く維持されるのであります。
さらに40年も使ってる経年変化なのか、音色がカラッカラに渇いていて、 もう弦が古くなって死んでても、新品であっても、ほとんど差が感じられない ような鳴り方してくれるんですよね。
百聞は一見にしかずと言われてますが、ギターの音は文章で書き表すよりも 実際に聴いていただいた方が確かでしょう、↓こんな感じの音色でございます。

Guild D−50による演奏サンプル:よしだたくろう『雨』の一節

 この録音を行った時も、少なくても1年以上は弦の交換はしておりませんし、 月に一回のバンド練習で、都度2時間くらいは使用してる弦であります。
以後も弦交換しておりませんが、同じ音が出ていますし。
どちらかというと、フォーク・ソング・スペシャルみたいな〜・・・・ (°0°)ヾ(-_-;)オイオイ


2016.4.26 記


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